評価３
再読（前回2019年5月25日）。
いわゆるサイキック「超常能力」を持った高校生と青年の物語。
ある事故がきっけで週刊誌記者の高坂と超常能力者の高校生の稲村慎司は知り合った。慎司は自分の持つ能力を有効に使える手段はないかと考えていたが、同様な能力を有する青年・織田直也は世間に知られることがないように密かに生きることを望んでいた。このような二人の考えの対立から事故の加害者の一人を死に追いやってしまったことを知り、高坂も二人の能力に理解を深め親交も深まって行くのだった。そんな時、高坂宛に不可思議な封書が立て続けに送られて来て、3人が高坂を取り巻く事件に引き釣り込まれてしまう。
「ちょっと焦点がぼやけた物語だな～」という感想。
話の主眼が二人の超常能力にあるのか？高坂の前妻との微妙な人間関係にあるのか？
で、何故、高坂事件の犯人が高坂に白紙の封書を送って精神的な揺さぶりをかけてまで、前妻と離婚している高坂を事件に巻き込んだのか？正直、その辺が今だ呑み込めない私です。
こんなことを言ってはなんですが、宮部作品としては駄作だと思う・・・
【追伸】
超能力者としての悩み（周囲に知られないように細心の注意を怠らない）は筒井康隆の七瀬シリーズにもたびたび出て来るテーマですね。
