行雲流水の如くに

ワールドトレードセンターとアフガンについて思うこと

ワールドトレードセンターに2機の飛行機が激突したあの日(2001.9.11)から20年が過ぎた。

私はこの日よりほぼ1年前にワールドトレードセンターを訪れていた。

(生産性本部が企画したビル経営・メンテナンス視察団に参加)

帰国してから書いた雑感の一部。

アメリカ経済の活力をまざまざと見せつけられた今回の視察であった。特に141千坪のスペースを持つワールドトレードセンターが、ほぼ100%の入居率になる話について驚きを禁じえなかった。この活力の源は、まさにIT関係の会社の新規流入と、マンハッタンに集中する金融資本の拡大に支えられているということを実感した。

 

このころの日本はバブル崩壊の後始末で大変だったが、アメリカは絶好調だった様子がうかがえる。

ところが翌年9月に暗転するのだが、この日以降怒りと恐怖に任せてテロとの戦いに狂奔するのだ。

そして皮肉にも20年を経過して、イスラム武装勢力「タリバン」がアフガニスタン全土を制圧した。

 

バイデン大統領によるアフガニスタン撤退は戦略としては正解であろう。アメリカ国民も戦争の継続を望んでいない。

しかし残念なことは撤退戦術が拙劣であった。しばらくは面目失墜を味わうが長期的にはプラスである。

軍事力を以て専制国家を作るのは容易だろうが、軍事力で民主国家を築くことは不可能に近い

 

日本もアメリカの核の傘に守られているわけだが、自国の防衛は自国で守る意思と気概を持たなければ漂流国家に成り下がる。

自国防衛は単純に軍事力を伸ばせばよいというものでもない。

外交や技術力のソフトパワーを磨くことも必要だろう


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コメント一覧

megii123
giroku0930さん
「外交や技術力を磨くことも必要」という点にご賛同いただきありがとうございます。

アメリカは若い国のせいか、割と簡単に武力を使いたがります。
その結果「泥沼に足を踏み入れる」ことになるのですが。
中国は老大国でいくつもの王朝を経てきたせいか、戦い方が老獪です。
圧倒的に勝てる時しか軍事力を使わないでしょう。
その意味では「孫子の兵法」を守っている気がします。
それはクラウゼヴィッツに通じるのかも。


アフガンは最後はアフガン人が決めざるを得ないでしょう。
日本の出来ることは「中村哲さん的手法」ではないかと思います。
giroku0930
「外交や技術力のソフトパワーを磨くことも必要」はまさに正鵠を撞くものと思います。ある提督がクラウゼヴィッツを引用して、「武力(自衛力)は外交というカテゴリのごく一部に過ぎないので平時に軽んじられるのは致し方ないが、武力は外交の最終手段であることを銘記して各自の司に応じて最善の準備を心掛けよ」と訓示されたことを思いだしております。
今回のアフガン輸送の判断遅れ外務官僚の無知に帰員するもので、早急な改善を期待する者です。
shou1192_2010
行雲流水さん こんばんは。
「自国防衛は単純に軍事力を伸ばせばよいというものでもない。外交や技術力のソフトパワーを磨くことも必要だろう」
との言葉は、おっしゃる通りですね。
最も、今全盛のICTの技術も「核戦争」対応として生まれた技術ですが…。

なお、私のブログへコメント頂き ありがとうございました。
酔芙蓉~月下美人の花の画像に目を止めて頂きありがとうございました。
かつて行雲流水さんから「花に向う時無心になれ…」と教えて頂き、
はっとしたことが在りました。
どうしてもファインダーから花を覗くとき「うまく撮ってやろう」等の
雑念が入り、素直に被写体に向き合っていない自分を感じてきましたので…。

最近はあるがままの花を素直に撮ろうとの姿勢になり、少し力が抜けてきた
かなと思っています。どうにも絵にならない画像も多いのですが、今の私の
水準と受け止めています。
行雲流水さんから「堪能いたしました」等とおっしゃって頂くと嬉しいです。
なお、「秋雨に濡れつつ開く酔芙蓉 逝く夏惜しむ寂しさもまた」
の短歌について「私も一押しです」のお言葉は感激です。
megii123
kenちゃん
アメリカの産業構造は、ご指摘の通り軍需産業が柱です。
ITも有りますが、GAFAなどはアメリカの会社とは思っていないでしょう。
半導体産業がどうなるか?
台湾の会社をはさんで中国との引っ張り合いですね。

自民党の総裁選で、まかり間違って高市早苗などが総裁に成ったら日本は悲惨なことになります。
保守というよりは右翼系のお飾りですから。
knsw0805
物凄い皮肉なことですね。
結局他国が干渉してはいけない典型的な闘いでしたね。ベトナムもしかりで全く同じ過ちをしてしまいました。アメリカは軍需産業が盛んですからどうしても他国に武器ビジネスを通して干渉したがります。それが戦争の引き金になります。
「自国の防衛は自国で守る意思と気概を持たなければ漂流国家に成り下がる」は常々そう思っていますが、自らが引き金を引かないために外交や技術力のソフトパワーを磨くことが最も重要になります。
megii123
べつらさん
ご意見にまったく賛成です。
勇ましいことを言う人間が一番殆ういですね。
ところが大部分の大衆はこれに騙されます。
最後の方で極めて不利になった時、このタイプは豹変するか何時の間にかいなくなります。

世襲政治家とボスに媚を売るだけの人間では新しい展開は無理でしょう。
bellavoce3594
「三国志」でも後方を護りながら無事に撤退する将軍は趙雲子龍というような知力と胆力がある人物でなければなりません。
気軽に「憲法改正」を言う人は、その「改正」の構成メンバーがバカだったら「改悪」になる、私はこの点を心配しています。
今の状況では、真に政治家として資質のある政治家がほぼいないような気がします。恐ろしいのは今回のアフガンの件でもわかりますが「撤退」が「進軍」の何十倍も何百倍も難しいということです。そういう能力のある政治家が出てからの話です。
アベもその傀儡の色気第一の政治家では無理です。
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