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井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

喪に服す

2019年06月30日 | 日記

政宏くんに約束したことでもあり、ごく個人的にしばらくは高島忠夫氏の供養をしつつ、喪に服していたく、そんな心境で刺々しい外交問題を書く気にも今日はまだなれず。

懸念されていた台風の影響を直接には受けず、大阪におけるG20が無事、それも成功裏に終了して国民の一人として、ほっとしている。

G20が暮らしに不便を強いられていやだ、という意見のあることに辟易とした、と書いたが蓋を開けてみれば、トランプ大統領にエールの旗を持ち出す人たちまでいて、ホテルを出るトランプ大統領をひと目見ようと、数千人に及ぶ市民たちが集合したようだ。何時にホテルを出るか、伏せられていたようだが、米国の官報のごときものをチェックすると出と入りの時間が把握できるそうだ。と、詳しい人はそう言っていたが、お祭りとして浮き立っていた人たちも多いのだろう。


記者たちをもてなすブースもたいそう充実して楽しげに設えられていたようで、これも中国での開催時に比べ、日本側のもてなしが激賞されているようだ。

ところで、今この時点では産経新聞による報道のみで、前後関係が確認できずにいるのだが「半導体材料の対韓輸出規制」に政府が踏み切るというのだが、もし事実なら、日韓関係を塞いだまま動かなかった政治の回転扉がやっとゆっくりと回り始めた、ということだろう。

 


高島忠夫さんを悼む

2019年06月28日 | 日記

昨日、高嶋政宏くんのことを書いた早々に高島忠夫さんの訃報に
今朝接した。

高島忠夫さんが高嶋家のキッチンで、玉こんにゃくを煮ていたら政宏くんが
「そういうの井沢さんが好きなんだよね」と言ったそうで、
「おお、じゃあ届けて差し上げよう」と、鍋ごと拙宅に
届けてくださったのが、もう遠い昔のことである。
生憎、留守居の者もおらず隣家に預けていてくださった。
お礼を直接申し上げられなかったのが、悔やまれる。

母上の寿美花代さんには、政宏くんと出かけた何か東宝映画の
試写会の席でお目にかかった。


鬱病に苦しまれ、大変そうなことは政宏くんから
漏れ聞いていたが、パーキンソンまで患われていたことは
報道で初めて知った。政宏くんにとっては兄にあたる
生後数ヶ月の長男が、当時のお手伝いの娘に命を奪われたことは
おそらくご夫妻ともに終生の苦しみであったかと
痛ましく思われる。

 

「暴れん坊将軍」のシリーズ再放送で毎朝、家老役の
高島忠夫さんをなつかしく拝見していた。


苦しみも多い人生であったかと思われるが、若い頃はスターとして
頂点に上り詰められ、ご家族には恵まれた。政宏くんをマッサージしながら「育て、もっと大きくなって稼いでこーい」と冗談を言っていらした、という
逸話を今ふと思い出した。なくもなかった若い頃の艶聞も政宏くんから
聞いたことがある。政宏くんが寿司屋に入ったら、実は若い頃
お父さんと・・・・と打ち明けられたというのだ。こういう時の
息子はどんな顔をして聞けばいいのだろう。政宏くんは
「おやじの勲章」という感じで語ってくれた。


人生の軛(くびき)から解き放たれ、魂だけの自由な世界に今はいらっしゃる。四十九日以後は、広い世界に更に旅立たれるのであろう。
ご冥福を慎んで祈りたい。

・・・・・メールでなんだか、とは思ったが取り急ぎ弔慰を伝えたく、政宏くんにメールを出したら「幕が降りました」と返信が来た。私は「幕が下りた」というよりも、魂を磨くためのこの世での修行からのご卒業と感じている。そう書いてまた出した。四十九日間は私も折りに触れ、祈りたい。
高島忠夫さん、本当にありがとうございました。

 


年上の女

2019年06月28日 | 日記

フランスのマクロン大統領については、昨日G20に先立って安倍総理と会談、イランの核開発を制限する2015年の核合意維持の重要性を共有した、ということと北朝鮮による拉致問題の早期解決に向けた連携に合意したという最新の報道を読んだくらいで、大統領について何か述べるほど知識を持たない。

