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ほのぼの数学がんばろう~

小学校算数,中学数学,高校数学あたりをゆるゆる~っと楽しみます(´ー`*)

2012年京大入試理系数学第6問その1

2012-06-20 17:15:01 | 大学入試問題
どもども。

今回は今年の京大入試理系数学の第6問をやります
問題はこちら
http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/recent/kyoto/zenki/sugaku_ri/mon6.html

いよいよ京大の問題もこれでラストです
しかしながら,最後に立ち塞がるのはなかなかの強敵です。
確率と連分数をコラボさせるという,凄まじいことをやってくれてます
難易度は高いので,解けなくてもまぁ仕方ないかなって感じの問題です
誘導もないので,どのようなアプローチで攻略しようか悩みますね。
問題文で与えられている確率p_kの他にもう1個か2個別の確率を定義して
漸化式を立てれば良いのですが,果たしてそのような発想に辿り着けたかどうか…そこが勝負の分かれ目です

さて,上で連分数なんていう単語がちょこっと顔を出しましたが,
このY_nって一体何なんでしょう。ちょっと式変形してみます。



何やら凄いのが出てきましたね。幾重にも重なる分数の階層
こういうのを連分数といいますです
特に各階層の分数の分子が全て1であるものを正則連分数なんていいます。
今回の問題は,サイコロを振ってX_nを順次定めていく時に,
この連分数が (1+√3)/2 以上 (1+√3) 以下になる確率を求めよ
という厄介極まりない問題なわけですね~

とりあえずY_nは有理数なんで (1+√3)/2≦Y_n≦(1+√3) の不等号はイコール抜きで考えても差し支えは無いです。
あとY_n>X_n≧1 より Y_n>1です。起こり得る状況は
(1+√3)/2≦Y_n≦(1+√3),1<Y_n<(1+√3)/2,(1+√3)<Y_n
の3つなので, 1<Y_n<(1+√3)/2 となる確率も定義しておきましょう



(1+√3)<Y_k となる確率は1-p_k-q_kで与えられます。

(1+√3)/2≦Y_k≦(1+√3) すなわち (1+√3)/2≦X_k+(1/Y_{k-1})≦(1+√3) となる確率を
求めたいのですが,この条件を満たすのは X_k=1,2 の場合に限られます



X_k=1,2 のそれぞれの場合について,Y_{k-1}が取っていい値の範囲を求めてみます。
まずはX_k=1のとき。すると,なんと都合の良いことに 1<Y_{k-1}≦(1+√3) が出てきます。
これは 1<Y_{k-1}<(1+√3)/2 と (1+√3)/2≦Y_{k-1}≦(1+√3) の合併になってます



X_k=2の場合も同様に考えます。



従って,(1+√3)/2≦Y_k≦(1+√3) となるのは,
X_k=1 かつ 1<Y_{k-1}≦(1+√3) の場合
X_k=2 かつ (1+√3)/2≦Y_{k-1} の場合
の2つのパターンに限られることが分かりました
これを元に,確率漸化式を立てて解きます。



またまた運の良いことに,漸化式を立てる際に,q_kの方が消えてくれました
これで漸化式を解くのも楽チンになりますよね♪
かくて,答えのp_nを求めることが出来た,ということでした



別解法を考えてみましょう。
p_k,q_kの定義をY_kではなく (1/Y_k) の不等式を用いて言い換えてみます。



今度は(1/Y_{k-1})がどのような値を取っているかによって場合分けしてみたいと思います
(1/Y_{k-1})=aのとき,条件を満たせるX_kはいくつあるかを考えます。



あとは漸化式を立てるだけであります~



ところで,この漸化式ではq_kが見事に消えちゃってくれますが,
このq_kはどんな確率になるんでしょう?
1-p_k-q_k=r_kとおいて,q_kとr_kを最初の解法と同様の手法で求めてみます~
余事象の確率が求まればp_kも求められますね





