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マリーのぽわぽわ日記

愛犬マリーと読書・ゲーム・音楽が中心のつれづれ日記

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

2013-04-21 19:32:47 | こんなの読んだよ
村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読了しました。
今までに無く読みやすく、長さも適当で話もわかりやすかったです。
この厚さで1785円というのはちょっと高い気もしますが、それは私が今貧乏だからで、本の値段を気にせず買っていた頃なら全然気にならなかったと思います。発売前、もうちょっと厚いかと思って期待していたのです。
ネタバレですが…、この話は1人の男性(多崎つくる)があるときから突然、今まで懇意にしていた友人グループから「もう会わない」と言われ、理由もわからず生きる希望をなくしている場面から始まります。なんだか今までの村上春樹の作品に比べて、テーマが著しく親しみやすくなっているような気がします。誰にでもあること、起こりうることです。文体も『1Q84』などに比べると平易で、するする読めます。早い人なら一晩で読んでしまえる感じです。
つくるは長い間その悲しみを心の奥に隠し持ちながら過ごし、人がつくるの元を訪れては去ってゆく虚無感に常に包まれています。もちろん仕事はしているし、普通に日常生活を送っているのですが、心の奥では過去のその事件が渦を巻いています。
ある時知り合った女性、木元沙羅にこの話をしたところ、「あなたはその事件のために、自分が傷つかずに済むように、自然と精神的に抑制をしている。それでいままで付き合ってきた女性とうまくいかなかったのだ」と言うようなことを言われ、「そうかもしれない」と思う。沙羅は「その友人グループの人達の名前を教えて」と言い、決別から16年たった今、彼らが(男2人、女2人)どうしているか突き止めると言う。それからのことはつくるが決めればいい、と。つくるは結局その人達を訪ねていくことになるのだ。まさに巡礼のように。
沙羅の情報によると4人のうち女性1人は既に亡くなっていて、殺されていた。つくるは最初に男性2人を尋ね、なぜ自分を切ったのかを聞く。それは亡くなった女性ユズが、「つくるが自分をレイプした」と主張したからだとわかる。つくるはさらに残りの1人の女性を訪ねてフィンランドまで行き、事の真相を確かめるのだった。
この本では最後まで読むと主人公の過去の真相がわかります。沙羅が言ったように、事件の真相を知ることで心がほどけたつくるは、最後に木元沙羅に並々ならぬ気持ちを抱いている自分に気づき、一歩踏み出そう(結婚を申し込もう)という気になって終わります。
今までの村上春樹の作品は、最後まで読んでも明るく開けた感じで終わると言うものはなかったのですが、この作品は違いました。それだけに今までたくさん出版された村上春樹の「謎解き本」みたいなものはこの作品に限り、出ないと思います。スカッと終わったという感じです。村上春樹の作品の中では、比較的入り組んでいないものでしょう。

『まほろ駅前番外地』

2012-11-06 09:51:48 | こんなの読んだよ
三浦しをん著、『まほろ駅前多田便利軒』の続編にして番外編。文春文庫から。
『まほろ駅前多田便利軒』に出てきた濃厚なサブキャラたちをひとりひとりクローズアップして全7編にした。
行天と多田の関係は変わっておらず、前作が好きだった人にはたまらない作品になるだろう。サブキャラのコロンビア人、ルルとハイシー、やくざの星、曾根田のばあちゃん、由良公、バスの運行の監視を依頼する岡夫妻などが登場する。
他にも新キャラで多田が気を引かれる「キッチンまほろ」というレストランを経営する柏木亜沙子が出てくる。この柏木亜沙子はこれから面白くからんでくるだろうなあという予感がする。行天は
多田と亜沙子をなんとか絡めようといろいろ画策する。その辺もおもしろい。
全体的に、これには続きがあるんだろうな、これはそのための序章なんだろうな、と感じさせる部分がある。最後に、行天が預かった幼児に対してひどい拒否反応を起こす。その理由も定かになっていない。だからきっと3作目があるはずだ。多田や行天の隠された秘密(多田はともかく、行天は未だに謎が多い)は少しずつあかされて行くんだろうなと感じた。
今回の7編で一番気に入ったのは『由良公は運が悪い』で、前作で塾の送り迎えを依頼された小学生、田村由良の一日を追う。なんとなく運が悪い一日の中に行天が入り込んできて、さらに運が悪くなってゆく散々な様子を描いた。アップテンポで場面がくるくる変わるところが面白い。行天の小学生に対する容赦のなさも健在だ。
ところで、『まほろ駅前多田便利軒』はDVD化したが、今回の『まほろ駅前番外地』はテレビドラマ化するらしい。キャストは前作と同じ、多田が瑛太で、行天が松田龍平。来年1月からの放映で、今から楽しみだ。

