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中世への憧れ

teacupから引っ越してきました。

沼島(ぬしま)

2013-06-01 05:53:00 | 日本史(中世)

神社検定のテキストで、伊邪那岐、伊邪那美の国生みの話を読んでいたら、天沼矛(あまのぬぼこ)で海面をかき混ぜた時にできた島は、「おのごろ島」と言って、この島に2人は天下って、大八島や神々を生む。

この「おのごろ島」としは「沼島」という淡路島の南にある周囲10km足らずの島が比定されているという。
調べてみると、この島、面白いことに室町幕府の10代将軍義稙(よしたね)が、都を追われて隠れたことがあるとか、何か面白い話である。

足利義稙は、義材という名で将軍になるが、都を追われて、将軍は11代義澄に代わるが、再び義稙として復帰する不思議な将軍である。


手塚治のマンガ『どろろ』から日本の歴史を読んでみよう

2013-03-26 04:46:00 | 日本史(中世)
講師:渡邊浩史 先生(日本大学非常勤講師)
日時:3月17日14:00~16:00
講演場所:練馬区立石神井公園ふるさと文化館

目的推定(私が感じた):
本講座は、「日本史史料研究会」が、一般市民向けに初めて企画した公開講座とのことである。普段正統と言うか真面目ではあるが、敷居が高い研究会・勉強会を行ってきた同会にとっては、比較的入りやすい漫画の世界に、実は正確な歴史研究の成果が含まれていることを紹介したかったということのようである。

内容概略:
どろろを題材に①~④の「歴史的」内容を御紹介いただいた。
①四十八の魔物
どろろに出てくる主人公「百鬼丸」は、父親醍醐景光が四十八の魔神にかけた願と引き換えに、体に四十八か所の欠損を得るが、この四十八という数字は、いまでこそAKBとかよくつかわれているが、元来阿弥陀如来がたてた「四十八の願い」であるとか。

②中世の武士の居館と城
どろろの醍醐景光の館として描かれているのは、「一遍聖絵」に描かれている鎌倉時代の武家の屋敷と酷似している。恐らく手塚治は「一遍聖絵」を参考にして描いた可能性がある。しかし、実際室町時代の武士の館は、朝倉氏の一乗谷館にみるような(あるいは、忍城や石神井城に見る)形状で、間違っているものと。

③中世の民衆と一揆
朝倉氏の一乗谷に見るように、城主は普段は城下町に住んでいるが、敵攻め込まれれば山上の「要害」に籠る。室町末期の民衆も武装しており、要害に籠った。これは、城主と一緒ということに限らず、民衆も独自の城を持っていて、それに籠ることもあった。
民衆の「自力救済」が、「一揆」(ひとつの道)であり、みんなで共同して自分たちのことは守るということである。一揆の例としては、民が大名の小部隊を殲滅する例もあった。民衆は弱いものではなく、大名は支持を得る必要があった。

④ばんもん
「どろろ」に出てくる国境のしるしである「高い板塀」は、「ばんもん」と呼ばれていたが、これは、南北朝鮮を分ける「板門店」の比喩である。

【2013/3/27追記】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
木造民家
木造建築は、やはり余り持たないので、古い建物は残っていないといったお話が
あった。お寺は、香の煙などで持つが、民家はそうも行かず、日本最古の木造民
家は、1500年頃のものであるとか。

↓最古と思われる箱木家(私が調べたもの)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%B1%E6%9C%A8%E5%AE%B6%E4%BD%8F%E5%AE%85

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感想:
「どろろ」の中に、かなり専門的な歴史の要素が含まれていたということは、これを読んだことはあるが、そう感じていなかったものとして、ここと良いショックがあった。しかし、同じプロダクションである、「カムイ外伝」が描いた関東内海(香取海)に、衝撃的な印象を受けたことはあるので、漫画が歴史的に正確な要素を含んでいたりするのは、薄々感じなくは無かった。

講師渡邊先生の視点に、大変魅力的なものを感じる。また、朝倉氏の一乗谷遺跡の紹介があった。私は、遥か昔、20年以上前に、一乗谷遺跡は行ったことがあるのだが、歴史的事実に基づいた復元がされているようで、当時とは大分変ってきているように思える。また一度訪れてみたくなった。

特別展 鎌倉隆興 金沢文庫とその時代

2012-12-02 07:36:00 | 日本史(中世)


展示名:特別展 鎌倉隆興 金沢文庫とその時代
場 所:県立金沢文庫
会 期:10月13日~12月02日
入館料:600円(大人一般)(私は他館の半券持参で、割引で500円)
図 録:1200円(県立歴史博物館、鎌倉国宝館と共通)
音声ガイド:なし
私が見学した日:2012年11月24日(金)

感想(再掲):
「鎌倉興隆 ー金沢文庫とその時代ー」を観に、県立金沢文庫に立ち寄る。これで、「武家の古都・鎌倉」世界遺産登録推進 特別展、三館(県立歴史博物館、鎌倉国宝館、県立金沢文庫)全部見たことになる。

金沢文庫の展示は、いつも難しく、くじけてしまうことも多いのだが、今回は目を輝かせて2時間過ごすことができた。出ているものが、やはりいつもの展示と違うし、解説も分かりやすかった。その上、他館との違いは新発見の事項があることで、やはり研究機関としての金沢文庫の秀でた部分が出ていた。

まあ、中世に文献をかき集めた金沢北条氏のお陰なのでもあろうが。
それで、とうとう図録(1200円)を購入してしまう。

何回か見たことのある重要文化財の「玉簾」も考えてみると、ガラスを管状に加工できた技術は高度なのではないかと今頃気がついた。

もう1回見たかったのだが、ちょっと行っている時間がなく。


特別展 古都鎌倉と武家文化

2012-11-27 00:24:00 | 日本史(中世)


展示名:特別展 古都鎌倉と武家文化
場 所:鎌倉 国宝館
会 期:10月20日~12月2日
入館料:600円(でも、私は神奈川県博のチケット半券で500円にしてもらった。)
図 録:1200円(3館共通) 
音声ガイド:なし
私が見学した日:2012年11月23日(金)

感想:
いつも空いているイメージであるが、朝だというのに、さすがに少し来客が多かった。展示物は、仏像が秀逸な感じがした。慶派が多いようである。文書も小山朝政あての袖半下し文とか、素晴らしいんじゃないかと思う。期待していなかっただけに意外であった。

特別企画展 足利尊氏

2012-11-10 07:29:00 | 日本史(中世)
展示名:特別企画展 足利尊氏 -その生涯とゆかりの名宝-  
場 所:栃木県立博物館
会 期:10月13日(土)~11月25日(日)
入館料:1000円(大人一般)
図 録:2000円 (珍しく購入)
音声ガイド:500円(ちゃんとあるんですね。)
私が見学した日:2012年11月08日(木)

感想:
鎌倉時代における足利氏の貴種として特異性、北条氏との何代にもわたる婚姻関係など、改めて知ることとができた。尊氏像にしても、木造から実像が見えてくるし、今は高氏(師直とか)と言われている画も初めて目にすることができて、嬉しかった。展示物が多く、見るのが結構疲れる。