井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

たにんごと・・・・

2019年03月07日 | 日記

他人事を「ひとごと」ではなく「たにんごと」と読むのが
定着して来つつあり、半ば諦めながら個人的には
気色の悪い思いをしていることは何度か書いた。

ああ、これでもう世の中は決定的に「たにんごと」採択だなあ、と
思ったのが、警視庁振り込め詐欺被害防止アドバイザー、タレント
コロッケが防止呼びかけのVTR中「たにんごと」と
言っていたのを観たからだ。

こういう公的パブリシティの中でさえ用いられるように
なったら、万事休す。

言葉も生き物、時代により変わるもの、と潔く
諦めるが、個人的には「たにんごと」は使わない。
「ひとごと」と言い続けるだろう。

ひとごとの読み方が熟字訓であり、たにんごとという
読みもあながち間違いではないと
擁護する向きもあるが、そもそも「たにんごと」という
言葉は存在していなかった。

戦前は「人事」と書いてひとごとと読ませていたのが、「じんじ」と
混同するので、「他人事」という表記にしたらたにんごととして
読まれるようになったという説を見たことがあるような
気がする。現在ではマスコミにおけるひとごとは「ひと事」と表記するそうで「たにんごと」はアナウンサーは用いないそうだ。

私のように諦念に走るのではなく、一言をと思われるなら
警視庁生活安全課宛にどうぞ。

それで余計なことを思い出してしまったが、随分昔、朝日新聞の
コラムに言葉の間違いではなかったが事実誤認があったので、
電話したら女性が出て「そのコラムは社の担当ではなく、
下請けプロダクションの仕事です」とイラッとしたらしい声音で答えられ、びっくりしたこと
がある。「それを載せた本体の責任はあるでしょう?
間違った報道をしたことに、お宅は責任を持たないのですか?
読者から指摘されたら、まずはお礼。次に”プロダクションのほうに
早速伝えます”がお答えだと思いますが?」と今なら言ってあげる
根気があるが、若かったのでびっくりしたまま切った。

警視庁の生活安全課が言葉の誤用を指摘され、どう反応するか
実は興味がなくもない。


3 コメント

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Unknown (けいと)
2019-03-08 00:01:17
私は「ひとごと」と知っているのに、「他人事」の文字を目にすると「たにんごと」と読んでしまい、いやいや「ひとごと」だよ、と自分に言い聞かせるということを頭の中でやってしまいます。だいぶ毒されているようです。

関係あるような無いようなことなのですが、ちょっと書かせてください。

先日、私の後ろを歩いていた女子学生二人が試験勉強の話をしていて、「後は『あんきぶつ』だよ」というのが聞こえました。
「あんきぶつ?」しばらく考えて「暗記物」のことだと気づいたのですが、私は「あんきもの」と言うけどな・・・と思ったのです。

「あんきぶつ」が間違っているのか、それともどちらでもいいのか、わからないのですが、なにか気持ち悪いと感じます。

三文字でも湯桶読みというのでしょうか。
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検閲 (美しい日本)
2019-03-08 02:18:26
井沢先生  こんばんは

誤用とは違うのかもしれませんが、
以前、朝日新聞の記事で誤字を見たことがあります。
新聞社の場合、校閲記者がいるのに、こんな事もあるのだなと不思議に思った事を記憶しています。


たまたま、誤字と思われる例がありましたので、ご参考に(雑誌社の場合、校閲記者はいないのでしょうか)。
複数の媒体で同じ表記になっているので、
引用元の記事を書いた、光文社側の間違いであると思われます。

>「小室さんは文書の発表にあたって、眞子さまにその狙いを説明していたはずです。
〈中略〉
つまり借金トラブルを草々に解決し、国民の支持を得るという“2つの公約”を掲げたのだと思われます。
〈後略〉」

草々に解決し → 早々に解決し
の間違いですね。


小室圭さんが2つの『公約違反』をして眞子さまは失望か 秋篠宮さまは問題に昨年言及
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12268-210829/

小室圭さんの「戦略ミス」を元検事の弁護士が指摘「立証難しい」
http://news.livedoor.com/article/detail/16118378/

小室圭さん「2つの公約違反」スピード解決計画も次々裏目に
https://news.infoseek.co.jp/article/joseijishin_1717417/
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どんどん変な感じに変わっていて本当に気持ち悪いです。 (48)
2019-03-08 02:47:37
 先生、こんばんは。いつも良い記事をありがとうございます。他人事、私もいつも気になってました。他に気になってるのが「やられる」です。以前は若い人が敬語のように使っていて気持ち悪くて驚いたのですが、最近はかなり年配の人やテレビの出演者でも格式がおありの方まで使っていて、もう日本も終わりなのか?と思ってしまいます。「やられる」って言われて気持ち良い人がいますか?昭和では特に刑事ドラマでは「やられる」は「殺人・強姦」の代名詞だったと思いますが、今は敬語として使ってる頭のおかしな輩が多くてげっそりします。どうやったら直してもらえるんでしょうね?一番最近はずっと尊敬してた日本の古典芸能の野村萬斎さんが「やられる」を敬語のように使った瞬間に野村さんまで変な目で見てしまうようになりました。
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