歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

看取る

2013-03-28 23:10:04 | Weblog
いっぱいがんばってきたものね、もうがんばらないでいいですよ、そう声をかけながら口腔内をきれいにしたのが最後になりました。

わたしが末期の水をあげたことになるのかな・・・


ご家族が尋ねてきてくださったので、息のあるうちに会うことができました。
それまで無反応だったのに、薄く目が開き、じっと見るような感じがあったそうです。

やはり、さびしくて、会いたくて、待っておられたと言ってもよいでしょう。


しばらくはミキサー食を作ることもなくなりました。
あなたのおかげで、生まれてはじめてミキサー食を作れたんですよ!
一つ学ばせていただきました。

時にユーモアで、時に辛らつで、話していると楽しくて笑ってしまうことがよくあって、好きなタイプの方でした。
人使いが上手な方でもありましたね!

「あなたが一番頼りになるわ!」
「あなたがいると安心なのよ!」
ベッド上の生活になっても、そういう言葉が聞かれた方です。


息を引き取られたのは、私が職場を出て30分ほど後だったようです。
1年ぶりの看取りになります。

合掌

辛くなるので会いたくない・・・

2013-03-25 22:02:15 | Weblog
若くて美しかったころ、しっかりしておられたころ、
おそらく自慢のお母様やお父様だったことでしょう。

以前、ある方から伺ったこと、
「それは綺麗でした、子どもの頃の私は母が誇らしかったものです。」
子供の頃ではなく、おそらくその時もその方はお母様が大好き!と感じました。


体が弱り、見る影もなくなって・・・。
「辛くなるので、会いたくない。」と、顔を出さなくなる家族もいます。
そのご本人は「寂しいけれど、我慢します。」と言っておられたこともありました。
親の心子知らず。ですかねえ?

逝く人と、見送る人と、どちらがどうなのでしょうか・・・。


施設に入居して1年、
やっと面会に来られるようになった家族がありました。
すでに、誰だかお忘れになっていました。
「なんだか、懐かしい人だけど。誰だかわからないわ。」
せめて、月に1回は顔を見に来てほしいと、お願いしました。10分でも15分でもよいのです。

もしかすると、思い出してくださるかもしれない。


看取りの時期、毎日来られていた家族ともお付き合いしました。
「痛いことは何にもしないでほしい。」と医療処置は断られ、傍らに付き添っておられました。
あるとき、ご本人が、
「うちに行ってみたいね。」
家族の自宅はそれほど遠くなく、望みを叶えてあげられました。
もちろん、介護タクシー、看護師と介護職が付き添い。
最後の外出になりましたが、30分ほどすごされたということでした。

亡くなられた時、わたしは家族の方を抱きしめました。
「辛かったですね、よくがんばりましたね!」
何もしないで見送るのは、かなりな覚悟が必要なのです。



末期のケアは、書くに書けない文章には出来ない状態もあります。
室内に漂う臭いから、処置まで。
ここまで介護職がやってよいのか?(医療の指示をもらっているといったって・・・)
治癒していくことがないのは分かっていながら、何をどうして差し上げることもできない歯がゆさも生じています。

私の出来る、小さな支援

2013-03-23 09:54:41 | Weblog

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の援助活動です。
やがては将来の自立に向けて、教育や職業訓練もしているそうです。
写真は、ウガンダ難民の家族。


月、千円から支援できます。
シリア難民の支援物資が不足しているようで随時寄付も募集しています。


身近に支援を必要としなくなったので、必要とされるところのお手伝いをしています。


今日は【日本の歌の会】。
指導者ではありません、代理です。(笑)来月からは、歌うクマさん指導です。
いや、マリオかな?(笑)
毎回「初めてさん」が参加されてます。今日はご夫婦で。
しがらみも何もないようにと、出欠も取らない自由参加の月1回です。

