おだやかな日々

野郎2人(夫と息子)との生活・映画・演劇・本のことなどつらつらと。ジェンダーも少し。タイトルは私の憧れ。

宋家の三姉妹

2005-02-05 16:45:52 | 映画
 近くで上映会があり、「宋家の三姉妹」を観てきました。
 大好きなマギー・チャン(「花様年華」での彼女は最高です)が出てはいるけど、苦手な中国史のしかも長時間ということで、今まで敬遠していたのですが・・・。
 
 2時間半が、あっという間に過ぎました。近代中国の流れとその中での三姉妹の生き方が、大まかにわかりましたし、エンターティメントとしても十分楽しめました。
 思えば、「ラストエンペラー」とほぼ同時代・同世代の人間の物語ですよね。
 あの映画を見たときより、時代背景ははるかにわかりよかった。

 ただ、中国の革命を、統一を言いながら、自身は裕福な生活を満喫しているのは、どうにも違和感でしたが、それが、現実というものでしょうね。

 映画の中の描写として印象深かったのは、”足”です。”はだしの足の子供”は貧しさの象徴ですし、三女美齢の結婚式での”ハイヒールの真珠”と”西太后の王冠の真珠”は近代中国と清代との対比。

 そして、老女たち(宋家で何をしているのかわからなかったけど)の纏足と次女慶齢の足。

 ”革命の父”孫文との結婚を反対された彼女が家を抜け出したとき、老女たちは止めようと追いかけるのだけれども、その小さな足のため、よたよたとしか歩けない。それを尻目に、全速力で、駆け抜けていく彼女の足との対比。

 逃げられないように小さくした足と、どこへでも走っていける自由な足・・・。

 今、纏足をネットで調べていて気がつきましたが、少女時代の、自由に遊ぶ姿や、雪の中戸外でダンスを教えているシーンは、”足を束縛されない新しい時代の女性”の象徴だったのでしょう。

 この映画、本当に見てよかったと思います。
 中国の歴史、本当に知らなくて、まだまだわからなかったところがあったので、会場で角川文庫の 「宋姉妹」を買いました。
 この本を読んで、より詳しくこの三姉妹のことを知り、この映画を見た目的のひとつ”ジェンダー”の視点から、後日また書きたいと思います。