あとはこの連立漸化式を解くだけです








q_n,r_nの方はnの偶奇によって確率が変わってしまうんですね,面白いです
とはいっても,r_kだけの漸化式にしたときに出てきた式を偶奇で分けて
2項間漸化式とみなして解いたから違う値になっただけで,
3項間漸化式だと思って解けば偶奇によらない表現も得ることが出来ますよ
(ちなみに r_k=24/35+(1/10)(1/6)^k+(3/14)(-1/6)^k になりました


次回もこの問題の別解について考えてみます


2012年京大入試理系数学第5問

2012-06-18 13:49:58 | 大学入試問題
どもども。

今回は今年の京大入試理系数学の第5問をやります
問題はこちら
http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/recent/kyoto/zenki/sugaku_ri/mon5.html

幾何の問題ですが,普通の証明問題ではなくて
「命題が真ならば証明し,偽なら反例を挙げよ」のパターンの出題です。
正しい可能性と正しくない可能性,両方を視野に入れて考察しなければなりませんので厄介です

両方を視野に入れて,とは言うものの,頭の中で真か偽かある程度どちらかに
気持ちは寄っている事が多いと思います。
その直感が正しければよいのですが間違っていれば必要以上に時間が費やされることもあり得ます
本当は正しいのに,必死に反例を探そうと躍起になったり
本当は偽なのに,必死に命題が正しいことを正当化しようとして出来なかったり。
自分自身もこの手の問題は最初の直感が当たることも外れることもあるので,
自己過信はなんとも避けたいところです~

この問題では(p)(q)2つの命題の真偽を論じることになりますが,
大体こういうときは一方が真でもう一方が偽であることが多い気がします。
勿論そんな決めつけが仇となることもありますが
(p)が真で(q)が偽なのですが,比較的予想はしやすいかもです。

(p)について
この問題でキーになるのは,円において長さの等しい弧に対応する円周角,中心角は常に等しいという基本性質でしょう
点Oを中心とする円の周上に3点A,B,Cを弧AB=弧BCとなるように取ると
扇形OABと扇形OBCは合同になるため∠AOB=∠BOCとなるわけです。



正n角形は必ず円に内接していますそこでその外接円を考えその中心をOとします。
∠P_1OP_2=∠P_2OP_3=∠P_3OP_4=…=∠P_nOP_1=(360/n)°
であることに着目します




次は直接は中心角に触れずに円周角を主体としてやってみます。
△P_kP_lP_mの内角の和は,弧P_jP_{j+1} (1≦j≦n) (ただしP_{n+1}=P_1)
に対応する円周角の総和になっていることに着目します




次は,円Oの周上に△QP_kP_lが正三角形になるように点Qを取ってみる解法です。
弧QP_1=弧P_1P_2=弧P_2Q なので,それぞれの弧の上にある正n角形P_1P_2…P_n の
頂点の数は等しいことからnが3の倍数であることが導けそうです




(q)について
(p)が真だったので,こっちは偽っぽいですよね。反例を探してみたいです。
△ABCの形状や,Dを取る位置などに複数の候補があるため
とりあえず何個か図を描いてみるといいでしょう。
もしかしたらなかなか上手くいかないかもしれません
例えば△ABCを鋭角三角形と仮定すると上手くいかないでしょう。
そこで,(p)がなんかのヒントになっていないかと疑ってみましょう
直接は(p)と(q)は無関係なんですが,円と内接正n角形を使って
何とか反例を見つけ出せないでしょうか




…というわけで正六角形を利用して上手く判例が見つかりました

正方形を利用してもOKです



ADは直径だからAC<AD,△BCDは∠BCD=135°の鈍角三角形だからBC<BD
しかしながら∠C=∠Dだからやはり反例になってるんですね。


では,一般にどのようにDを取れば反例になるのでしょう?
上の2つの反例では∠C=∠Dとなっていますが,そもそも∠C<∠Dになることもあり得るのでしょうか。



最初の正六角形の例ですが,図においてD=D_1とすれば∠C=∠Dだった分けですが,
ちょっと下側にD_2を取ってD=D_2とすれば,このときもAC<AD,BC<BDを満たすようにできます。
このときは∠C<∠Dになっていますね
D_1より上にD_3を取ってD=D_3としたときは,∠C>∠Dです。



