歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

泣かせるケアは心のケア

2009-08-30 00:59:11 | Weblog
老人ホームに勤務しているから、というわけではない。
まわりに暮らしておられて親しく話す関係だからである。
もちろん、その家族も含まれる。

入社1年目の新人スタッフから質問された。
「Bさんは今ターミナルなんですか?」
飲食が少なくなり、点滴もそれほどは出来なくなるだろう方である。

Bさんの家族は医療処置を望まず、このまま看取ってほしいというご希望がある。
もちろん、充分に人生を生きてこられている。

ターミナルの提議をまず答えた。
一般論である。
それから、私自身が受け止めているターミナルケアを彼女に話した。

ここにいらっしゃる方は、ある意味全員がターミナルだと思う。
持病もあり、高齢、心臓病の方も少なくない。
いつ何があってもおかしくない。
だから、そのときそのときが大事。
サービス表やタイムスケジュールに載せているのがケアではない。
それは最低必要なケア。
その方が求めていることを察知して行うことだと思う。
それがターミナルケアということではないか。


施設ケアマネでは珍しいかもしれないが、ご家族やご入居者と少しでも多く話をすることにしている。
特にストレスを多く感じていると思われたり、
家族関係がうまくいっていないと察しられたら、
なるべく当たり障りない話題から親しく話せるところまでもっていく。

私は「泣かせ上手」である。
話をするうちに、涙を浮かべ泣き出す方が多い。
泣くことは心を開くことだと思う。
泣くことが出来るようになれば、心が軽くなるのではなかろうか。

泣かせるケアをするには時間がかかるが、
若いスタッフたちには私のしていることは理解できていない。
哀しいことだが、
若さは人の痛みを痛みとして捉えられないところがある。


ア~ア、時には私の心も開かせてくれないだろうか。
職場には存在しないので、
泣きたい時は感動モノの映画やドラマを見ることにしている。
ポロポロ泣くと、すっきりする。

ターミナルをどこで終えるか

2009-08-26 22:48:43 | Weblog
勤務先は「ターミナルケア」を行っている。
最低限の点滴、苦しくないようにケアするが、特別の医療行為は行わない。
「そのとき」を決めるのは家族である。
中には、「自然のままに」と普段から家族に話していたと聞くこともある。

超高齢になっていても、少しでも長く生きていてほしいと思うのは家族の心理。
治るものならと、病院へ搬送を希望されることも少なくない。
ほぼ、半数であろう。

施設で看取らせていただく時は、医師面談を行いお互いに納得できるように話し合う。特に肉親家族が多かったり、普段からお聞きすることがばらついている時は入念に面談をする。
必ず記録をとり、医師と家族の両方に確認を取る。

ここまで確実に行えることは稀であるが、
面談記録の互いの確認は後日の問題を回避するために必要だと私は思う。
私の考えと会社とは異なることもあるが・・・。

具合が悪くなった方は、待ってはくれない。
「こんど」「あした」はない。


病院から退院と同時に入居してくる方は少なくない。
Aさんもそうだった。
年齢的な衰えはあったが、自分の意思がある方だった。
体力は落ちていても、スタッフを拒否し、自分の住むようになった部屋を拒否しているのが察しられた。
恐らく施設を選んだ家族のことも考えておられたのではないだろうか。
1ヶ月ほど経った頃。
居室で話しかける私に、
「こんなところへ住むつもりはなかった。」
「家にいるときと同じように我儘言ってもいいんかね。」
と、ぽつりと言ってくれた。
それからは、時々話をするようになり、
娘時代のことなども聞かせてくれた。
家族にお話しすると、
「聞いたことがない」と驚かれた昔話がいくつもある。
立てなくなり「トイレへ行きたい」思いを、「大変だ、本人に負担だ」というスタッフたちを説得し、半年がかりで実行できたことである。

そのAさんが、病院で亡くなった。

Aさんにとって終の住まいだったはずなのに・・・。
きっと家族に看取られて逝かれたと信じたい。

空いてしまったベッドだが、
まだAさんが独特の含み笑いをしながら重い口を開いてくれるような気がする。

合掌

全ての生命には価値がある

2009-08-26 01:16:10 | Weblog
「千手観音」で一躍有名になった「中国障害者芸術団」。
自分で種をまいてしまった騒ぎのさなか。
割り切って、観にいきました。

