最近の母
イヤやなあ…
イヤやなあ…
イヤやなあ…
何かと、イヤやなあ…と呟いている
何が嫌なのか、さっぱり分からない
一人で、ずっと呟いてるだけ
イヤやなあ…
イヤやなあ…と
小1時間、呟いたら
すっとするのか、呟くのをやめてくれる
今日は、命より大切な鞄をまさぐりながら呟いていた
最近の母
イヤやなあ…
イヤやなあ…
イヤやなあ…
何かと、イヤやなあ…と呟いている
何が嫌なのか、さっぱり分からない
一人で、ずっと呟いてるだけ
イヤやなあ…
イヤやなあ…と
小1時間、呟いたら
すっとするのか、呟くのをやめてくれる
今日は、命より大切な鞄をまさぐりながら呟いていた
母は自分が死んだあと、私がひとりぼっちになるのが気掛かりで仕方ないらしい。
私自身は、姉や姪(頼りにしてよいのかわからないけれど)がいるので、
さほど気にはしていない。
ただ、遠からず、そういう時を迎えても、
それは私自身が作ってきた人生の結果なのだから、
そのひとりぼっちの我が身を、どーんと引き受けてやろうじゃないか・・
なんて思っている。
が、、、、直面したらどうなることやら(終活準備しなくちゃ、ね)
そんなある日、母、デイサービスの運転手さんにこんなこと話してたそうだ。
『娘が死ぬまで、自分は死ねない』と、、、
うん???
『娘の死を見届けてから、母である自分は死ぬ』と、、、
うん???
運転手さん、ちょっと困り顔で話してくれた。
心配のあまり、娘の葬式あげてから死にたくなったのか、母よ。
それも親の愛か!?
たとえ、ひとりぼっちでも、たくましく、細々と生きていくわい、我が子なら、、、
なあんて、思ってくれないかなあ。
いつもの徒歩5分で行ける診療所からの伝言。
最近特に待つことができにくくなってきた母。
月に1回、連れて行くだけでもけっこう疲れがたまるようになってきた(私が・・)
長く待たされると待合室で、診療所にむけて暴言に近い言葉を吐くようになってきた、母。
諫めたら逆上されそうで、ひたすらスルーする私(疲れが倍増)
母の願い通り、早死にするかもしれないニャー
デイサービスからご機嫌さんで帰ってきた、母
晩ごはんもしっかり食べてあとは寝るだけの状態
布団を敷いて(まだ自分でやれる)
と、もう寝てる
まだ6時なのに、、、、
30分ほどたった頃、ガタガタと襖を開ける音がした
またか! と、思いつつ母の元へ
布団は綺麗に片付けられていて
母は朝食のパンとバナナを冷蔵庫から
今まさに取り出そうとしていた
私「これから夜になるよ。まだ起きるの早いよ」と言うと
母「うそ~! なんでやの! 」
デジタル時計は、PM6時32分を示している
ぐっすり寝て起きたから、朝だと思い込んだのか…
夏場は暗くなるのが遅い
母に、これから夜だと伝えるのはなかなか難しい
半信半疑で、半ばキレ気味の母に
これから暗くなって、夜になるから
まだ寝ろ(口調はもっと優しく)と
言いおいて
自分の部屋に戻った
しばらくして、こっそり見に行ったら
布団を敷いて横になっていた
最近の母、何かしら落ち着かない様子。
デイサービスのお迎えの時間より、2時間も早く、
行く用意を終えてしまってウロウロ、ウロウロ。
まだ早いよ。ゆっくり待ってたらと言っても聞く耳持たず。
「もう迎えに来ないやろ」
「お母ちゃん、嫌われてるから」
「こんな年寄り、いややろな」
さんざん悲観的なことばかり言ったそばから
「歩いて行くわ」という。
待っててあげて。運転手さんが会社のえらいさんに怒られるからと言っても聞く耳持たず。
家を出ていくから、私もついていく。
母、「一人で歩きたいねん。あんた、帰れ」と言うけど、
そうはいかんやろ~
で、どうにか送迎コースに誘導して、途中で拾ってもらうことに成功した。
活発化しているのは、木の芽時だからか・・・
スーパーへ行く道にマスクが落ちていた。
それを見つけた母が拾おうとするので、慌てて止めた。
そしたら母がキレた。
「お母ちゃんが落ちてるマスクを使うと思ったんか(怒)」と、
「こんなとこに置いてたら邪魔やから端っこに寄せとこと思ったんや(怒)」と。
怒る、怒る、怒る!
母、善い人。親切心、旺盛。
でも、この今のご時世では、ね・・・
素手で、道に落ちてるマスクなんか触って欲しくはないのよ、ね。
母、ワクチン接種してないし、ね。
「足で道の端っこに追いやったら」って言ったら、
「女の子が、そんなはしたないこと出来るか」って、またキレられた。
デイサービスに、自前の着替え一式を置くようになってから数か月たつかな。
一番最初は、リハビリパンツ借りて?帰ってきた。
それから、ズボン、下着など預けるようになった。
それらを使うことは滅多にないけど、
立て続けに履き替えて帰ってくることもある。
そんなときは、ちょいとへこむ(私が)
母は当然、忘れている。
「また、明日ね~」なんて、運転手さんに上機嫌で言っている。
運転手さん、母に見られないようにして、ビニール袋にいれた濡れた物を渡してくれる(恐縮です)
夕食を終えた母。うつらうつらしている。
私;もう寝る?
母;寝るわ。〇〇(私のこと)はご飯食べたやろ⁈
私;食べたよ。お母ちゃんも食べたやろ⁈
母; ・・・ (自分の顔をさすりながら) お母ちゃんはおなか減ってないから要らんねん
母、晩ごはんは完食しましたよ(笑)