さて,△ABCを∠Aが鈍角の鈍角三角形とします。


上図において,の円は△ABCの外接円の円は中心A,半径ACの円
の円は中心B,半径BCの円茶色の円は緑円をABを軸に反転させた円です。

点Dを緑円の内側に取れば∠C<∠D,周上に取れば∠C=∠D,外側に取れば∠C>∠Dになることも∠C<∠Dになることも∠C=∠Dになることもあります。
これは茶色円の内側か周上か外側かによって決まります。

一方,赤円の外側に点Dを取ればAC<AD,青円の外側に取ればBC<BDになります。

このことから,図の黄色く塗った領域(境界は含まず)の上に点Dを取れば
AC<AD,BC<BD,∠C<∠Dになるわけですな


次は,∠Aが直角の場合の図です。


BCが赤円の半径と一致してしまったので赤円と緑円が1点で接しています。
おかげでさっきと違って黄塗りできる領域がありません。
このときはAC<AD,BC<BDならば∠C>∠Dなんですね。


お次は△ABCが鋭角三角形の場合です。

今度もやはり黄塗りできる領域がありません。

お次は△ABCが∠C=90°の直角三角形の場合です。

やはり黄塗りできる領域がありません。
緑円と茶円が合致してます。

最後に∠Cが鈍角の場合。

黄塗りポイントはありますが,よく見てみると
黄塗り領域に点Dをとっても∠C>∠Dとなってしまいます。

…ということは最初に挙げたような状況でないと
AC<AD,BC<BD,∠C<∠Dにはならんのですね

2012年京大入試理系数学第4問

2012-06-16 17:18:39 | 大学入試問題
どもども。

今回は今年の京大入試理系数学の第4問をやります。
問題はこちら
http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/recent/kyoto/zenki/sugaku_ri/mon4.html

2の3乗根に関する問題です
(2)は大学数学で言うところの体論のカテゴリにあたるような話です。
√2が無理数であることの証明は背理法を使ってやるとうまくいく
ということは多くの人は知っているはずなので,
きっと同じ方法で上手くいくはずだというわけで(1)は解法の方針を立てるのは
決して難儀ではないでしょう。(2)も背理法を使えばよいのですが,矛盾を導く過程が多少面倒であるようです。

(1)
まずは一番定番であると思われる手法で証明しましょう
もしも2^(1/3)が2^(1/3)=q/pと既約分数で表現できると仮定したら
矛盾が生じてしまう,だから2^(1/3)は無理数だ
という発想ですね。
両辺を3乗することで立方根を含まない関係式が得られます。



2^(1/3)=q/p と,分数で表現するというところまでは覚えていたけれど
互いに素という条件を入れるのを忘れた!
みたいな部分で躓くことは考えられますね。
忘れてたとしても議論を進めてると,矛盾を導くところで気付くはずなんですが~
無意識的にpとqは互いに素なんだっていう前提で話を進めてると気づかないこともあるかもです

たとえば対偶をとって証明するとか,多少表現の仕方や式変形などに差異はあったとしても,
基本的に背理法を用いるのと同等の作業を行うことになるかと思います。

上の解法ではqは偶数だということでq=2Qと置いていました。
素因数分解を意識してq=(2^k)Q (k:自然数,Q:奇数)とおいてみたのが
次の解法(途中から)です。
2p^3=q^3の両辺の素因数分解に現われる因数2の指数を比較します。



次も素因数分解を利用した解法パターン。
1<2^(1/3)<2より2^(1/3)は整数ではありません。よってp>1としてよいです。
ここでpが持つ素因数aに着目します



