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歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

月夜の晩に

2009-10-04 01:23:32 | Weblog
天の真上に高くなった中秋の名月を垣間見ながら、帰ってきました。
都心の勤務先から、自宅のある駅に降りると、
空気が違う・・・。

月夜に誘われたのか?
何ヶ月ぶりかで、スケボーの練習している男性グループに会いました。
途中、彼らにとって絶好の植え込みのこう配があるんです。
いつも紳士的ですよ。
歩行者がいるときは、チャント待っててくれます。

施設でも「お月見の会」を催し。
マア、午後なので「らしい会」ですが。


まだ慣れない家族へ、居室の説明。
よほど身近に関わってきた家族でないと、認知症とは認めたがらないもの。
つまり、家族本人が困っていない。
いにしえの立派な(立派だった)その人しか見えていない。

「車椅子の自走なさいますよ。」
ーーー「まさか!」
「元気でよいことですが、自分で動けます。」
ーーー「ソンナコトできません!」
「よその部屋のドアを開けて入ってしまわれました。」
ーーー「エ?ゼッタイできないですよ!」
「私、自分で見ていますが、信じられなければ記録をご覧ください。」

何しろ、はじめは食事介助をしようとそばにくっついていた家族である。
(箸で自分で食べ、食欲も旺盛な人)
「よく召し上がりますよね。」
ーーー「前は半分も食べなくて!」
「お向かいの方のお膳を引き寄せて食べてしまわれましたが。」

ラウンジで他の入居者と過ごしていただくのだが、
「いつもこうして放っておくんですか!」
以前の施設ではスタッフルームに居場所があったという。
「行動が多動だからスタッフと一緒にいなくてはいけなかったんですよ。」

どのような入居者でも、家族は自分のところの身内が一番。
誰よりも良くしてほしいのが本音。
共同生活ではそうは行かない。
出来るだけはするが、みんな同じお金を頂いている。
施設運営にも関わってくる。
後々の問題が多いのは、入り口でしっかり意見交換をしておかなかった付けなのだ。

入居する人の理解不足の家族こそ、後々問題が生じる。
要求ばかり増える「クレーマー家族」となる。

老人ホームが入居希望者全てを無条件で受け入れることはありませんので、誤解のないようにしてください。
特別養護老人ホームでも、選んでいます。
「徘徊はありません。夜は良くお休みです。」
なんて、老人保健施設から受け入れてみたら、とんでもなかった事だってありますが、そういういい加減なところからは二度と受け入れをしてもらえなくなります。

なぜって、
スタッフの負担が増えるのを防ぐためです。
大変な労力を必要とする入居者を受け入れて頑張っても、スタッフに何の手当もありません。