まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

雨上がりに街の灯揺れて

2009年03月25日 23時26分16秒 | 日々雑感
寒い寒いといったって春なんだからと、自分に言い聞かせてみたものの

帰り道のあまりの寒さに、頭が痛くなってしまった。

数日前の暖かさに、うかうかと春を満喫していた身には堪える寒さだ。

雨が降ったせいで、余計に空気が冷えている。

しかし、濡れた道路や水たまりに街の灯が映っているのはきれいだ。

ギラギラしたネオンを醜悪と思うのに、一方で街灯りに惹かれるのは矛盾だろうか。

夜遊びの記憶は酒場でも人でもなく、車から眺める街灯りだ。

流れる街灯りは、気持ち次第で様々に表情を変える。

出かけるときの心弾みとともに見る灯りは、きらきらと楽しげなはずなのに

どこか寂しい気もするのはなぜだろう。

まして帰りの気だるさの中で見る灯りは、寂しいというよりも虚無的だ。

もう夜遊びはしないけれど、街灯りは今もわたしの心を揺らす。

それは過ぎ去った日への感傷だろうか。

ふふん、と鼻を鳴らせば、湿った空気は春の匂いがした。