次は今までの解法とは大きく違う部分があります。
pとqが互いに素であることを仮定しなくてもOKです
いわゆる無限降下法ってやつです。



{P_k}も{Q_k}も,構成の手順によれば無限列になるはずなのですが
実際はどんどん1/2倍されていくので有限回で整数でなくなってしまうんですね

(2)
基本的には,有理数A,B,Cが A4^(1/3)+B2^(1/3)+C=0 を満たしていれば,A=B=C=0であることを証明することがメインになる問題です
整式P(x)をx^3-2で割った商をQ(x),余りをr(x)とおくと
r(x)は高々2次の多項式です。x^3-2で割り切れるということはr(x)=0を意味します。
r(x)=ax^2+bx+c (a,b,cは有理数)とおきましょう。
ここでa,b,cは有理数になることもきちんと証明しておくととても親切ですが,そこまで要求はされないでしょう
P(x)=(x^3-2)Q(x)+r(x)にx=2^(1/3)を代入することで
r(2^(1/3))=4^(1/3)a+2^(1/3)b+c=0が得られます。
あとはa=b=c=0を示せばいいっていうわけです
(1)のように,適当に移項して何乗かすれば両辺が有理数になればいいのですが,
なかなか厄介のようです。 4^(1/3)があるから上手くいかないのですが,これを消去するとうまくいきます




要は,A4^(1/3)+B2^(1/3)+C=0 型の式が2本あればいいんですね
1番の式に2^(1/3)を掛けて2番の式を得ていますが,他の方法でも勿論OKです。
2^(1/3)で割るとか,4^(1/3)を掛けるとか。
下の解法では両辺を2乗して2本目の式を得ています。



次は,まず冒頭で有理数A,B,Cが A4^(1/3)+B2^(1/3)+C=0 を満たしていれば,A=B=C=0であることを上記の方法などで証明してあるものとして,それを利用するという方針です。

まず整式P(x)を3つの整式の和 P(x)=P_1(x)+P_2(x)+P_3(x) に分けます。

P_1(x)は次数が3の倍数である項だけを集めてきた整式,
P_2(x)は次数が(3の倍数)+1の形である項だけを集めてきた整式,
P_3(x)は次数が(3の倍数)+2の形である項だけを集めてきた整式とします。

このように分けるのは,P_1(2^(1/3))は有理数,P_2(2^(1/3))は有理数×(2^(1/3)),
P_3(2^(1/3))は有理数×(4^(1/3))という形になるからです



ここで, A^k-B^k の因数分解を利用すると x^(3k)-2^k が x^3-2 で割り切れることに着目します。



これを利用してP(x)が x^3-2 を因数に持つことを直接導きます



次も似たような解法です。同じようにP(x)をP_1(x),P_2(x),P_3(x)に分けて,
それぞれを x^3-2 で割ったときの商と余りを直接求めます。
このときの余りがP(2^(1/3))=0の条件の下では必ず0になってしまうことを示すというやり方です




実際に筆算してみることで商と余りの形は類推することができます。
ここでは直接掛け算してその類推が正しいことを確かめてます。




後半の式の証明はメンドクサイので割愛しました
ケアレスミスが混じってたらスンマセン

あとはこれら3つの余りが0であることを言いましょう。



最後に,A4^(1/3)+B2^(1/3)+C=0 型の式の解析を用いない方法で
証明して終わります


2012年京大入試理系数学第3問その3

2012-06-14 02:08:28 | 大学入試問題
どもども。

前回と前々回は今年の京大入試理系数学の第3問をやりました~
今回は別の手法でこの問題を考えてみます
前々回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/2b66ed8cc2a052c6ff52a4c29b1988f6
前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/60ce4a49e51fddeb17d79558eea4e71a
問題:http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/recent/kyoto/zenki/sugaku_ri/mon3.html

これまでは変数変換を行って多少なりとも解析がしやすい形に直してから
議論を進める,という観点から問題を解いてみました。
今回は変数変換をしません
x^2+xy+y^2=6 の式をyについて解いて,
それを x^2y+xy^2-x^2-2xy-y^2+x+y に代入すれば1変数xのみの関数になるので,
それのグラフを描いて取り得る値の範囲を求めましょうという作戦です
ある意味これもすごーーく素朴なアプローチ方法だと思いますが,
やはり骨が折れますよ