『秘密-トップシークレット-』

2012-11-01 22:00:19 | こんなの読んだよ
清水玲子著『秘密-トップシークレット-』(白泉社)が終わってしまった。……この名作を、1年に1冊出るか出ないかのこの傑作コミックスを心待ちにしていた日々は約11年続いた。それが先月の29日で終わってしまったのだ。
清水玲子は短編読みきりが巧い。『秘密』は全12巻だが、話は独立しつつ背後で続いているので、1冊だけでも読めないことは無い。ただ、ラストに向けてだんだん話が核心に迫ってくるので、やはり1巻から通して12巻まで一気に読むことをオススメする。ただし、それにはかなりの労力が要される。話がわかりにくいからではなく、清水玲子の画力を堪能しつつ、洗練されたストーリーを追うのは驚きの連続だからだ。
この作品は「メロディ」という雑誌に連載された。「メロディ」自体がもはや少女漫画誌ではなく、他によしながふみ、成田美名子、ひかわきょうこ、樹なつみ、岡野玲子などが連載している。いわゆる「大御所」を集めたような雑誌だ。普通の少女漫画では物足りない通が読む雑誌と言ってもいいだろう。そのなかでもひときわ『秘密』は目立っていた。
ストーリーは近未来の科学警察研究所法医第九研究室(通称第九)で始まる。第九はMRI捜査を行っている部署で、殺人事件などが起こったとき、被害者の損傷の無い脳を取り出し、MRIスキャナーにかけ、電気刺激を与えることによって脳を120%働かせ、被害者が生前見ていた映像をスクリーンに映し出すのだ。それによって犯人特定につなげるという非常に特異なやりかただ。もちろん、スクリーンに映し出される画像は、殺人現場だけではなく、被害者が見たものが全部映し出されるのだから、被害者のプライバシーはもろ出しにされてしまう。これがタイトルの『秘密』につながっているといえよう。もちろん、ストーリーの中ではもっと大きな秘密がうごめいていて、最後まで読めば「このことだったのか……」とわかるはずだ。
さて、設定もさることながら、読者をひきつけるのはやはり魅力的なキャラクターだ。薪剛(まき・つよし)警視正はきれいな顔をしてからだも華奢なのに、性格はちっともおとなしくない。部下をどなりちらし、仕事が遅いと喝が入る。そこへやってくるのが新人、青木一行だ。青木はちっとも薪をこわがらない。190cmの大柄な体格で薪の指示通り右往左往する。この二人のやり取りが小気味良い。また、第九には他にも何人もの部下がいて、それぞれが個性的だ。一つ一つの事件を捜査していく上で、飽くことなく最後まで読ませるのは彼らの存在も大きい。
そして最後は薪自身の秘密に迫ることになる。それまで、いっさいのプライベートを明かされなかった薪の存在はどうなるのか?それは読んでのお楽しみだ。
お願いだから読んで、と言いたくなるような全12巻セット。未読の人は、これを読まずに死ねるかと思ったほうがいい。

