プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

レファレンスサービス

2011-08-28 23:57:16 | 小ネタ






「……………あ、レイちゃん?」
「えっ………あ、亜美ちゃん」
「こんにちは。図書館でレイちゃんに会うなんて珍しいわね」
「まあ、私も久しぶりに来たわね。学校の図書室は使わないことはないけど、公共の図書館ってわざわざ足を運ぶことはあんまりないから」
「そう?確かに借りてもわざわざ返いに来なきゃいけない手間はあるけど、本屋と違って古いものや貴重な資料もあるし、静かで涼しいし、調べものをするにはいいところだわ」
「調べものって……小説を読むんならともかく、今はパソコンで何でも調べられるんじゃないの?私は機械苦手だしうちにパソコンないからここに来てるけど、亜美ちゃんだったら」
「パソコンは確かに便利だし私も結構使っているけど…もう情報が錯綜してるし、信頼できない情報も多いし…あと、私の場合単純に本をめくる方が頭に入りやすいの。勿論パソコンをうまく使いこなす人はたくさんいるから、好みの問題ね」
「へぇ…」
「あと、明確に○○の部分だけが知りたい!とかそういうものだったら確かにパソコンでもいいと思うのだけど、答えが漠然としているものや、答えだけじゃなくて回答に至るまでの過程が知りたいってこともあるでしょう?パソコンだと回答一直線っていうことが多いし……それに、辞書や図鑑でもそうなんだけど、パソコンや電子辞書なら一発で知りたいところに行けるけど、本だと自分でページをめくらなきゃいけないから。そういう手間を経ると内容が頭に残りやすいし、めくってる間のページで思いがけず興味深いことが見つかったり、隣のページの内容も頭に入ったりするメリットもあるの。そういう意味でも、私は調べものは本を使うのが好きなのよね」
「なるほど。亜美ちゃんらしいわね」
「そういうレイちゃんは何か調べてるの?」
「え…いや、その」
「さっきパソコンが家にないってわざわざ言ってたってことは、ここに来たのも小説を読みに来たんじゃなくて調べものでしょう?良かったら手伝うわ」
「あ…えっ………」
「レイちゃん……これ、料理の本ね」
「…………………………………」
「何か、したい料理でも?はっきりどういう料理を作りたいか分かってたら、レシピだったらパソコンでも調べられると思うけど」
「………特に何がしたいってわけじゃないわ…何か、私でも作れそうなものがあったらって思っただけ」
「それって………もしかして、まこちゃんに」
「……そんなんじゃないわ」
「そう?」
「…料理は、できないよりできる方がいいって思っただけよ」
「それは、『答えが漠然としている』ものね。でもそれって、できたら喜んでくれる人がいるからそう思ったんでしょう?」
「あ、亜美ちゃん!」
「ふふ、ごめんなさい。出過ぎた真似をしてしまったわね。でも、料理も、確かにレパートリーが増えると楽しいし、それを喜んでくれる人がいるのは嬉しいわよね?あくまで一般論の話だけど」
「…そうね」
「で、今度は私が考えてることだけど、その…まこちゃんもレイちゃんが料理作ってくれたらうれしいんじゃないかしら?」
「………それは……分からないわ」
「そんな、きっとまこちゃんなら喜んでくれるわ」
「…………その…私だけじゃないとはいえ、いつも料理作ってくれるから、申し訳ないとは思うんだけど…だからってまことが作ったものに比べるとどうしても自分の腕に自信がないし…レシピのレパートリーもあの人に比べると全然少ないし」
「レイちゃん…だから料理の本調べに来たの?何かいい料理ないかって」
「……………………………………」
「レイちゃん…まこちゃんの料理は確かにとってもおいしいし、見た目もきれいだし、レパートリーも多いけど、だからってレイちゃんが無理をして背伸びをしなければならないってことにはならないわ。絶対にまこちゃんはレイちゃんの料理ならなんでも喜んでくれる」
「…………そんな、こと」
「私だって………美奈に料理作ってもらったら嬉しいもの。たとえ多少失敗してたって、美奈が私のために作ってくれたって思ったらそれだけで十分だから」
「……え、それは嘘でしょ」
「う、嘘じゃないわ」
「亜美ちゃん…目が泳いでるけど…」
「嘘じゃないわ…………ええ、ほんとに嘘じゃないわ」
「…………………………………」
「食べた直後トイレに立てこもってしまったこともあったし…鼻から謎の青色の汁が二時間くらい出続けてきたこともあったし…血尿が二週間くらい続いたこともあったけど…実は血尿は今朝ようやく治まったとこで…それでも」
「えー……」
「だからレイちゃん、自信持って。人間って、多少失敗した料理を食べたところで死んだりしないわ。愛は最高の調味料っていうし、この人に振る舞ってあげたいって気持ちさえあれば」
「……すごい教訓ね」
「だからって、私はレイちゃんの言うことが取るに足らないことだなんて思わないわ。悩みはもちろん人それぞれだし、自分の彼女の料理が上手だから困るなんて贅沢すぎるとか、是非とも変わってほしい、とか思ったりしてないから」
「……………なんか、ごめんなさい。ほんとごめんなさい」
「そんな、レイちゃん、謝ってもらうことなんか何もないわ。せっかくだし私も一緒にまこちゃんに喜んでもらえるような料理を探すお手伝いをさせてもらえるかしら?答えが漠然としてるものは、それこそ目を変えてたくさん資料に目を通した方がいいだろうし」
「あの………亜美ちゃん。せっかく言ってもらって悪いけど…もう、いいわ」
「そう?」
「私にも全くレパートリーがないわけじゃないし、まずはそっちで勝負するから…うん。どんな資料より亜美ちゃんの言葉が参考になったわ……」
「そんな、大したことを言った覚えはないけど…レイちゃんがそれで納得っていうのなら。じゃあ、私は自分の調べものに専念しようかしら」
「そういえば…亜美ちゃんの調べものって?」
「私の調べものも『答えが漠然としている』ものなの。だから、もしよかったらレイちゃんにも手伝ってもらえたらうれしいわ」
「え、それは構わないけど…私が亜美ちゃんの役に立つかどうか…私、図書館の検索の機械の使い方もよくわからないくらいだし」
「大丈夫。答えが漠然としすぎて検索機にかけづらいものだから、目と手と足を使ってくれたら」
「何を調べるの?」
「美奈の料理を食べても平気でいられる体を手に入れる方法」
「…………………………………………」
「医学書から、体を鍛えるという観点から見ればスポーツ学や、気功学とかいっそ宗教的なものも絡んでくるから…一人ではちょっと骨が折れそうで」
「………………どんな雑用も引き受けるからこき使ってください……………」







               ***************************


 天下の美少女戦士に血尿出させるサイト、プラマイゼロ±。誰得にもならんことが最近却って清々しいです(ドヤッ)そして食べない選択肢はない水野のイケメンぶりに乾杯&完敗。

 図書館ではあんま喋っちゃいけませんよー。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  | トップ | 慣れない仕草 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小ネタ」カテゴリの最新記事