毎夏恒例になった日本のオケの夏祭りだ。今年のオープニングはチャイコフスキーの交響曲二曲!それも何と3番と4番でジョナサン・ノット+東響だというのだから猛者のコンサートゴアーにとってさえも聴き物だ。東響にはお祭りとあって日頃見慣れない顔もちらほら散見されたが、なにせチャイコなのでニキティンのリードは心強い気がした。滅多に実演で聴く機会のない3番は五楽章構成の曲で、そのせいかどうかバレエ組曲でも聴いているような感じもした。演奏の方はノット臭を排した至って普通の仕上がり。そして4番のほうも取り立てて騒ぎ立てない、泣かない、所謂「ロシア色」を排したごく普通の演奏で、私のようなノット・ファンには独特の煽りさえも最小なので些か物足りなくも感じられた。言い方を変えればそれはスタイリッシュなチャイコフスキーだったとも言えるだろう。ただ決して悪い演奏ではなく、ある意味「チャイコ」とか「運命」とか言った言葉から連想される既成概念を覆した音楽が噴出したわけで、酷暑を払いのける涼風とも感じられる爽やかな音楽は「夏祭り」のスタートには絶好だったかもしれない。いつまでも続く大きな声援にノットのソロ・アンコールがあったが、ノットはこの舞台を最後に東響を去るトランペットの佐藤友紀主席も一緒に連れ出して会場は更に盛り上がった。
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