きみはポラリス

2012-10-31 20:54:38 | こんなの読んだよ
やっと復活することができました。お待たせしました。アクセス数もガクンと減ってしまいましたが仕方ありません。これからは毎日の更新は無理かもしれませんが、できる範囲でやっていこうと思います。
さて、三浦しをんの『きみはポラリス』(新潮文庫)を読みました。恋愛に関する短編が11篇入っています。三角関係、同性愛、信仰、兄妹の禁断の恋愛などなどいろいろな恋愛についてかかれています。
一番人気は『冬の一等星』らしいのですが、私は『森を歩く』と『永遠に完成しない二通の手紙』が好きです。(不思議なことに『きみはポラリス』というタイトルの作品はありません)
『森を歩く』は、時々主人公の前に現れては大金を置いて、またどこかへ去ってしまう彼氏の正体を暴く物語。ネタバレしてしまうと、その正体はプラント・ハンターだったんです。世界中を廻っていろんな植物をハンティングするのが彼氏の仕事だったのです。主人公は、行く先も告げず、突然姿を消してしまう彼氏を両親に紹介することもできず、かといってこのままの状態はもう限界、というわけで、ある日彼氏を尾行します。徹底的に。そして彼氏が崖っぷちに立ったとき、自殺するんじゃないのかと思って、思わず飛び出して止めます。ところが、よくみると彼氏はちゃんと命綱を着けていて、崖のそばにある植物をとろうとしていたのです。お話はは婚姻届を出すだろうなあと思わせるところで終わります。ちなみに、タイトルの「森を歩く」とは、インディオの言葉で「あんたとセックスしたい」という意味だとか。彼氏が主人公に言ったことばです。
『永遠に完成しない二通の手紙』は男性同士の同性愛をささやかに描いています。
ある日主人公の元に友人がやってきて「好きな子にラブ・レターを書きたいから手伝ってくれ」と言います。物語はこの二人のはちゃめちゃなやりとりに終始するのですが、最後に主人公は自分の胸のうちを明かします。<俺の手紙は永遠に投函されることはないんだ。>として、目の前で眠る友人への愛を語ります。
このお話は、最終話『永遠につづく手紙の最初の一文』に続きます。こちらもよかったですが、表現がもっとあからさまです。どちらがいいかは好みかな。

ビブリア古書堂の事件手帖

2012-08-09 19:06:51 | こんなの読んだよ
今日は体調が悪かったのでほぼ一日寝ていました。その間、読めそうな時にこの間から読んでいる『ビブリア古書堂の事件手帖』を読み終えました。人気が出るのもわかる気がしました。読みやすくて面白いです。
以下、ネタバレあります。
主人公の五浦はただいま就職活動中。そこへ近所のビブリア古書堂と出会ってしまう。この古書店の店長は事情がああって入院中なので、店番が欲しいと言う。五浦は頼まれて引き受けた。この店長と言うのがおじさんかと思いきや、若い美女で、すごくはにかみや。普段の会話はほとんどできないくらいなのに、本の事が話題になると、人が変わったように饒舌になる。今日も訳ありの古書が五浦の元へ持ち込まれ、それを病院へ持っていって店長の栞子に査定してもらう、という話だ。ただ、訳ありものなので、査定だけで終わらない。最初は五浦自身が持っていた祖母の本の謎解き、次は盗まれたものだから売りにきたら買い取っておいて欲しい、という「せどり屋」さんの本の行方、三番目はもうすぐ読めなくなるかもしれない眼病を患った過去あり男性の本の買取、最後が栞子自身が持つ超希少本を強引に売って欲しいと持ちかけてくる男との対決。この最後の章では栞子がなぜ病院に入院しているのかもわかる。
表紙のイラストがアンティークで素敵なのもあるし、本が好きな人にはいろいろおもしろい小話が出てくる。例えば、他の古本屋で「これは」と思う古書を買い、自分で売りさばくせどり屋という職業などです。私は古書店に勤めていたことがあるので、天地、小口、状態、などの言葉が懐かしかったです。他にも市場や本以外のビデオなどのブローカー、漫画喫茶のご主人など、他の職業ではちょっと出会えない言葉や人々に出会いました。
今はすっかりネットで値段を決めるようになってしまいましたが、それでも本当の古書は長年の勘と経験で決めているようです。知識も豊富でなければできません。この「ビブリア古書堂」の店長、栞子さんはまだ若いのにいろんなことを知っていて、神秘的な人物としても描かれています。
ビブリアシリーズは3まで出ているようです。うちにはまだ2があるので、続きを読もうと思います。

