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映画「ブラッド・ダイヤモンド」を鑑賞。

2007-04-07 23:41:43 | Weblog
 映画の話
 地中から掘り起こされ、人の手に触れたとたん、そこに群がる人間のあらゆる感情を吸い込むかのようにうごめきだすダイヤモンドという貴石。3人の男女を引き寄せたのは、めったに産出されることはないという巨大なピンク・ダイヤモンド。彼らはそのダイヤに、それぞれ別の輝きを見た―。

 『ディパーテッド』に続いてのディカプリオの最新作、監督が『ラストサムライ』のエドワード・ズウィックと言うことで見る前から期待をしていた作品である。
 ただ、チラシを見ると地味な印象を受けていたのだが、映画はオープニングから凄まじいシーンから始まる。反政府軍のRUFが村人を無差別にマシンガンで撃ち殺していく、そして生き残った人々を捕まえ、ダイヤの採掘に使える人物を選別する、使えない人物は腕をひじから先をぶった切ると言うショッキングシーンで幕を開ける。
 その生き残りの漁師ソロモンが巨大なピンクのダイヤを採掘した事により、ダイヤを売買して資金源にしているRUFと、ダイヤの密売屋のアーチゃー、ダイヤの密売のスクープを狙うジャーナリストのマディー、更に軍まで絡み壮絶なダイヤの奪い合いが描かれる。

 とにかく大掛かりなアクションシーンに度肝を抜かれた。軍と反政府軍RUFとの市街戦に巻き込まれたソロモンとアーチゃーが逃げ惑うシーンを見ていたら、スピルバーグ監督の『宇宙戦争』のオープニングの地中から現れた戦闘マシーンが次から次へと人々を殺傷していくシーンを思い出した。主人公だけが生き残り周りの人間はバタバタと死んでいく。この映画のディカプリオは元傭兵と言うことで数々の切れの良いガンアクションを見せている。それにしても最近のディカプリオは癖のある役を旨く演じている。そしてハリウッドの黒人俳優の中でも指折りのジャイモン・フンスーが家族離れ離れにされた父親役を繊細に力強く演じている。ただ唯一マディーを演じたジェニファー・コネリーが綺麗すぎて戦地のジャーナリストに見えないのが難点に感じた。それから『ハムナプトラ』のイムナホテップを演じたアーノルド・ボスローが軍の大佐役て゜好演。

 映画の感想
 今年に入りアフリカを舞台にした映画を多く見せられている、『ルワンダの涙』『ラストキング・オブ・スコットランド』そして本作と3本もアフリカを舞台にした映画を見てきた。どの作品にも共通なのは、乾ききったアフリカの大地に無数の人間の血が流された事。直接、人間が無差別に殺されるのは『ルワンダの涙』に近いが、『ルワンダの涙』はナタこん棒で人を殺していたが、本作はピストルやマシンガンやライフルで殺される、そしてアクションはかなり派手なのたがドラマがいささか弱い気がした。RUFに連れさらわれ少年兵になったソロモンの息子ディアの心変わりを丁寧に描いて欲しかったが、割とサラリと描かれてしまうのと、アーチャーとマディーの恋が映画の中で余計に感じた。
 しかし、アフリカの狂気と混乱をズウィック監督は旨く描けていたし、怒号のアクションシーンは見るものがある。そしてディカプリオとジャイモンの演技はリアリティが有り素晴らしい。デート映画としては不向きであるが、大画面で見るべき作品であるので劇場での鑑賞をお勧めしたい。

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