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新白堊スポーツ(since2004.9.18)~盛岡一高応援ページ

母校の盛岡一高と中央大学を熱烈応援!
趣味はウォーキングと読書。よろしくお願いします。

宿命ー高沢皓司

2025年07月10日 | 読書


評価5

再読。
よど号事件赤軍派リーダー田宮高麿のブント時代からの友人である著者が彼等がチュチェ思想・金日成礼賛へ転向する過程、その妻たちが関わった日本人拉致の手口、日本帰国を画策したプロパガンダなど、数々の暗部をえぐり出した衝撃のルポルタージュ!一読をお勧めしたい傑作!

何度読んでも震えるくらいの読後感。北朝鮮の暗部が見事にとらえられている。事件後20年ぶりに北朝鮮に飛んで田宮に会った著者は、何度となく面会を重ね、書簡のやり取りを重ねるにつれ徐々に違和感を覚え、よど号メンバーに日本人妻がいることを知った時から実体究明に本格的に乗り出すのだった。これぞ「ジャーナリズム」と呼べる力作!

北朝鮮の手先となり国際謀略、日本人拉致の中心となって活動してきた犯人許すまじ!もちろん北朝鮮も!
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ガールー奥田英朗

2025年07月08日 | 読書


評価3

再読。
映画化もされたキャリアガールを取り巻く短編集、

①ヒロくん ②マンション ③ガール ④ワーキング・マザー ⑤ひと回り

イケメン新入社員に誘いをかけて来る若手女子社員からイケメン新入社員を守る35歳独身OL物語「ひと回り」が私のイチオシ。

何度も読み返しているから最初に読んだ時のような感動は何処へ・・・(笑)
まっそれはさておき、やっぱり奥田英朗の小説はすこぶる読みやすい!
テンポの良さと私の感性との相性か!?

しばらく奥田英朗作品が続きます。

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よど号事件最後の謎を解くー島田滋敏

2025年07月08日 | 読書


評価5

再読(前回2018年12月1日)。
1970年3月31日、羽田から福岡へ向かっていた日航よど号が赤軍メンバー9人によりハイジャックされた。よど号は三日後ピョンヤンへ向けて飛び立つが偽装工作により韓国の金浦空港へ着陸。現地対策本部事務局長として事件処理にあたった著者により知られざる真実が明かされる。

よど号には会社社長と神父の二人のアメリカ人が乗っていたが、金浦空港で乗客が解放された直後、神父の方が忽然と姿を消したという。金浦空港への誘導は米国と韓国の共同謀議との疑いを持つ著者は、その理由を上げ、神父がCIAのエージェントではないかとの見解を示している。なかなか興味深い見方である。

しかし、日本政府の腰抜けさ加減(外交音痴)といい、マスコミのいい加減さといい、著者も指摘しているように「昔も今もなんにも変わっていない」ことに愕然とするばかりである。そして、世界同時革命根拠地論なるものをふりかざして北朝鮮に渡ってはみたものの、犯人たちはチュチェ思想に洗脳され、その妻たちが世界を股にかけて日本人拉致に手を染めて行くのである。
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赤い雪 総括・連合赤軍事件ー角間隆

2025年07月06日 | 読書


評価5

再読(前回2018年11月14日)。
「あの事件」を日本赤軍・重信房子の動向や世界の動き、日大全共闘による大学側との大衆団交(昭和43年9月)、東大安田講堂落城(昭和44年1月)を織り交ぜながら多角的にとらえたドキュメント。ブントからの赤軍の分派の過程がよくわかる。

重信房子(日本赤軍)の人材枯渇によるなりふり構わぬ兵士の一本釣りに驚く。東アジア反日武装戦線の浴田由紀子、大道寺あや子、強盗殺人犯の泉水博などが日本赤軍が起こした事件の人質との交換(超法規的措置)で新たに兵士に加わっている。

尚、作中(172頁)、脱走により印旛沼で殺された向山茂徳が、昭和46年8月に弟にカップラーメンを買ってあげるくだりがあるのだが、日本初(世界初)のカップラーメンの発売日が昭和46年9月18日なので、辻褄が合わないことをここで指摘しておきたい。
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東京下町殺人暮色ー宮部みゆき

2025年07月06日 | 読書


評価3

東京の下町に住む中学生・八木沢順は警視庁に勤める刑事の一人息子。その町に連続バラバラ殺人事件が勃発。事件にチェーンレターなるものが絡んでいて順の通う中学校の生徒が関係していることが判明し、友人の慎吾とともに調査を始める。近隣にすむ特異な老人画家やそれを取り巻く正体不明の女性などが絡み事件は思わぬ方向へ。

老画家の住む家の佇まいや下町の風情を背景に東京大空襲など過去の大惨事も取り混ぜて独特の雰囲気を醸し出していて、少年二人による探偵団的展開も面白い・・・

だが、事件の真相がショボすぎ(泣)
終盤までは読者をグイグイ引き付ける展開なのにあまりに残念・・・
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