ほのぼの数学がんばろう~

小学校算数,中学数学,高校数学あたりをゆるゆる~っと楽しみます(´ー`*)

2012年東北大入試(後期)理系数学第1問その3

2012-08-07 19:54:26 | 大学入試問題
どもども。   
   

今回は今年の東北大入試(後期)理系数学第1問の(2)をやっていきます~  

問題はこちら


前々回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/fab5be206484546f5b690be5269a4275
前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/d0512f3c3bb938617512fb0ce731a08d

(2)は(1)と直接の関連性はないので,前回までのことは一旦置いておいてOKです
解法パターンは色々ありそうですがかかる手間は大差は無さそうです。
色々あるといっても,変数変換するかしないかという選択だと思いますが

4^x-2・2^x+2^y≦0が表す領域を考える解法

前回やった話と同じようなやり方をします
4^x-2・2^x+2^y=ℓ(ℓ≦0)が表す曲線のグラフを考え,ℓを動かしたときにどのような範囲を動くかを考察し
4^x-2・2^x+2^y≦0が表す領域Dをまず求めます





境界は上に凸な曲線で,ℓ=0のときの曲線に対応しています。
これと直線x+y=kが共有点を持つようなkの値の範囲を求めます。
領域と接するときのkをk_1とおけば,k≦k_1が求める答えです



yを消去する解法その1

x+y=kとおくと,y=k-xになるので,これを代入することで
yを消去して考えることが出来ます



まずはこの左辺をf(x)とおく解法を見てみます



yを消去する解法その2

指数関数のグラフより多項式のほうが考察はしやすい!
というわけで上と同じやり方で途中で2^x=tとおいてtの3次関数に帰着してみます





yを消去する解法その3

今度は条件式をk≦f(x)の形に直してみます
こうすると,y=f(x)のグラフと直線y=kが交点を持つ条件に帰着します。



2^x=tなどとおいてみてもOKですよ~

2^x=X,2^y=Yとおいてみる解法

次は変数変換を使って解きます
(1)では多くの人が変数変換を使ったと思うので,恐らく(2)でも同じように変換した人が多いのではないかと思います
(1)と違って変数変換したからといって劇的に楽になるわけではないようです~







共通接線を求めるやり方としては,今回は次のような手も使えます






2012年東北大入試(後期)理系数学第1問その2

2012-08-03 19:37:39 | 大学入試問題
どもども。

前回に引き続き,今年の東北大入試(後期)理系数学の第1問をやっていきます~

問題はこちら


前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/fab5be206484546f5b690be5269a4275

今回も(1)についてやっていきます~

前回は主に2^x=X,3^y=Yなどと変数変換して解く標準的な解法パターンで
取り組んでみましたが,今回は変数変換しないで2変数の指数関数だと思って
問題の条件式が表す領域を考えて解くパターンを考察してみます

無論,標準的な解法よりもめんどくさいです
敢えてやってみる,という趣旨でやっていきましょう~

問題文で与えられているのは
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y≦-1 という不等式です。
そこで,ℓ≦-1を満たすℓに対して曲線 4^x-4・2^x+9^y-2・3^y=ℓ を考えます
ℓを変化させて,この曲線の軌跡を調べることによって
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y≦-1 が表す領域Dを把握することが出来ます

4^x-4・2^x+9^y-2・3^y=ℓ を「y=」のかたちで表示します



まずはf(x)について考えていきましょう~
f(x)=log()の形をしていますが>0なので真数条件は常にクリアしてますね
でもxの動きうる範囲は全実数では無さそうです。
また,ℓの値によっても曲線の形が違ってきそうです。



ℓ<-5のときは曲線上の(x,y)は存在しないようですから
-5≦ℓ≦-1の場合を考えればよい,そしてℓ=-1の場合だけ形が他と違う,
とりあえずそういうことが分かりました

それでは微分して増減を調べてグラフを描いてみましょう~



ℓ=-1のときだけx→-∞のときf(x)→0となっていて
-5≦ℓ<-1のときはℓ=-1の曲線をクシュッと萎ませたような形になっているようです


次はy=g(x)について考えましょう。今度は真数条件も必要です。





今回も-5≦ℓ≦-1の場合を考えればよさそうですね






なんとか問題文の条件式が表す領域を図示することが出来ました
領域Dの境界は上下ともℓ=-1のときの曲線になっています~

この領域と曲線 2^x+3^y=k が共有点を持つようなkの範囲を求めればいいわけですね!!



y=F(x)のグラフは右下がりの曲線であることが分かりました。
どうも第1象限で領域Dと接することがありそうですよね。
第4象限では微妙です

まずは第1象限で接するときのkを求めてしまいます。





なんともウンザリする連立方程式
解く気なんか起きやしません。て言うかキレイに解けるのかコレ

…と思って式をいじってみたら,意外とイケたりしました



y=F(x)のグラフはx=log_2 (k)を漸近線として持つので,とりあえず
log_2 (2-√3)<k≦3+2√2 のときは,y=F(x)のグラフは領域Dと共有点を必ず持ちます

では,log_2 (2-√3)≧k のときはどうなんでしょう。
実は常にy=F(x)のグラフは領域Dの下側に位置して,そのおかげで共有点を持たなくなってしまいます。
そのことをこれから確かめていきます

ちなみに境界曲線とy=F(x)のグラフが交点を持たないことを示せばOKです~
漸近線 y=log_3 (k)(<0) がy=0より下側にあるため,境界曲線との交点が無ければ常にy=F(x)のグラフのほうが境界曲線より下にあります。





交点を持つと仮定して矛盾を導く,すなわち背理法!
それを試してみましょう



いま求めたtが0<t<kを満たさないことを確かめるには,
k≦tとなっていることを言えばよいわけです



以上をまとめて,答えの範囲を得る,ということでおしまいです

おとなしく変数変換してとくほうが何倍も早いし明瞭ですね
お疲れ様でした