作家、田辺聖子さんの近況を余り聞かない、と思っていたのだが
訃報をニュースで知った。
まことに惜しい「日本語の達人」のこの世からのご卒業である。
三島由紀夫のようなきらびやかな日本語ではないので、文化勲章の
叙勲などで、業績への讃えはあったもののその達意の
文章が取り立てて称揚されることはなかったのだが、この方は
古典の教養に根ざす詩嚢からこぼれ落ちるほどの有り余る語彙を有しつつ、
しかし敢えてそれらを使うのを最小限に、平易に綴られた。
ベッドシーンを日常言語で、しかし格調高く官能的に描かれ、
凡手の、よくなし得ることではない。ある雰囲気を
有した恋愛小説はフランソワーズ・サガンを思わせ、
御本人も影響を受けたと語られていた。
日本はまた一人、日本語の防人を失った。後、生きていらっしゃるのは
何人か・・・・、いや、いるのか、と思わせる心細い現状である。
豊かな日本語を私たちに残してくださったその業績を
讃えつつ感謝の思いと共に、お見送りしたい。
田辺聖子さん、ありがとうございました。
田辺聖子さんの文章の豊かさ、魅力を余すところなく表現した、先生の追悼文が素晴らしいです。
「日本語の達人」「国語の防人」」として先生がいらっしゃいます。
田辺聖子さんの御冥福をお祈り申し上げます。
>日本はまた一人、日本語の防人を失った。後、生きていらっしゃるのは
何人か・・・・、いや、いるのか、と思わせる心細い現状である。
先生が、 “ 私一人になりました ” とは言えないでしょうけれど。
‘ 秋の季語 ’ 、 ‘ 終身名誉ノーベル文学賞候補 ’ と揶揄される何処かの人が、日本の作家の代表とか思われても困ります。
表現の美しさと目でみた美しさを意識して書いた三島由紀夫氏。
三島作品を深く知る井沢先生にあえて、
《ご参考に(ならないかもしれませんが)》
「本を書きたい」人が読むブログ:漱石と三島に学ぶ「文章の密度」
https://www.bungeisha.co.jp/publishing/kakitai/article_195_13.jsp
「本を書きたい」人が読むブログ:“美文”は作家の心の鏡
https://www.bungeisha.co.jp/publishing/kakitai/article_195_50.jsp
三島由紀夫の文章技法
https://blog.stm43.com/entry/20101228/1293514698
文章の解説ではないですけれど。
三島も川端も芥川も……文豪はみんなスイーツ好き?
https://www.news-postseven.com/archives/20140920_277924.html
先生は既にご存知かもしれませんが。
【追悼】田辺聖子さんの「最高の幸福は…」作家・佐藤愛子が偲ぶ
https://dot.asahi.com/amp/wa/2019062100011.html