アメリカオオカミは今ロッキー山脈のふもとにある動物保護区に追いやられ、
そこでいくつもの群れが縄張りをめぐらせ、それを守るための争いが絶えない。
これは縄張り争いに敗れ、ボスを失いちりじりになった群れの中で、
ひとりで生き抜こうとした3歳のメスのオオカミ’グレイ’のその後の物語です。
(NHK ’ダーウィンが来た’を参照)
縄張り争いに敗れひとりぼっちになってしまったグレイは、
優しかった父と母を思いながら水辺を寂しく歩いています。
強いお父さん、優しいお母さんに育てられたグレイは、これからひとりで
生きていけるでしょうか。食べるものも少なく腹ペコの毎日が続きます。
そんなある日、近くにワピチの親子が遊んでいました。おなかをすかせたグレイに
最高のチャンスです。グレイは子供に狙いをつけて飛びかかりました。
するとお母さんがグレイに体当たりをして子供を守ります。
お母さんは必死にグレイに攻めかかります。
グレイはたじたじになって逃げだしました。
又ある日獲物を求めて原野を歩いていると、目の前に大きな大きなバイソンが
あらわれました。ここから出ていけとグレイをにらみつけます。
ひとりさびしい夜が続きます。おなかはいつもペコペコ。
グレイは思いました。パートナーを見つけてお父さんのような強い群れを作ろうと。
その年の秋、いつものように森にでかけました。その時2ひきのオオカミが遊んでいました。
まだ1才にならないオスの兄弟でした。
グレイはお兄ちゃんのほうにそっと近づきました。名前はジャック。
すごくハンサムです。グレイとジャックはすぐ仲良しになりました。
やがてきびしい冬がやってきました。グレイはジャックと猟にでかけました。
そして一匹のワピチを見つけました。グレイはワピチをはげしく攻めますが、
ジャックはどうしたらいいのかわかりません。
グレイはへとへとになりながら、やっとワピチをたおしました。1才のジャックは猟が初めて
だったのです。こうしてグレイはオオカミでは珍しくメスで群れをひきいるボスになったのです。
次の春にはジャックもたくましいハンターになりました。
ワピチを見つけると、グレイとはさみうちにしてたおしました。
グレイはそんなジャックをたのもしく思いました。
夏には赤ちゃんが生まれました。女の子のグレイスと男の子のジョンです。
とってもかわいいです。
すっかり大きくなった子供たちは雪の中をかけまわります。
グレイはジャックとともにこの家族を大きな群れにしようと誓いました。
グレイスはおてんば娘です。お母さんによく似ています。今日はひとり群れを離れ
雪遊びにむちゅうです。その時です。とおくの丘からいつも仲がわるいとなりの群れの
ボス、ボブがなかまと見下ろしています。
ボブとなかまはグレイス目がけ一気にかけおりて来ました。それに気づいたグレイスも
いちもくさんに逃げます。でもまだ幼いグレイスはあっと言う間に追いつかれました。
’おかあさん たすけて’
ひめいを聞いたグレイとジャックは大急ぎでかけつけました。
ふたりでボブたちをやっつけにかかりました。
ボブがこうさんして すごすごと引き返したあと、グレイはグレイスを強くだきしめました。
ジャックもグレイスの無事をとっても喜んでいます。
それからはグレイの群れもしあわせな日々を送っていました。
が 次の年の冬かなしいでき事がおこりました。その冬は特にきびしい寒さの中で
少なくなった獲物を追って深い霧の中をさまようように進んでいました。
その時です。’バーン’霧をつんざく銃の音です。
グレイは血をはいてたおれていました。グレイスは'おかあさん、おかあさん’と何度も
呼び続けましたが、お母さんはもう立ち上がりませんでした。群れは悲しみにつつまれました。
でもグレイスは誓いました。
お母さんのように強くて優しいボスになると。
グレイスが3才の時、とってもハンサムなビルと出会いました。
ビルは2才です。すぐにかわいい子供に恵まれました。
グレイスは大好きなお父さんとお母さんがのこしてくれた群れを守ろうとがんばっています。
ビルもたよりになるパートナーです。
猟も群れで獲物を取り囲むようにして、とてもうまくなりました。
グレイスは毎晩お月さんにお祈りをします。
’お父さん,お母さん見守ってくださいね。きっと群れを守っていきます。’。。。。。おわり