(1行目の根号の屋根が途切れてます><)


さらっと計算も途中過程を省略して書いてますが,
この計算だけでも結構ハードです。ていうか面倒です
出てきた関数は (3次式)±(1次式)√(2次式) という形です。
…どうでしょう。元の2変数関数よりは扱いやす……い…

…と,とりあえず!
微分を!微分を計算してみましょう



y=√D=√(24-3x^2) のグラフと y=±(6x^2-3x-24)/(6x^2-2x-13) のグラフの交点を
求めれば f'(x)=0 の解が分かるはずだ
(ちなみに±を逆にすれば楕円 3x^2+y^2=24 と y=(6x^2-3x-24)/(6x^2-2x-13) の交点を求める話になりますね)

とりあえず楕円の概形は簡単なので,分数関数 y=(6x^2-3x-24)/(6x^2-2x-13) の方のグラフの概形を調べます




赤が y=F(x),緑が楕円 3x^2+y^2=24 です。
赤のグラフはx→±∞の極限が1なので,両方向ともこの先はずーっとy=1の近くを漂ってます。
気持ち程度の極大値もほとんど1に近い値ですね

y=F(x) のグラフと y=√D のグラフ(緑上半分)は4個の交点を持ち,
これらのx座標が y=f_{+}'(x)=0 の零点になっています。
同様に,y=F(x) のグラフと y=-√D のグラフ(緑下半分)は2個の交点を持ち,
これらのx座標が y=f_{-}'(x)=0 の零点になっています。



さて,f_{+}(a_k)とf_{-}(b_k)を求めないとグラフが描けません。
それ以前にa_k,b_kの値が分からないと先に進めません。
結局,方程式 -(6x^2-2x-13)√D±(6x^2-3x-24)=0 を解かなきゃいけないぽいです。
骨と心が折れるからなるべくなら避けたかったのですが



やってられるかーーて感じの6次方程式が出てきました。
運がいい事に因数分解できて,6個の解がキレイに求まりましたよ
とはいえ,サラーッと因数分解してるけど,コンナノデキルカーーーー
って普通は思うわけですよ。

ただ,我々は少し事情が違います。
といいますのは,我々は既に別の解法でこの問題を解いているのです
一番最初の解答を思い出してください。
http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/2b66ed8cc2a052c6ff52a4c29b1988f6
X=x+y,Y=xy という変換を用いてXの関数に変換していました。
それによれば,例えばX=-1のとき最大値3をとるということでした。
X=-1のときY=-5なのですが,このとき x+y=-1,xy=-5 を解くことで
最大値をとるときの具体的なx,yが求まるのです。
これは2次方程式 t^2+t-5=0 の解であるわけですが,
この t^2+t-5 が上の因数分解に出てきてるっていうカラクリなんですよ
同じようにX=±2√2 の場合から因数 x^2-2 が,
X=5/3 の場合から因数 9x^2-15x-29 が,それぞれ出てきます。

出てくる解を大小の順に並べて上の赤・緑のグラフと見比べて
a_kとb_kの値が求まります。
f_{+}(a_k) と f_{-}(b_k) の値は根性で計算してください
(自分は心が折れましたので,PCさんにグラフ描画を任せて逃げます
これで増減表とグラフが描けます。




y=f_{+}(x)y=f_{-}(x) です。



というわけでなんとか,答えを搾り出すことができました

お疲れ様でした
もうこの問題はお腹いっぱいですッ
 

2012年京大入試理系数学第3問その2

2012-06-14 00:31:27 | 大学入試問題
どもども。

前回は今年の京大入試理系数学の第3問をやりました~
今回は別の手法でこの問題を考えてみます
前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/2b66ed8cc2a052c6ff52a4c29b1988f6
問題:http://www.yozemi.ac.jp/nyushi/sokuho/recent/kyoto/zenki/sugaku_ri/mon3.html