休憩なしの2時間ぶっ通し!
時々仕事が頭をよぎるのは仕方ない状況でしたが、
あまりの統制、舞台の裏の厳しさが察しられ、すさまじさを感じた。

「千手観音」で聴覚障害者が取り上げられていたが、
実際は、
視覚障害者(音楽)と聴覚障害者(ダンス)が主体で、身体障害者(歌・ダンス)も在する。
映像で見ていた「千手観音」の隙のない美しさを、どのようにして聴こえない人たちが音楽に乗せていくのかが不思議だった。
舞台斜めの両袖に手話の指揮者が立ち、合図を送るというものだった。
聴覚障害者たちのダンスはそのようにして創造されている。

障害があるといっても選ばれた才能ある若者たちだ。
障害を個性として自覚しているのではないかと思う。


【全ての生命は尊厳をもつ
  全ての生命には価値がある】

みんなちがってみんないい(金子みすず)

おんなじじゃないか!

DVDを購入した。
団員に届くようにと大きな布に寄せ書きをさせてもらった。
「感動しました!」と。
最後は仕事のことなんか小さい小さいと思えるようになれた。


6日間のハードスケジュールが終わった。
無臭ニンニクとドリンク剤のおかげ?(笑)

明日から6連勤

2009-08-19 20:53:51 | Weblog
都の研修を挟んでですが、研修も8時間拘束なので、ハードな1週間。
日記を書く余裕は?
ないかも。

レッスンは、選曲がまだ決まらない。
日本歌曲を来年の演奏予定の物を持って歌ってみたが、
恐らく私のほうがレパートリーが広そうなので、教わるならイタリアものをとお願いした。
来週、もう一度譜面を見て歌うことに。
けっこう探せば歌っていない譜面が出てくるものだ(笑い)

注文の多い弟子?
内心困っておられるだろう。
でも、楽しみで歌うので、ストレスになる選曲はしたくない。
ストレスは職場だけでおなかがいっぱい。
仕事のことも少し話しているので、ご理解いただいている。

明日は、久~しぶりの現場だ。
早番なので入浴介助がある。
勤務後は、ゼッタイ帰る!
一度は観たかった「千手観音」のチケットが取れたので、
無理してでも観たい。
S席9500円と高いが、その価値があるかどうか。
何にしても聴力障害のある娘たちのダンスである。
恐らく振動で息を合わせているのか。
身体が動くと風が出る。
風圧もあるかもしれない。
しっかり観てきたい。


レッスンの帰りに友人にバッタリ。
同業他社で勤務している。
ツイ、愚痴をこぼして、少しすっきりした。
過ぎたことは悩んでいてもはじまらない。
何も私だけのせいじゃない。
ドウセ、勤務評価など全くないのだし案ずることもない。
来年は旅行へいくことを約束。
どうしても悩みや愚痴の共有は同業でないと分かってもらえない悲しさがある。
同業プラス年齢かな?(笑い)

親子ほど違う世代ばかりだ。
が、うちでは業種など全く違うけど社会問題などは話せるなあ。
ア、これ、オヤコだからか。(笑い)
価値観が同じなの、ネ。

アリの遠吠え?かな~と

2009-08-18 23:58:21 | Weblog
届いてほしい思いは聴こえない。
聴こうとすれば聞こえるのかも知れないが・・・。
詳しく書けないのが難ですね!
職務規定違反になる?(笑)

かなり強引だったかもしれないが、小石を投げてみた。
波紋は広がり、メチャ早い一部解決になりましたが、私も(とユーか私に)反省を促されました。
根本は?
何も変わらず。

つき合わされた若いスタッフには悪いことをしたと謝りました。
「嫌な思いをさせたわね、悪かったわ。」
「いや、こういうこともあるんだな、と今後に役立てられます。」心強い答え。


ケアに当たる私のスタンス。
その方にとって良い場面、悪い場面の両方を伝える。
丸ごとその人を視るには奇麗事ばかりではない。
施設という狭い共同社会は、隣近所のトラブルと同じようなこと以上のトラブルもありえる。

介護保険は地域社会で要介護者を見ていくのが指針だが、
家族のかかわりが少なくなりつつあるのに、現実離れしている。
私自身が良い事例である。
休日は不定期、
出勤日は朝早くから帰宅は夜遅い。
マンション暮らしだが、転居が多かった。
よって近所に親しくする知人はいない。

今のところ同居しているまわりはいるが、顔をあわせない日さえあるというすれ違いもいいところ!(笑い)
時々考えてしまう。
私って、突然死してても気が付かれないんじゃなかろ~か?

趣味もしっかりありますが、
働き蜂の典型生活。
毎日が休日になったからといって、急に近所付き合いは出来ないだろ~ナア。