まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

空から降るもの

2003年01月03日 19時28分00秒 | 日々雑感
子供の頃、晴れた日が嫌いだった。

天気がいいと外で遊ばなくてはいけない。

家で本読んだり人形の服作ったりしてるのが好きなのに。

雨なら大威張りで家にいられる。

それに、晴れた日の空というのはなんの想像もかき立てないが

どんより曇った空からは色々な物が降ってきそうではないか。

物語だって何かが起きるのは大雪の日とか嵐の日とか。

空から傘をさした女の人が降りてきたのも強い風とともにだったような。

雪が降り出した空を見上げると、落ちてくる雪は灰色のゴミのように見えて

積もる雪はきれいなのに・・・と、不思議だった。

今は、晴れの日も好きですけどね。

雨の日は気持ちは落ち着くけれど散歩に行けなくてフラストレーションがたまる。

子供の頃から情緒が安定しているとは言い難かったわたしだが

ここのところ落ち着いているのはとにかく歩くようになってからである。

休みの日に、あてもなく何時間か歩くと(もちろん、休み休み)わけもなくいい気分になる。

立ち仕事なので普段から一日中歩いているのだが、それとは全く違うのだ。

自転車も好きだが、自転車では通り過ぎてしまうような物を発見できるのも魅力だ。

今日は歩いているうちに雪がちらほら降ってきて、寒そうに鳥が飛んでいた。

それを見て思い出したことがある。

数年前のよく晴れた日、色々あってどうしようもない気持ちで縁側に腰かけていた。

突然、飛んできた鳥がわたしの足元にふんを落としていった。

不意をくらってびっくりしたのなんのって。

気持ちのどんよりも忘れて「うわ~!」。

別に鳥のふんなんか付いたって平気なんだけど、なんせ驚いたもんで。

しみじみ思ったよ。

生きていると思いも寄らないことが起こるなーって。

晴れた日の空も、油断ならないのであった。

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