(そのときの本は単行本。写真は後に出た文庫本です。)
青少年読書感想文コンクールの高校生部門の課題図書に選ばれた本でした。
すぐに借りて、家に帰って読み、ホーッとため息をつきました。
子どもの頃に夢中で読んだロビンソン・クルーソーに実在のモデルがいたなんて☆
著者の高橋大輔氏は東京の広告代理店に勤務する探検家。10年をかけて実在のモデルであるアレクサンダー・セルカークの残した足跡をたどり、この本を書いたのです。
セルカークがなぜ無人島で生活するに至ったのか?
そして、どのようにして救出されたのか、本に詳しく紹介されていますが、ちょっとだけ、ここでもたどってみたいと思います。
セルカークはスコットランドのファイフ郡にあるラルゴという村の出身。
1676年に生まれました。
もとをたどれば海賊の仲間で、航海の途中に給水に立ち寄ったフアン・フェルナンデス島で仲間割れをし、置いてきぼりをくったのが無人島生活の発端です。
島は南緯33度37分、西経78度46分の南太平洋にある絶海の孤島。(1966年にロビンソン・クルーソー島と改称されたそうです。チリの領土。)
1704年のことでした。
身の回りの持ち物はあったものの、ロビンソン・クルーソーのように船からたくさんの物を運び出せたわけでもなく、さぞや苦しく悲惨な生活だったに違いない。
ロビンソン・クルーソーの場合は、なんと言っても、後から振り返って書かれたと言う設定であり、「助かって述懐する後のクルーソー(書き手)、本人、読者」というつながりが存在しています。
セルカークの場合は助かる当てもなく、本当に一人っきりの孤独な無人島生活。
でも、もちろん、物語のモデルになったのだから、救出されたのです。
無人島で生活を始めて始めて4年4カ月の後、1709年2月12日に、イギリスの私掠船団(デューク号とダチェス号、要は海賊)によって発見され、セルカークは島を後にしました。
1704年といえば、いまからちょうど300年前ですよね…。
ダニエル・デフォーは、セルカークの話を元にして小説を書きました。
それが『ロビンソン漂流記』という3世紀にまたがるベストセラーであり、希有の冒険小説というわけです。
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