7月26日の朝日新聞の朝刊に、アラハン本が人気という記事が出ていた。
100歳前後の著者の本が売れているという話。
その発端となった本は2010年に柴田トヨさんが出した詩集だと紹介されていた。
しかし、始まりはもっともっと前だ、と言いたい!
そもそもお年寄りの女性が「年なんて関係ないわ」と言わんばかりに
颯爽と登場するおばあちゃん本の火付け役になったのは
三津田冨左子さんの『50歳からの満足生活』。
2000年11月に三笠書房から出版された。
まだまだお年寄りの本など誰も思いもしなかった頃のこと‥‥。
三津田さんはこのとき88歳。
きっかけは1999年12月12日朝日新聞の朝刊の記事だった。
「あなたが選ぶ、この人が読みたい」というシリーズ企画で
三津田さんが取り上げられたのだ。
「7年前の投書を読んだのが最後
三津田冨左子さん、お元気かしら」
というタイトルの8段抜きの大きな記事だった。
この記事には当時87歳の三津田さんが
向日葵の花がプリントされたビニール製の大きな袋を肩にかけて
渋谷の駅前で颯爽と写っている。
この記事を読んで、三笠書房の名編集者Hさんの心の針がビクンと振れた。
「面白い! この女性の生き方を本にしたい」
ということで当時新聞に毎日のように投稿していたけれど
世間的にはまったく無名の三津田冨左子さんの本の出版がきまった。
下の写真はその記事のコピーを撮したもの。
18年前のコピーなので少しヨレ気味だけど
拡大すれば内容を読めると思う。
それはそれは素敵な、元気がもらえる記事だった。
記事を書いたのは中村さんという、当時朝日新聞の記者をしていた人だ。
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