三鷹の国際キリスト教大学のキャンパスにあるチャペルで行われた、大塚直哉指揮のコーヒーカップ・コンソートによるクリスマス演奏会で、今回はJ.S.バッハの「クリスマス・オラトリオ」の第1部から3部までがメイン。そもそもこれはバッハが12月25日から27日までに演奏するために作曲した部分なので、生誕祭も近いこの週末に演奏するには誠に相応しい曲目のように思う。大西律子をコンサートミストレスとする本格的な古楽スタイルの器楽と声楽の演奏で、典雅ながらイエスキリストの生誕を祝う祝典的な雰囲気に満ちた演奏に心静かにイエスの誕生に思いを馳せることができた。ピリオド・トランペットも中々健闘していたし、何と素敵なオブリガードだろうと思ってメンバー表をみたら、日本の古楽フルートの名手である前田りり子の名前が載っているではないか。これには驚いた。坂上賀奈子のアルト独唱も押し出しこそ強くないが楚々として心を打ち、藤井雄介のエヴァンゲリストも雄弁であった。チャペルを出るとすっかり日が落ち、凛とした寒気が身を刺す。そしてチャペル前のモミの木の電飾が心に明かりを灯してくれた。武蔵野の自然の中で、街の喧噪の中のクリスマスとは一味違った静かなクリスマスに浸るのも良いものだ。
goo blog お知らせ
プロフィール
最新コメント
ブックマーク
カレンダー
goo blog おすすめ
最新記事
- 八ヶ岳高原サロンコンサート(11月1日)
- びわ湖ホール声楽アンサンブル第15回東京公演(10月14日)
- 東響第97回川崎定期(10月13日)
- 新国「夢遊病の女」(10月9日)
- 東京シティ・フィル第373回定期(10月3日)
- 東響オペラシティシーリーズ第141回(9月28日)
- 紀尾井ホール室内管第141回定期(9月20日)
- 東フィル第1004回オーチャード定期(9月15日)
- 東京シティ・フィル第372定期(9月6日)
- 第44回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル (8月28日〜30日)
- ロッシーニ・オペラ・フェスティバル2024(8月17日〜21日)
- 読響フェスタサマーミューザKAWASAKI 2024公演(7月31日)
- 京都市響第691回定期(7月27日)
- 東京二期会「蝶々夫人」(7月21日)
- 新国「トスカ」(7月19日)
- 東響オペラシティシリーズ第140回(7月7日)
- 東京シティフィル第371回定期(6月29日)
- 都響第1002回定期(6月28日)
- アーリドラーテ歌劇団「シチリアの晩鐘」(6月22日)
- 紀尾井ホール室内管弦楽団第139回定期(6月21日)