私が興味を覚えるのは、その生涯を貫く年上の女性への恋である。
フランスで年上の女性相手の恋と言えば、「愛の讃歌」のエディット・ピアフとギリシャ人青年テオ・サラポのカップルが知られるが、その年齢差は27歳、マクロン大統領と夫人との年齢差は25歳である。

出会いはマクロン氏(以下敬称略)が高校生だった頃、夫人が仏語の教師だったのだが、マクロンは16歳で、この40歳の教師ブリジットに恋心を告白している。この時ブリジットは既婚者で3人の子供たちがいた。
上の子はマクロン少年と大して年が違わないという、シチュエーションであり、ドラマでもなかなかハッピーエンドには持っていけない。

しかし、長い歳月を経てついに二人は結ばれる。「あなたが何をしようと、僕はあなたと結婚する」と口説かれ続けたブリジットがその熱意と誠意にほだされた。G20の報道で、もしブリジット夫人が映るならメディアはこの逸話に触れるだろうか。トランプ大統領夫人のようにスポットライトが当たることはないかもしれなし。
もし大統領が夫人同伴なら私はたぶん、じっくり見る。
若々しいが夫人が80歳の時にマクロンは55歳という現実に直面することになるが、もはや姿形は超越した間柄であろうから、世間的常識は余計なお世話というものであろう。

ブリジットには先夫との間に子がいて、孫も誕生しているがマクロンはその孫たちの面倒も見ているというから、単なる恋心はとうに越え二人にはもっと大きな愛が育まれているのだろう。

 

テオ・サラポとエディット・ピアフの結婚式の仲人役は稀代の大女優、マルレーネ・ディートリッヒであり、大歌手エディット・ピアフにふさわしい。
テオが結婚した時、エディットの財産狙いだと言われたが、その実エディットは当時、財産を使い果たしてアルコール依存症であった。
テオはエディットが息を引き取るまで付き添い、エディットが亡き後彼女の借金を一人で黙々と払い続け、払い終わると交通事故でエディットの後を追うようにこの世を旅立った。

パリ市街がそれまで交通渋滞に悩まされたことはなかったというが、エディットの死を悼むパリ市民がパリの街のあちこちに溢れ、交通が遮断されたという。この日、エディットの親友であったジャン・コクトーもまた死んだ。
終生男性と恋をしていた大詩人であった。

マクロン夫妻の生涯を貫く絆を垣間見つつ、以前から私の物書きとしてのアンテナが察知するのは、時代はゆるやかに年齢も性差もないボーダレスな愛の時代へと移りつつあるのではなかろうか、ということだ。常識の矮小な枠を外しての、魂としての伴侶を求める人が徐々に増えて来るであろう。社会制度としての、種の保存としての結婚は主流で残しつつ、傍流がしかしいずれは大きな流れになるかもしれない。

美輪明宏さんが「愛の讃歌」を歌う時、エディットが時にステージに現れることがあるそうだ。「黒蜥蜴」を演じる時は三島由紀夫が。この人は女性と同性を共に愛する人だった。黒蜥蜴で明智を演じていた高嶋政宏くんが三島さんの姿を舞台の袖に見かけ、美輪さんにそう告げたら「今日は三島さんの命日だよ」と言ったという逸話を聞いた。
高嶋くんが男には珍しい霊的感受性が高いことは、付き合いのある私も承知している。お付き合い範疇にある方で言えば岩下志麻さんが、感性の強いタイプでご本人からそのたぐいの逸話を聞いたことがある。

G20は極めて政治的な駆け引きの場であるが、その背後に一つの長く続くロマンスがあることを知っていてもいいかもしれない。物書きとしては妻に去られた元夫の存在も気にかかるが、恋敵が一国の大統領に上り詰めた男であるなら、元夫も男として勲章を得たようなものであろう。
漠然とした勘でしかないが、再婚してそれなりに幸せな家庭を営んでいるのではあるまいか。

 


