紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【*ハロー、プラネット。】にみるファミコン世代直撃の表現方法

2010-09-11 23:34:51 | その他
初音ミクをはじめとするボーカロイドの楽曲が好きな人には有名な動画ですが、
【*ハロー、プラネット。】という動画があります。

初音ミクによる楽曲にPVが付いた動画なんですが、
PVがすべてファミコン風ドット絵で表現されていて、
これがまたファミコン世代の心の琴線に直撃な内容となっています。

【初音ミクオリジナル曲】*ハロー、プラネット。【ドットPV付き】


PVは「ハロー プラネット」というゲームのスタート画面からはじまります。
[1 PLAYER GAME]
  [2 PLAYER GAME]
なんて、もうこういう画面みただけで、「物語がはじまるっ!」って感じがしますねー。

次の場面はシェルターの中、ドット絵のミクが目を覚ます場面になります。
画面上部のがミクのライフを表しています。
画面左上のスコア表示とも相まって、ファミコンでよくあったアクションゲームの画面を彷彿とさせます。
アクションゲームにスコア表示がなくなったのっていつ頃からなんだろうなー。
ロックマンなんかだと、1にはスコア表示あったのに2からは無くなってたものなー。

「やさしい あおぞら おっこちて しずか しずかな ほしになる」
の表示とともに、画面にボロボロのシェルターと灰色の雲があらわれます。
どうやら、ここは崩壊後の世界のようです。
「キミをキミを さがしにいきたいの たのしいはなし もっとしたいの したいの」
ということで、どうやらミクは誰かを探す旅に出るようです。

ミクはヒトリボッチのベッドのあるシェルターを出て、旅に出ます。
「シーラカンスのシッポ」、「スフィンクスのナゾナゾ」なんていかにも寓話的だし、
場面ごとにミクのライフが減っていたり、薬や本などのアイテムを装備しているのも
ゲーム的な演出でいかにも冒険!って感じがしますね。
印象的に繰り返される「オハヨーハヨー」のフレーズがクセになります。
「メモリのなかのキミに オハヨーハヨー・・・」と、ミクのメモリに思い出として残る
「キミ」を、ミクが探していることがわかります。

2コーラス目。
「たいせつなモノ たくさんあるけれど」と、アイテム画面が表示されます。
「いまはこれだけ もっていればいい」と、アイテム画面からアイテムがどんどん消えていきます。
最終的に、「うえきばち」だけが残って、これが一番大切なものであることがわかります。
こういうのって、ゲームならではの演出ですねー。

次の、「ガレキの あめだま ふってきた」で、雨に打たれるミクのライフがどんどん減る演出!
ミクのが残り少なくなるところで、
「キミ」の幻があらわれてプラスチックのカサを渡してくれる場面で、もう涙腺はヤバいです。
ドット絵だけのシンプルな表現ですが、ファミコン世代はそこにあらゆるドラマを想像するのです。

その後、ミクは三日月の気球に乗ってさらに進みます。
少しずつ増えていくスコアがミクの冒険の足跡を表現しています。

間奏。
月夜に浮かぶ音譜が、なんだか【MOTHER】の8メロディーを彷彿とします。
そして、雨に打たれてどんどんライフが減っていくミク。
楽曲はクライマックスに近づきます。

「しずかに ねむる きみをみた」
で、ミクが探していた「キミ」はすでにお墓になってしまっていたことが判明します。
ミクの涙がうえきばちに落ちて、ツタが天へと伸びます。
ツタをのぼった雲のうえで、ミクは「キミ」に会うことができました!

そのまま、ゲームのエンディング風にスタッフロールと、今まで冒険してきた背景が対で表示されます。
ラスト、最初にミクがいたシェルターに手紙がとどきます。
そして、ミクは・・・。

「キミ」のお墓の前で力つきていました。
ミクのかたわらにはうえきばちがあり、ちいさな芽が出ています。
そして、「THE END」の表示。


どうですか、コレ!
ゲーム好きな人はハートわしづかみにされたんじゃないでしょうか。

あの時代。

ファミコンのとぼしい表現技術をせいいっぱい使って、壮大な物語が紡がれたあの時代。
表情なんてなかったドットのキャラが泣いたり笑ったり怒ったりしているところを
想像でおぎなったあの時代。
あの時代からゲームは格段に進化しました。
8bitのファミコンから、時代は16bitのスーパーファミコンとなり、ドットは細かさを増しました。
32bit機ではドットからポリゴンへ。3D表現の時代となりました。
64bit、128bitとゲーム機はさらに表現の幅を広げます。
そして、現在、ゲームの表現はすでに映画と遜色ないところまで来てしまいました。

こんな今だからこそ、この動画のドット絵のPVは逆に人の心を打つんじゃないかと思います。
それは、ファミコン世代の人だけではないと思います。
ファミコン風ドット絵にあまりなじみのない人にとっても、この動画の表現は
心に響くんじゃないかと思いますが、どうでしょうか?


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ちなみに、この【*ハロー、プラネット。】、実際にゲーム化されちゃってます。
PSPソフト【初音ミク project DIVA】のダウンロードコンテンツである「ミクうた、おかわり」
を購入・ダウンロードすれば、【初音ミク project DIVA】を持ってなくてもPSPでプレイできるのです。
\2000するのでちょっと高いですが・・・。
ですが、真のエンディングを見ると、PVとは違った結末が待っていてちょっと胸熱です。
詳しくは↓のサイトで。
http://miku.sega.jp/okawari/

また、【*ハロー、プラネット。】が収録されているフルアルバムもメジャーレーベルから
リリースされてます。



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