ほのぼの数学がんばろう~

小学校算数,中学数学,高校数学あたりをゆるゆる~っと楽しみます(´ー`*)

2012年東北大入試理系数学第3問その1

2012-07-09 16:24:19 | 大学入試問題
どもども。

今回は今年の東北大入試理系数学の第3問をやっていきます~

問題はこちら


なんだか長くて読むのがかったるい確率の問題です

(1)は,1~4の数字が書かれたカードが入った袋AとBからカードを1枚ずつ取り出して
同じ数字のカードを引いた回数をXとしなさい,X=1,2,3,4となる確率は?
と聞いています。

自分の頭の中では袋A,BではなくてAさんBさんになっていたようです
だから記述の仕方が微妙に変ッ
この際なので,AさんBさんということで話を進めましょう~

ではまずは,ごくごく単純に,Aが引いたカードの数字を順にa_k (1≦k≦4),
Bが引いたカードの数字を順にb_k (1≦k≦4)とおくことにします



(a_1,a_2,a_3,a_4)の組は4!=24通りありますが,
そのうちの1つに固定して考えてみます
(b_1,b_2,b_3,b_4)の組を考えたときに,a_k=b_kとなっているkの個数がXですね

N=4くらいですと,何も考えず樹形図を描いて考えるのも悪くないです
X=1のときは,(b_1,b_2,b_3,b_4)=(a_1,a_3,a_4,a_2)のような,
1個のkだけa_k=b_kが成り立っているような組を見つけ出せばOKです
どのような(a_1,a_2,a_3,a_4)の組に対しても同じ樹形図が得られます。
なので最後に24倍すればいいですな



数え漏れを防ぐためには,始めに24通りすべての(b_1,b_2,b_3,b_4)の可能性を樹形図に描き出して,
その中からX=1となるものに印をつけていく,というのも有効です。
そこで描いた樹形図をX=2,3,4の場合を考えるときにも利用できますから便利です



この6通りなんかは数え漏れしやすそうです



よくよく考えればそりゃそうね~って感じですがX=3となることはありえません




それにしても,X=1,2,4で,確率を求める式の最初の1/24と最後の×24というのが気になりますね。
相殺されてなくなる運命の項ですが,
もしかして何か無駄なことをやっているんでしょうか
後でその点について考えてみましょう

樹形図を使わずに今の方針で解いてみたいと思います
基本的に樹形図を使って解くというのは,手間がかかってめんどくさい!
という気持ちがありますし,Nが大きかったらますます大変です。

どのkについてa_k=b_kが成り立つか
そのときのa_k(=b_k)の数字は何か
そのときの残りのカードの並び方の可能性は幾つあるか

の観点に基づいて計算します
(a_1,a_2,a_3,a_4,b_1,b_2,b_3,b_4)の組は全体で4!4!通り。
各X=kに対して条件を満たす(a_1,a_2,a_3,a_4,b_1,b_2,b_3,b_4)の組の個数を求めましょう






さて,次はさっきのなんとなく無駄っぽい24の相殺について考えてみます

最初の解答で,確率の計算式に出てきた×24,これは何を示すものだったでしょうか。
はじめに(a_1,a_2,a_3,a_4)の組を固定して考察したので,
24個全体分をカウントするために24倍したのでしたね

この考え方は(a_1,a_2,a_3,a_4)と(b_1,b_2,b_3,b_4),両方が変動するという見方をしています
見方を変えて,(b_1,b_2,b_3,b_4)だけが動くという考え方をしてみます

Aさんの持ってる1~4の数字が書かれたカード。
各カードにBさんの持ってるカードのどれか1枚をランダムに対応させる。
こういう状況を考えてみましょう

対応の決め方は色々考えられます。
Bの袋からランダムにカードを1枚ずつ引いて,取り出した順にAの1~4のカードに対応させる。
例えばそういうやり方もあるでしょう

今回の,2つの袋から1枚ずつカード引いてペアを作る,という操作もまた
ランダムにAの1~4のカードとBの1~4のカードを1枚ずつ対応させる操作になっています

従って,Aさんの持つkの数字の書かれたカードに対応するBのカードの数字をx_kとおくと,
x_k=kとなるようなkの個数がXになるわけです

(x_1,x_2,x_3,x_4)の組は全部で4!通りです。



(a_1,a_2,a_3,a_4)にあたる部分が変動しないので計算式が簡単になりました




ここで,X=0の場合について一言添えておきます
X=0とはすなわち,どのkに対してもx_k≠kとなっているということです。

Wikipedia等からの抜粋ですが,
整数 1, 2, 3, …, n を要素とする順列において,i 番目 (i ≦ n) が i でない順列を完全順列といい,
その総数をモンモール数 (Montmort number) という。
これはフランスの数学者モンモールにちなんで名づけられた。1708年モンモールによりn = 13 の場合の問題として提唱された。
一般のnの場合はオイラーによって解決された。

完全順列を求めるような問題をモンモールの問題などと呼んだりします

興味のある方は調べてみてはどうでしょう



あ,(1)はXの期待値も求めなきゃいけないんですね。
では最後にそれを求めてフィニッシュです





最新の画像もっと見る

コメントを投稿