そこは文字通り北海道の真ん中であった。
狭い谷の底で、そちらを見上げても原生林にビッシリ覆われた山が立っていた。
岳樺(だけかんば)
空が晴れて、木の隙間からオプタテシケが見えた。
立派な山である。
続いてその右にトムラウシが現れた時には、私は固唾をのんだ。
反対側には、
音更(おとぷけ)、石狩、ニペソツの山々が、いかにも深山の感じで連なっていた。
トムラウシの山頂は、大きな岩の積み重なりであった。
標高2141メートル。北海道第二の高峰である。
霧ばかりでなにもみえなかったが、それでも念願の山の上に立った喜びは充分であった。
昨日登ったトムラウシの岩の肩を張った姿から眼が離せなかった。
そのゴツゴツした厳つい山容と対照的に、
反対側には、美しく整った三角形の旭岳が、北海道の最高峰の威厳と品格でそびえていた。
トムラウシ付近はいちばん熊の多いところとされている。
天人峡隠田に近づくと、深い谷を距てた向こう側の、
柱状節理のすばらしい断崖に、美しい滝がかかっていた。
羽衣ノ滝という。
上から下へ落ちるまで、途中に滝壺が九つも数えられるような。長大な滝であった。
狭い谷の底で、そちらを見上げても原生林にビッシリ覆われた山が立っていた。
岳樺(だけかんば)
空が晴れて、木の隙間からオプタテシケが見えた。
立派な山である。
続いてその右にトムラウシが現れた時には、私は固唾をのんだ。
反対側には、
音更(おとぷけ)、石狩、ニペソツの山々が、いかにも深山の感じで連なっていた。
トムラウシの山頂は、大きな岩の積み重なりであった。
標高2141メートル。北海道第二の高峰である。
霧ばかりでなにもみえなかったが、それでも念願の山の上に立った喜びは充分であった。
昨日登ったトムラウシの岩の肩を張った姿から眼が離せなかった。
そのゴツゴツした厳つい山容と対照的に、
反対側には、美しく整った三角形の旭岳が、北海道の最高峰の威厳と品格でそびえていた。
トムラウシ付近はいちばん熊の多いところとされている。
天人峡隠田に近づくと、深い谷を距てた向こう側の、
柱状節理のすばらしい断崖に、美しい滝がかかっていた。
羽衣ノ滝という。
上から下へ落ちるまで、途中に滝壺が九つも数えられるような。長大な滝であった。