大事の前の些事

2019年06月25日 | 日記

冷え込んだかと思うと暑くなり、体調を崩されている方もいらっしゃるのではないだろうか。

来年の東京五輪の、そもそも招致に当たっての不誠実・不明朗に加え、その後の金銭的乱雑さ胡乱さ、湿気と熱射の街と化す時期の開催に異議を唱えているうちにチケットが売り出され、当たった当たったという歓喜の声がテレビから聞こえ、今更アンチ五輪を表明しても野暮ったいだけなのだろう。少なくとも私の身の回りの人たちは、さして興味も示さず冷めているのでテレビで流されている光景はパラレルワールドのようである。

どんな卓越した暑さ対策がなされるのかと思っていたら、せいぜいミストと菅笠、打ち水。東京と開催地を競ったマドリッドが今月41度に達した日が数日
あるそうで、湿度が違うので単純比較は出来ないがあちらで開催されていても
暑さ対策が大変だったのだろう。妙な時期の開催は、アメリカのマスメディアの都合でしかないのだが。

暑いさなかの、五輪の最中は街もあちこち不自由をかこつ状態となるのだろうが、それはお国の行事として耐えることにするが、しかし呆れたのがG20が開催される大阪のおばさんたちの「迷惑や、うちら何の関係もあれへんやんなぁ」と口々に陽気に言い放つさま、あるいはこういう面白げな人たちばかりの声を流しただけなのかもしれないが、げんなりした。日本国の外交は決して「何の関係もあれへん」ことはない、巡り巡っていずれ個人を直撃するものを、と言うのも野暮であろうか。
トランプ大統領の大相撲観戦の時も同じく「迷惑」と口にする人がいて、本当のファンにはいかにもそうなのであろうが、しかし日米関係がへたれれば相撲どころの騒ぎではないのに、とこれも言ってみても虚しいか。

折しも、どうやらトランプ大統領の「本音発」でいびつな日米安保の解消もしくは、在日米軍の駐留経費の日本全額負担要求やらが聞こえて来る。
日本に基地があることはアメリカにもメリットがあるので、全額負担はお断りしたいが、しかし日米安保が片務的だと指摘されれば、言い返しもならず。

もりかけ問題に続いて今度は年金問題が国会の政争の具となり、それらが大した問題ではないとは言わないが、国の基軸に関わる憲法改正が遠のくのが危ぶまれる。

米の駐留軍が引き上げ日本が丸腰になった時、憲法改正反対の人たちはどうするつもりなのだろう。殺すぐらいなら殺されよ、という極論を言う人達もいるが、それは大人の論理であり、そこに赤ん坊子供たちを巻き込む権利はなかろう。

核武装と先制攻撃が何より平和を守る手段であるという、どうしようもないパラドックスの中にいるのが私たち現代人である。

 

 


ノーベル賞狙いの北欧なのか、文在寅大統領

2019年06月18日 | 日記

文在寅大統領が6泊8日もの予定を組んでフィンランドとノルウェー、
スウェーデンの北欧3カ国を訪問という記事を読み、G20を目前に
日本との見せかけだけでも関係立て直しをせねばならぬ時に
のんきな? といぶかしかったのだが、ノルウェーのオスロ大学で
「朝鮮半島平和構想」について語るという、その「平和」の
文字に、あ、ノーベル平和賞狙いか、とふと。

想像に過ぎないが、ノーベル賞発表が10月だ
いうことを考えれば事前アピールなのか。シンガポールでの
朝米首脳会談1周年という節目でもあり、
それなりに辻褄が合う。

フィンランドはたぶん「ついで」でノーベル賞に関わるノルウェー、
スウェーデンが本命なのではないか。

ノルウェーとスウェーデンは同君連合を解消して久しいが、授与機関として
確か両国は連携しているのではなかったか。

ノーベル賞も平和賞に限っては、過去の選考基準が必ずしも
ピュアではないが、それにしても北の核放棄に持って行けてはいない、
どころかその北に罵られている状況では、文大統領への授賞は
あり得ないと思う。


韓国大統領が末期に辿るお定まりの凋落を避けるに、ノーベル賞受賞は
大きなる救済ではあり文在寅大統領は真剣なのかもしれないが、
受賞の可能性はまずゼロに近いのではないか。

 

同君連合については、私は雑駁な知識しか持たぬが、
二国が同一の君主を戴いて連合することであり、
17世紀のイングランドとスコットランドでジェームズ1世を
共に戴いたのがその例である。