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中世への憧れ

teacupから引っ越してきました。

「源氏物語の時代(山本淳子著、朝日出版)」読んで

2014-06-23 03:46:00 | 読書
facebookに載せたもの。そのまんま

「源氏物語の時代(山本淳子著、朝日出版)」読んで

読み終わって大分経ってしまったのだが、面白かったので、ご紹介しておきます。著者は、結婚して高校の教師であったそうなのですが、生徒の純粋な疑問に対して答えられなくて、研究者・大学教員に転じた方です。その経歴の珍しい点が、私には読むきっかけになりました。

源氏物語そのものを解説している本では無くて、一条天皇と定子、彰子、天皇家、摂関家について当時の状況を詳しく解説しています。

私はこれを読むまでは、二人の后は、同時並行で存在して、定子は清少納言を、彰子は紫式部を要して、互いに競い合っていたものと思い込んでいました。実際には、定子は一条天皇と非常に仲がいいのだけれども、実家が没落し、宮中から離れ、その後入れ替わるような形で、彰子が入内して自分のサロンを作っており、すれ違いのような形だったそうです。

歴史的な視点で見ていて面白いと同時に、清少納言や紫式部の、才女ぶりもしっかりと描かれていて、その面でも面白かったと思います。著者は研究者と言うこともあって、資料や他者の研究成果を踏まえていて信頼もできます。


書籍関係  覚書

2013-10-27 13:04:00 | 読書
書類を整理していたら、メモが出てきて、書き書籍が書いてあったので、

・環境の歴史 みすず書房 5,600円
・古代文明と気候大変動 草思社文庫 950円
・世界文明一万年の歴史 柏書房 2,800円
・銃・病原菌・鉄(上・下) 900円
・文明崩壊(上・下)草思社文庫 1260円

列島の考古学 弥生時代

2013-05-12 05:03:00 | 読書


書名 :列島の考古学 弥生時代
著者 :武末純一、森岡秀人、設楽博己
出版社:河出書房新社
価格:2800円+税

読了日:2013年05月05日(日)

感想:考古学用語というか、言葉が表す実態が分からないということで、縄文よりは難渋した。でも面白いね。

第1章 石包丁一つ、なにを語る
第2章 弥生時代の戦い
第3章 男と女の弥生時代
第4章 まぼろしの弥生都市
第5章 朝鮮半島との往来
第6章 弥生の宗教改革

石包丁の形状。摩耗の具合から、分かることなど、実に考古学緻密な研究を行っているのが分かる。



「安倍公房」と「小林秀雄」

2013-05-04 12:59:00 | 読書
こういったお名前、すっかり忘れていたというか、縁遠くなっておりました。
確か、白洲正子と小林秀雄が何か血縁関係があったような気がしますが、それ以来です。

今朝方、大手電機メーカーを退職して、求職中(失業中とも言えるが)の
T君から電話があって、「安倍公房」と「小林秀雄」の話になって、今は「安倍公房」の全集を読み直しているとか。

「凄い」とは思わなかった。今更何だろう? 第一面白いのだろうか?

私は、高校時代小林秀雄は結構読んだが、現代国語の先生への言わばおべっかと言うか、せいぜい文学青年を気取りたいという浅はかな考えであった。 今思い返すと難しくて何も心に残っていない。


理数系で、大変頭が良く、結局歯科医になった高校時代の同級生S君も安倍公房をよく読んでいたっけ。
彼と、今安倍公房の話をしたら、これはこれで、愉快では無いかもしれない。嫉妬が混じるから。
T君だと何も感じないのは、なかなか社会に順応しないT君を気の毒に思う、上から目線のせいかもしれない。


そんな、無味乾燥な思い出を思い出しながら、図書館で「カンガルーノート 安倍公房著」を借りてきた。

列島の考古学 縄文時代

2013-04-18 01:30:00 | 読書


書名 :列島の考古学 縄文時代
著者 :能登 健著
出版社:河出書房新社
価格:2800円+税

読了日:2013年04月13日(土)

感想:
久しぶりに一冊本を読んだ。ページ数は多くないが、結構内容の濃い本であると思った。絵や写真は豊富でとてもわかりやすい。

第1章 縄文ソサエティ
第2章 縄文コンテンポラリー
第3章 縄文ジェンダー
第4章 縄文カタストロフィー

各章ごとに現代美術の発想と対比させているのも面白い。縄文という世界が、「人間」の根源に対応しているものであり、土器や土偶に見ることができる過剰な装飾に、「不安」なのか「安定」なのか精神的な要素を、著者は見出しているようだ。

また、総合科学(民俗学、人類学、動物学、植物学、心理学、社会学)としての考古学も強調されており、興味深い。