秘密

2012-07-19 19:47:13 | こんなの読んだよ
今日は朝から暑く、体調もいまひとつだったので、一日中読書をして過ごしました。おかげで1冊読み終わってしまいました。
午前中は洗濯をして、それからすぐに新しい図書館で借りてきた、東野圭吾の『秘密』を読み始めました。もう3分の2くらいは読み終えていたのですが、まだ残りがありました。
表紙が破れているように見えるのはそういう装丁だからです。7月28日までに返却しなきゃならないので、ちょっとプレッシャーを感じながら読みました。もう当分図書館では借りてこないでしょう。
この話は、主人公の妻と娘が事故に遭い、妻は死んでしまうが、その魂だけが娘の体に入り込み、奇妙な夫婦生活が始まると言う話です。もちろん、娘はどんどん成長していくし、進路を考えたり、ボーイフレンドができそうになったりといろいろ波乱はありますが、最後はちょっと切ない終わり方をします。でもハッピーエンドです。最高傑作とはいえませんが、まあまあおもしろかったです。私の中で東野圭吾の最高傑作は直木賞をとった『容疑者Xの献身』です。でもこれはちょっとひいきが入っていて、私が探偵ガリレオシリーズが好きなことと、ガリレオ先生のように准教授または大学の先生と呼ばれる人物に弱い(つまり萌えを感じる)からだということもあります。でもストーリーはひいきなしに面白いと思います。なんせ直木賞ですから。
東野圭吾の小説で『片想い』というのがあります。これが『秘密』と同じようにシンプルな装丁でちょっと気になっています。だから今度体調がよくなったら、図書館で借りてこようかと思っています。シンプルな装丁と言えば、『手紙』というのもシンプルでした。表紙は一面桃色です。でもそんな明るい色に似合わず、話の内容は結構ヘビーでした。でもよかったです。DVDも見ましたが、小説に劣らずよかったです。大抵はDVDを見てがっかりなんてことが多いのですが、『手紙』はそんなことなかったです。
東野圭吾は息の長い、しかもたくさん書ける小説家です。短期間にたくさん書けて、内容も水準以上です。尊敬する作家の一人です。本当の職業作家という気がします。

天地明察(下)(角川文庫)

2012-06-08 22:02:00 | こんなの読んだよ
いよいよ下巻です。旅から帰ってきた春海は新しい問題を持って塾へいってみるが、えんは嫁に行っていた。…私はえんと結婚するんだとばかり思っていたんですがねえ。下巻でそうなるのかしら。そして旅の途中で志半ばで斃れた建部の墓参りをし、新しい日々に心を躍らせるのであったが。

天地明察(上)(角川文庫)

2012-06-06 17:28:11 | こんなの読んだよ
とうとう買いました。下巻も一緒に。もうすぐ上巻が読み終わります。主人公の春海が性格がよくて、読んでいてとても気持ちがいいです。
お話は江戸時代、お城で碁を打ちに行くのが仕事な春海。でも本当に好きなのは算術だったのだ!こんな春海がこれからどうやって改暦にからんでいくのか、私も楽しみです。

バクマン19巻

2012-06-05 20:37:44 | こんなの読んだよ
あと少しで最終巻のバクマン。来月は終わってしまうのかあ。おもしろい漫画だったよ、小畑健&大場つぐみさん。次はどんな作品を見せてくれるのか楽しみです。まったく違う世界を見せてくれるんだろうな~。

夢をかなえるゾウ(飛鳥新社)

2012-06-02 15:59:25 | こんなの読んだよ
読み終わりました。最後はちょっと悲しい別れ…という感じでしたが、そこまではもうフル回転で夢をかなえるためには!と頑張っている本でした。でもその頑張りが苦じゃない。誰でもすぐにできそうなことから始まっている。例えば「靴をみがく」とか「コンビニでお釣りを寄付する」とか。それを教えに来るガネーシャというゾウの神様がまた俗っぽくておもしろい。あんみつが大好物だったり、富士急ハイランドのフジヤマに乗りたがったり。これは楽しみながら学べる自己啓発本だな、と思いました。