行雲流水の如くに

宗教の力を問い直す

日本人はどちらかというと一神教より多神教を好むと言われている。

山本七平に言わせると、もう一歩踏み込んで、日本人は「空気を信じている人々」だと鋭い見方をしている。

「空気」を教義にしている段階では、「宗教」が持つ深さを考えないだろうし考える必要もない。

 

今、ほとんど聞かれなくなった言葉に「おかげさんで」がある。

「天地神仏のおかげ、世間様のおかげで、商売はなんとか儲かっております」

松下幸之助さんは「私は運が良かったんです」、つまり「おかげさんです」をよく口にしていたという。

俺が稼いだものを俺がどう使おうが勝手だ」という考え方の人を「成金」と称して庶民は陰で笑っていた。

最近稼いだカネで宇宙へ行った人がいたようだが、尊敬されるカネの使い方ではないように思う。

 

私の祖母は、熱心な浄土真宗の信者だった。(いわゆる門徒)

5~6歳くらいまでは仏壇の前で祖母の声に合わせてお経を詠んだものである。

今でも、時々お経の言葉が浮かんでくる時がある。

「門前の小僧習わぬ経を読む」というのは本当のことだ。

 

ハイテクの製品が世の中にあふれかえるようになり、それを使いこなすのが「新しい宗教」みたいになって来た。

しかしそれをいかに使いこなそうが、ただそれだけの事。

自分の心は満たされないだろう。

かえってお寺や神社へ行って賽銭箱にお賽銭を投げ入れたら何となく心が満たされる。

そのような行いが宗教に近ずく第一歩なのかもしれない。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

コメント一覧

megii123
toyoho16さん
こんばんは。
同じお念仏につながっていることを喜んでおります。
「遠く宿縁を慶べ」というのですね。ありがとうございます。

私は親鸞の「歎異抄」が好きで、何回も読み直しています。
なかなか理解しがたい部分もありますが(こちらの力不足で)、よろしくご教示ください。
megii123
べつらさん
明けましておめでとうございます。
いろいろお忙しい年末年始だったようですね。
無事乗り切られたようなので何よりです。

例年おせちは地元のおせちを頼むのですが、今年は少し奮発して京都のおせちを頼んでみました。
さすがに洗練された素材とその味の良さを十分堪能いたしました。
少しお屠蘇が進みましたが。
最近お屠蘇と言っても知らない人が多いようで、時代は段々変わって行きますね。

私はどちらかというと演歌ばかりを聞いて過ごしてきましたが、クラシックやオペラなどを段々聞くようになりました。
ベツラさんのブログには、毎回オペラの解説があるので参考にしています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
megii123
kenちゃん
そうですか。また一つ共通の話題が増えましたね。

祖父も祖母も明治時代の中ごろに富山県から北海道に移住しました。
富山は門徒衆の多いところと聞いています。
手に手を取り合って新天地に何かを求めたのでしょうか。

仏壇の前で、「教行信証」読んでいたような気がします。
お参りが住むと仏壇に供えたお菓子をくれるので、そのせいで習わぬ経を読んでいたかもしれませんね。(苦笑)
toyoho16
>私の祖母は、熱心な浄土真宗の信者だった。(いわゆる門徒)
5~6歳くらいまでは仏壇の前で祖母の声に合わせてお経を詠んだものである。

そうでしたか。お念仏に繋がる方とは嬉しいです。これも親鸞流に「遠く宿縁を慶べ」かと。

お賽銭 これも僅かなれども執着を離れるための第一歩かも知れませぬねぇ。

今宵これにて失礼いたします。
bellavoce3594
新春のお慶びを申し上げます。
いつもしみじみとした、それでいて実に鋭いエッセイをお書きで、学ばせていただいています。
年末は超多忙でいつもサボっていた整理整頓など、本当に大変で「今日はここまで」と割り切ってしまいました。
それにおせちも素朴なものですが、一応作ってあとはたくさん買った野菜や肉・魚などでその時その時に考えて作ります。
今日は「七草がゆ」でしたが、ありあわせお野菜7種類で作りました。倹約生活はすごく得をしたようで愉快です。
オミクロンも日々感染拡大をしていて、自分なりの免疫強化、食事、睡眠・・・もちろん「三密」は避けて手洗い・うがいなど頑張ります。
毎回楽しみに拝読しています。
ワンちゃんの散歩も楽しいですね。冬の寒さに負けず咲く花も
美しさだけでなく、強さを感じます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
knsw0805
「行雲」さん、こんばんは。
私は浄土真宗の門徒です。
父母も京都・西本願寺に分骨しています。
今も私の書斎には小さいですが西本願寺で購入した仏壇があり両親の位牌を折にふれて拝んでいます。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「宗教」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事