自分が縛られるのが嫌いなので、このようにしています。


2日続けて悪夢で目が覚めました!
今朝は最悪!
オペラで、出遅れた!「魔笛」の侍女、出だしの出遅れ!最悪!!!
冷や汗が出ました。夢でよかった・・・。

再就職は介護職、のススメ

2013-03-19 18:33:52 | Weblog
気温と強風の砂塵に、初めて取り掛かる後見事務が重なり、
いささかお疲れ・・・。
職場で、立っていることも多いし、あちこち出歩くことが増えたので、足腰に来ています。

天候の変化に身体が付いて行っていないのも大きな原因かもしれません。


今日は本社で非常勤研修でした。
みんな、初めてお会いする顔ばかりで、し~ん・・・。
リラックスするのは研修の最後のほうね。もうちょっと進行方法を考慮してほしいなあ。いつものことだけど・・・。

非常勤にも会社方針や経営内容をつまびらかに報告していただけるのは嬉しいこと。
勤務地は黒字のようだ。
そりゃぁ、人員不足で何ヶ月もがんばってきたんだもの!

新しい施設がオープンするらしいが、まだ人員が確保できていないようで、皆さんに紹介をしてほしいそうな。

介護は、1にも2にも「人員」その人員のスキル、プラス品格かな。


年金だけでは生活ができないので、できる限り長く働き続けたいですね。
そう、わたしたちの世代は、元気な高齢者が介護現場で働くというのも良いと思います。
人口が減少し、高齢者の割合が増える。
高齢者65歳以上の、10人に1人の割合で認知症になる、といわれています。

働いて、外に出て、仕事があって役割があれば、脳は活性するのではないでしょうか。
生きがい、やりがい、として介護に関っていただけるのではないでしょうか。

ただし、昔(若きころの)栄光はお忘れください。
再就職(再々?)すれば、年齢や昔の肩書きに関らず、新人です。
介護職はサービス業ですが、決して楽な仕事ではありません。


施設勤務してきて、つくづく感じたのは、「自分の足で歩くこと」。
歩けなくなった高齢者は、すべてが低下していきます。
方向転換するときに転んで骨折するパターンが多いです。
特に、アルツハイマー型の認知症の方は、バランスが悪くなっています。


わたし?わたしの歩き方の悪さは、たぶんヘルニアを患ったからだと思います。
両足指の一部がしびれていますので・・・。
ハイヒール、怖くて履けなくなりました。

介護食(ミキサー食)その3

2013-03-15 21:06:39 | Weblog


上)散らし寿司(鮭ほぐしみまぶし)、お吸い物、ゴマ豆腐とほうれん草のおひたし、ポテトサラダ

下)おかゆ、味噌汁、鳥から揚げの甘酢あんかけ、にんじんと大根など春野菜のなます、おろしりんご


さすがに毎食のメニューは記録できないので飛び飛びです。
(わたしの出勤もシフトですし。)

今日は、ご本人が【粒粒のないご飯は食べたくないわ。】と、おっしゃったというのを聞き、ミキサー食から少し変えた昼食を出してみました。

やはり飲み込みが怖いので、万が一のときの対応ができるような条件付です。

・3分かゆ、とうふ味噌汁、大根ときゅうり、にんじんの塩昆布和え、おろしりんごとキウイ

おかゆは茶碗9分目もありましたが、8割摂取され、そこで止めました。
豆腐は細かく刻み、キウイも刻み。
おいしかったようです。

おさんじは、羊羹を刻んでミキサーにかけたもの。(あんこです)
こちらもぺろりと。


ご家族からは「看取り」をお願いされているのですが、穏やかに好きなものを食べて、残された時間を少しでも楽しんでいただきたい、ただそれだけの思いです。
「あなたを頼りにしてます。」
「おはよう!」とご挨拶すると、最近はそういってくださっています。
誰かと間違えておられるのかもしれませんが、
この言葉を言われて嬉しくない介護職はいない。
落としどころをよく知っておられる、人使いの上手な方です。(^0^i)