そこでいくつもの群れが縄張りをめぐらせ、それを守るための争いが絶えない。
これは縄張り争いに敗れ、ボスを失いちりじりになった群れの中で、
ひとりで生き抜こうとした3歳のメスのオオカミ’グレイ’のその後の物語です。
(NHK ’ダーウィンが来た’を参照)
縄張り争いに敗れひとりぼっちになってしまったグレイは、
優しかった父と母を思いながら水辺を寂しく歩いています。
強いお父さん、優しいお母さんに育てられたグレイは、これからひとりで
生きていけるでしょうか。食べるものも少なく腹ペコの毎日が続きます。
そんなある日、近くにワピチの親子が遊んでいました。おなかをすかせたグレイに
最高のチャンスです。グレイは子供に狙いをつけて飛びかかりました。
するとお母さんがグレイに体当たりをして子供を守ります。
お母さんは必死にグレイに攻めかかります。
グレイはたじたじになって逃げだしました。
又ある日獲物を求めて原野を歩いていると、目の前に大きな大きなバイソンが
あらわれました。ここから出ていけとグレイをにらみつけます。
ひとりさびしい夜が続きます。おなかはいつもペコペコ。
グレイは思いました。パートナーを見つけてお父さんのような強い群れを作ろうと。
その年の秋、いつものように森にでかけました。その時2ひきのオオカミが遊んでいました。
まだ1才にならないオスの兄弟でした。
グレイはお兄ちゃんのほうにそっと近づきました。名前はジャック。
すごくハンサムです。グレイとジャックはすぐ仲良しになりました。
やがてきびしい冬がやってきました。グレイはジャックと猟にでかけました。
そして一匹のワピチを見つけました。グレイはワピチをはげしく攻めますが、
ジャックはどうしたらいいのかわかりません。
グレイはへとへとになりながら、やっとワピチをたおしました。1才のジャックは猟が初めて
だったのです。こうしてグレイはオオカミでは珍しくメスで群れをひきいるボスになったのです。
次の春にはジャックもたくましいハンターになりました。
ワピチを見つけると、グレイとはさみうちにしてたおしました。
グレイはそんなジャックをたのもしく思いました。
夏には赤ちゃんが生まれました。女の子のグレイスと男の子のジョンです。
とってもかわいいです。
すっかり大きくなった子供たちは雪の中をかけまわります。
グレイはジャックとともにこの家族を大きな群れにしようと誓いました。
グレイスはおてんば娘です。お母さんによく似ています。今日はひとり群れを離れ
雪遊びにむちゅうです。その時です。とおくの丘からいつも仲がわるいとなりの群れの
ボス、ボブがなかまと見下ろしています。
ボブとなかまはグレイス目がけ一気にかけおりて来ました。それに気づいたグレイスも
いちもくさんに逃げます。でもまだ幼いグレイスはあっと言う間に追いつかれました。
’おかあさん たすけて’
ひめいを聞いたグレイとジャックは大急ぎでかけつけました。
ふたりでボブたちをやっつけにかかりました。
ボブがこうさんして すごすごと引き返したあと、グレイはグレイスを強くだきしめました。
ジャックもグレイスの無事をとっても喜んでいます。
それからはグレイの群れもしあわせな日々を送っていました。
が 次の年の冬かなしいでき事がおこりました。その冬は特にきびしい寒さの中で
少なくなった獲物を追って深い霧の中をさまようように進んでいました。
その時です。’バーン’霧をつんざく銃の音です。
グレイは血をはいてたおれていました。グレイスは'おかあさん、おかあさん’と何度も
呼び続けましたが、お母さんはもう立ち上がりませんでした。群れは悲しみにつつまれました。
でもグレイスは誓いました。
お母さんのように強くて優しいボスになると。
グレイスが3才の時、とってもハンサムなビルと出会いました。
ビルは2才です。すぐにかわいい子供に恵まれました。
グレイスは大好きなお父さんとお母さんがのこしてくれた群れを守ろうとがんばっています。
ビルもたよりになるパートナーです。
猟も群れで獲物を取り囲むようにして、とてもうまくなりました。
グレイスは毎晩お月さんにお祈りをします。
’お父さん,お母さん見守ってくださいね。きっと群れを守っていきます。’。。。。。おわり