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映画「ゴースト・ハウス」を鑑賞しました。

2007-07-21 00:03:40 | Weblog
映画の話
 ノースダコタ農村に建つ古い家に、シカゴからソロモン家が引っ越して来た。一家は、この村でヒマワリの栽培を始めようとしていたが、長女のジェスはこの家に不気味な何かがあると感じていた。ある日、留守を任されたジェスは、窓ガラスや階段が崩壊するのを目にする。しかし、両親は都会から来た娘が田舎に馴染めず、親の気を引きたいだけだと言って取り合わない。恐怖に震えるジェスは、地元の高校生ボビーに助けを求めるが…。

 サム・ライミが立ち上げたホラー専門レーベルのゴースト・ハウス・ピクチャーズの第三弾目のタイトルはズバリ「ゴースト・ハウス(原題 The Messngers)」だ。
 このレーベルの第一弾は清水崇監督の「呪怨」をリメイクした「THE JUON」、第二弾は「ブギーマン」、この三作に共通しているのは全て家に憑いた霊の話である。
 サム・ライミは「THE JUON」で清水崇を起用したように、本作でも「レイン」「the EYE」の香港出身のパン兄弟を監督として起用している。

 主演は「パニック・ルーム」でジョディ・フォスターの娘役を演じたクリステン・スチュワート

 映画は、コロンビアピクチャーズの女神のロゴマークがカラーから白黒に変わり、ある一家の惨劇が描かれる。東洋人と思われる母と娘と息子が何者かによって惨殺されるショッキングな幕開けだ。
 画面はカラーに戻り、月日は流れて惨劇のあった家に過去の事を知らないソロモン家が引っ越してきて間もなく不可思議な現象が子供たちだけに見え始めてくる・・・。

 私はパン兄弟の作品を見るのは初めてだったのだが、パン兄弟は子供を使うのが旨い。まず、霊現象を目撃するのは言葉の喋れない幼児の長男が見るのだけれど、子供だから霊が何だか判らないので無邪気に霊に触れようとしたり、霊のいる方向に歩いていってしまったりで見ていてヒヤヒヤしてしまう。子供やオモチャの使い方が丁度「未知との遭遇」の頃のスティーブン・スピルバーグに似ている。
 ひまわり畑の栽培に精を出す父を悩ますのがカラスの存在で、カラスに襲われ危機一髪の所を流れ者のジョンに助けてもらい、ジョンを雇い一緒に畑仕事に専念をしだすと同時に霊現象も頻繁に現れるようになり、長女も家財道具が一斉に暴れだすポルターガイスト現象を体験するが、家財道具は一瞬にして元通りに戻ってしまう。大人たちは長女の虚言と判断して家族崩壊の危機に陥ってゆくのだが、霊現象は大人たちにも牙を剥き始めた・・・・。

 映画の感想
 人によっては相当怖かったらしいが、ホラー作品を見慣れた人であれば先の展開も予測出来るし、かなり使い古されたスタンダートなホラー作品と言った所か?
 まず脚本がアバウトで、いわく付きの物件を手にしてしまうくだりも無く、流れ者を雇用してしまったりでソロモン家の行き当たりバッタリ的な展開が駄目だ。
 演出面でも本作の鍵となる、長女の起こした事故により長男が喋らなくなったエピソードをセリフで語って終わりにしたりでアバウトな演出が駄目だ。
 それでも見所は多々あり、過去のホラー作品へのオマージュと思われるシーンがあり、カラスが大挙して人を襲う姿はヒッチコック監督の「」や、白塗りの霊の姿は「呪怨」の伽耶子や俊雄でもあるし、真っ暗な暗がりから白い手がニューッと出てくるのは「呪怨」その物でであるし、天井をカクカクした動きで這う霊の姿は「エクソシスト3」のようでもあるし、アナログ調の霊はサム・ライミ監督の「死霊のはらわた」を思い出したし、拭いても消えない壁のシミは「仄暗い水の底から」のようでもあった。
 
 ハリウッドデビューをしたパン兄弟はアジアンホラーの特徴でもある、じっとりとした湿度感を出したのかったかもしれないが、薄暗い家の室内の閉塞感と対照的に、屋外に広がるひまわり畑がその効果を打ち消してしまっているように感じた。

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