まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

お節介

2002年10月17日 23時29分00秒 | 日々雑感
夕方 トイレに行くと、これからバイトに入るはずの娘が二人、深刻な顔をしている。

「あら、何してんの こんなとこで」

それが・・・

田口が語るには、昨日の帰りに 商品整理がなってないと店長に怒られ

「明日から来なくていい」と言われてしまったという。

さっきローテーション表を見に行ってみると自分の名前はないという。

もう一人のバイトの子は昨日いなかったのでちゃんと名前が書いてある。

「困ったねぇ」

あんた、どうしたいの? と聞くと

「やめたくないけど・・・。しようがないかな」

なんじゃそりゃ。

今までにも何度か注意されていたという。

たいそう怒って、事務所のドアを蹴ったらしい。

田口は、わたしから見てもちょっと遊んじゃってるときはある。

だけど、いきなり明日から来なくていいなんて言っちゃいけないし物に当たったりしてはいけない。

そのせいで田口は 「怖くて謝れない」 と言っている。

「わたしから話してみようか?」 と言うと、目をキラキラさせて喜んでいる。

バックヤードに誰もいないといいな、と思ったら運良く店長だけだった。

がらにもなく下手に出てみる。

「ごめんね、あたしが口出す筋合いじゃないんだけど・・・」

彼は、脅しじゃなく本気で辞めさせる気だったらしい。

「でも、いきなり明日から来るなってのはねぇ・・・」

「俺も感情的になっちゃったからなぁ」

「今度、ちゃんと出来なかったら辞めてもらうってことでいいんじゃない?

仏の顔も三度までって、ね」

「う~ん、XXさんに頼まれちゃな~」

あ、恩着せる気か・・・

いや、わたしの顔を立ててくれたのだ。

走って田口を呼びに行くと、なんと彼氏と一緒に待っていた。

あほらし。

余計なお世話だったかな、とも思う。

また怒られて、結局は辞める羽目になったりして。

ま、それはそれで仕方ないけど・・・なんてうちに帰って考えているとメールが入った。

『今日は本当にありがとうございます。おかげでこれからもここで働けます・・・』




















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