前回は,X=x+y,Y=xy という変数変換を使いましたが,
今回はまずは線形変換を使ってみましょう。

x^2+xy+y^2=6 が表す楕円を短軸と長軸がx軸,y軸となるように
すなわち AX^2+BY^2=C の形になるようにX,Yをとってみたいと思います。
x^2+xy+y^2 という式はいわゆる2次形式と呼ばれてるもので,
対称行列(元の行列とその転置行列が等しい行列)を使って行列の積表示に直すことができます。
ここに現われる対称行列の対角化を利用して欲しい変換を手に入れます



とまぁ,固有値と固有ベクトルを求めますです。
固有ベクトルは絶対値が1になるように正規化したものを使います。
何やらcos45°,sin45°を匂わすような√2とか出てきますね



ここで出てきたTは直交行列と呼ばれます。転置をとると元の行列の逆行列になっています。
正規化するのは実はTを直交行列にするためだったり。
そーいうコトを大学の線形代数で学びますよ~。

そもそも x^2+xy+y^2 はx,yの対称式でした。
一般にy=f(x)のグラフと逆関数x=f(y)のグラフは直線y=xに関して対称になっていますが,
そのことからx,yに関して対称な関数(あるいは曲線)というのは直線y=xに関して
線対称になっていることが分かるかと思います。 x^2+xy+y^2=6 もまさにそれで,
短軸と長軸が直線 y=x,y=-x になっています。先ほど45°ぽい数字が出てきたのはそういうことだったんですね。
なのでそれを意識すればわざわざ固有値の計算とかしなくても上手い変数変換を見つけられたりするわけですね。
√2 なしで X=x-y,Y=x+y とおいた方が,この後の計算が実は楽になったりもするかも

さて,手に入れた新変数を使って解析を進めます。



x^2y+xy^2-x^2-2xy-y^2+x+y=k をX,Yの式で表します。
X^2=の形に直すと少し扱いやすそうなYの関数が得られました。
どちらかというとXとYが逆の方が見栄えがイイデスネ
ついでにXに付いた2乗が邪魔です。
というわけでX^2=y,Y=xという風に更に置き直してしまいました。
Xに付いた2乗を無くしたおかげで楕円が2次関数になっちゃいましたよ
X^2=yとおいたので,y≧0の部分のみを考えなければならないことに注意です。

f(x)=(x-√2)^2-(√2/x)k は,放物線 y=(x-√2)^2 と双曲線 y=(√2/x)k
の各xに対するy座標の差として考えることができますね。
y≧0で考えるので,放物線の方が大きい部分を考えなければなりません。
これでイメージを膨らましながらy=f(x)のグラフを考えてみましょう。
k>0,k=0,k<0の場合に分けて考察します。

まずはk>0の場合を考えますが,放物線 y=(x-√2)^2 と双曲線 y=(√2/x)k は
必ず交点を持つことが分かります
交点のx座標がy=f(x)の零点になるわけですね。
kが大きい時は交点が1個ですが,小さくなると複数になります。

とりあえずy=f(x)のグラフをx>0部分とx<0とに分けて考えて
それぞれが放物線 y=-3x^2+12 と交点を持つようなkの範囲を求めます





続いて,放物線と双曲線が交点を複数持つ場合です。
前回,元の変数のままでkを動かしてグラフの変化を見てみましたが
途中で真ん中に変な島みたいなのが出現しましたよね。
それに相当する部分ですかね,この交点が複数現われて来る現象は~。



kを0に近づけていくとどんどんαは√2に近付いていきます。
だから相変わらずy=f(x)のグラフは放物線 y=-3x^2+12 と交わるんですね。
k=0の時も問題ありません。
k<0の場合もまったく同様に考えます。



というわけでy=f(x)のグラフが放物線 y=-3x^2+12 と交点を持つような
kの範囲を求めることができました
やはり骨が折れますね
試験場でこんな大層なことをやることはまず不可能でしょう

次回はメンドクサイ解法をもう1パターンやってみます(まだやるんかーい