ちょっとした絵(?)日記

思うところをつらつら書き並べているだけです。深い意味のない場合が多いですかね?

経営状態が安定してきた時こそコスト削減の努力のできる時・・・。その2

2015-12-02 11:30:54 | 世相

http://blog.goo.ne.jp/maniac_club/e/b809ac464a?fm=entry_awp

の続き・・・。

経費の性格にには幾つかの種類がある。売上に伴って増減する変動費。売上に対して一定の割合を占める固定費である。
経費削減で一番ターゲットになりやすいのは”固定費”である。資金繰りの観点から見ると売上が十分あるときにはその支払いに余裕があるが、売上が減少したときにはその支払いが資金繰りを圧迫する。実際、その通りなのだが・・・見落としがちなことがある。

・・・売上が増加すると変動費も比例して上昇するといういうことである。

しかも、変動費は売上高に比例して上昇するわけではなく、景気の上昇期には変動費の変動割合は売上高の上昇線以上の上昇をする場合がある。
・・・原材料や仕入れ価格などの上昇がその原因である。

身に憶えのあるかたも少なくはないと思うのだが、数年前に請け負った仕事が今、足手まといになってはいないだろうか?

経営が成り立たないという言葉を聞くと思うが、厳密には事業そのものが成立しないと言うことではない。
”資金繰り”の目処が立たないということである。

資金余力の生み出せる売上=利益率の高い売上と一般には考えがあると思うが、利益率を高めるためには売上高を向上させる、費用を低減させるというふたつの方法がある。先に指摘したが、数年前に受注した仕事が足手まといになるケースと言うのは、単価の切り上げができないにも関わらず、仕入や原材料価格が上昇していることに原因がある。

下請けや孫受け企業にとっては取引価格に物申すことはできないと言われればそれまでなのだが、多くの中小企業の抱えるジレンマがここにある。
景気減退期の資金繰りを賄うための仕事の確保が結果的に景気上昇期において生産の為のリソースを奪い、本来の生産力から生み出せる生産量(=売上高)を低減させる。つまり、あるべき資金を喪失させてしまうのである。

これは財務諸表に現われることはない。前エントリーで景気後退期に利益を上げていた企業が景気上昇期に経営を悪化させる現象を生み出す一つの要因である。

今のアベノミクスの量的緩和において、末端への波及が及んでいないと”感じる”原因はここにあるのではないかと考えられる。(一つの要因ではあるが・・・)

この解決策は”適正価格”への変更しかないのだが、中小企業・・・下請け、孫受けにとって元受や親会社の意向を無視することは出来ない。(難しいではない・・・まさに出来ないのである。)
日本の慣習として、一度設定した価格の改定というのは非常に難しく、改定を申し出ることで仕事を失うという恐怖から経営者も乗り出しにくい。

バブル以前の”日本型の経営”はとかく否定されがちなのであるが、今の世界的な経済環境においてはこの否定されている”日本型の経営”が生きる面というのは少なくはない。ただ、このような”価格決定”・・・実際には価格改定については歓迎すべき慣習とはいえない。
経営者にとって価格改定による”仕事の喪失”は”資金繰り”の悪化に繋がるわけであるから”経営面”から考えるべきことではあるのだが・・・。

このような構造を一部の識者などは「下請けいじめ」と称するのであるが、最終製品を自社ブランドで市場に送り出す企業などが大きく利益を上げているのかと言うかと”会計上”は内部留保や利益が上がっていても、利益や内部留保の金額がそのまま現金として存在するわけではない。

まず、内部留保については様々な準備金。法定準備金など法で定められた割合を維持しなければならないのだが、それが全て現金勘定である必要はない。貸借対照表上、準備金は借方勘定の資本の部に存在するが、それに対応するのは貸方勘定である資産になる。資産は現金や売り掛けなどの流動性の高い流動資産、建物などの換金化が比較的難しい固定資産などになるが、この貸方かと借方が均衡になっているだけで実際の準備金が即、現金などで備蓄されているわけではない。

次に利益であるが、「利益=売上-費用」といった場合は、費用の中に営業性の費用のみで算出する営業利益、営業利益から営業外の費用をも差し引く経常利益とされることが多いのだが、企業の最終利益は経常利益から特別損失など差し引いたものである。

ココまでは会計上の話なのだが、企業の納付する”法人税”は更に複雑になる。最終利益を基にして、会計上は費用とされるが税法上は費用と認められないもの・・・損金不算入というが、一部費用が課税対象になる。(会計上は利益とならないものが税法上は利益となる場合も稀にある。)

余談であるが、現在法人税の実効税率引き下げ論議があるが、あの引き下げ立は国税である法人税を中心とした論議で、国税(給与所得者でいう所得税)とは別に市町県民税にあやる事業税もある。

話が横道に逸れたように思えるが、この法人税、法人事業税というものも資金繰りの圧迫要因となる。先に貸借対照表で説明したとおり、内部留保が必ずしも現金などで構成されるわけではないのと同様に”納税金額”と同額が現金などで存在する企業というのは多くはない。
輸出がメインの企業などは売上額が為替レートの関係で変化するが、円建て取引でもない限りは現地通貨→ドル→円というでの円にせねばない。(最近はあまり聞かないが、納税時期に若干の円高になったりするのは各企業が所有する通貨を円に換金するため)

・・・トヨタのように何千億円という法人税を現金で納付できるということは驚かねばならないことではある。

納税は現金だけではなく、小切手や短期の手形でも受け付けてくれたように記憶しているが、結果的には納税に伴う資金が必要となることには変わりはない。そこで、資金の流出を押さえるために”節税対策”と呼ばれる対策がおこなわれるのであるが・・・この”節税対策”も資金繰りに大きな影響を及ぼす問題のあるものであることを次のエントリー化期待と考える。



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