プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

ピンチはチャンス

2018-06-14 23:59:56 | 小ネタ






「よ、おはよ、亜美ちゃん。早いね」
「・・・・・・・・・」
「・・・亜美ちゃん?」
「・・・・・・・・・」
「亜美ちゃん!?どうしたんだ!?」
「・・・はっ、ま、まこちゃん!おっ、おはよう・・・」
「あ、よかった。亜美ちゃん、靴箱の前で固まってるから・・・どうしたのさ、具合でも悪い?」
「なっ・・・なんでも、ないの」
「なんでもないってことないだろ。亜美ちゃん、顔真っ赤だよ?熱でもあるのか?」
「ほ、ほんとに、なんでもな・・・」
「亜美ちゃん、ジンマシン出てるよ・・・まさか・・・あ、やっぱり、靴箱に手紙が。亜美ちゃん、これ、ラブレターじゃ」
「ま、まだラブレターと決まったわけじゃ・・・!もしかしたらほかの手紙かも・・・請求書や脅迫状かもしれない、し」
「封の部分にハートマークのシールついてる請求書や脅迫状なんて悪趣味すぎるだろ・・・というか、亜美ちゃん、そんなものもらう覚え、あるの」
「CIAかFBIか・・・いやMI6かも・・・」
「亜美ちゃん普段なにやってんだよ・・・」
「か、可能性があるとしたらそこかしらって・・・でも、ハッキングしてデータを見た証拠は残していないはず・・・」
「亜美ちゃん、落ち着いて。あたし詳しくは知らないけど、たぶんそういうところは高校の靴箱に脅迫状なんか入れないから」
「・・・だって、ラブレターをいただくほうが、よっぽど覚えがないんだもの・・・」
「あのねえ、亜美ちゃん、そういうこと言うのは、手紙を出してくれた人に失礼だよ。亜美ちゃんかわいいしやさしいし、好きになるやつがいるの、あたしもよくわかるし」
「ごめんなさい・・・その、気持ちは、確かに、うれしいわ。好意を持ってもらえるというのは」
「そうそう。実際にお付き合いするとか、そういうのとは別でね。ま、とにかく読んでみなよ」
「えっ、今!?」
「そういうのは早く読んであげなって」
「で、でも、こんなところで」
「万が一でも脅迫状をもらう心当たりがあるなら、そうじゃないってことだけでも確かめなよ」
「じゃ、じゃあ、どういうお手紙か、だけ・・・」
「うん。そうしなよ。あ、別にあたし、内容見ないし聞かないから安心して。ラブレターでも脅迫状でも、亜美ちゃんが危なくないか心配なだけだし」
「わ、わかったわ。ありがとうまこちゃん」
「(しかし、これ送った人、亜美ちゃんから脅迫状の方がマシだと思われてるなんて思わないんだろうな・・・)」
「・・・突然こんなお手紙を差し上げてごめんなさい、驚かれた事だと思いますが以前から水野さんが・・・・・・うーん、いまいちね」
「なっ!?」
「みっ、美奈!?」
「おはよう、亜美ちゃん、まこちゃん。いい朝ね。ところで亜美ちゃんこの手紙」
「い、いつの間に見たの・・・!?いったいどこから・・・!」
「ふぉーっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ。あたし視力2.0ぶっちぎってるから、靴箱の裏からだろーがよゆーで見えるのよ」
「わ、私は眼鏡かけてもそんなに視力ないのに・・・!」
「亜美ちゃんなにに対抗意識燃やしてるんだよ・・・というか、美奈、視力がいくつか知らないけど人宛の手紙勝手に見ちゃだめだろ」
「あら、亜美ちゃんにラブレターなんて、この愛の女神が知らないでどうするのよ。ふふふ」
「ああ、やっぱりラブレターだったのか。まだ脅迫状じゃなくてよか・・・・・・って、亜美ちゃん!さっきより顔赤いしいっぱいジンマシン出てるぞ!?だいじょうぶか!?」
「だっ・・・だいじょうぶ、だから・・・まだ・・・ちょっとかゆいだけだから・・・」
「あら、亜美ちゃんいつもの発作ね。かわいそうに・・・かゆいなら、全身余す事なくかきむしってあげましょう。この愛の女神の指先のテクニックでふふふ」
「だっ・・・だめ、かいた、ら、血が出ちゃって・・・うっ、げほっ、ごほ、ごほ」
「亜美ちゃん、どう見てもだいじょうぶじゃない・・・!保健室っ・・・」
「やだ、亜美ちゃん、苦しいの?ならこのあたしが直々に息を吹き込んであげるから・・・ふふふ」
「き、金星の空気は二酸化炭素率が高いから・・・だめ・・・」
「(亜美ちゃんの美奈に対する人工呼吸の断り方が斬新すぎる・・・)
「かわいそうに、あたし以外から貰ったラブレターが嫌すぎてそんな風になって思ってもいないうわごとまで言っているのね。なら、保健室に行きましょう。ずっと手をつないで添い寝してあげるわね。だいじょうぶ、なにもこわいことはないのよ」
「なっ、そっ、あっ・・・・・・た、たすけ・・・・・・・・・」










「・・・・・・ちょっとまこと、神社に来るのはいいけど、ずっとうなだれるのやめてくれない」
「言うなよレイ。あたしはあの場で助け船を出すべきだったのか、未だに考えてるんだ・・・」
「亜美ちゃんがラブレターもらって美奈に引っ張られた件?あなたに責任があるわけじゃないし、いつまでうじうじしてるのよ」
「でも、あたしは人として亜美ちゃんを助けてあげるべきだって、思ったんだ。あんなに苦しそうだったんだから。でも、美奈の、ピンチをチャンスに変えるってああいうことなんだなあって思ったら、それを否定するのってできなくて」
「ピンチをチャンスって、ラブレターを貰ったのは関係的にはピンチだけど、そこで出たジンマシンをかきたいとか、息が苦しそうだから人工呼吸したいとか、そういうのがチャンス・・・」
「だって、あたしはレイが誰かからラブレターもらったの見て、あそこまでたくましく振る舞えないよ。か弱い乙女だからひとりでこっそり泣いて終わりだよ」
「か弱いって、誰が・・・?」
「あたしか弱いから」
「ああそう」
「だって、ほんとに亜美ちゃんの覚醒ぶりはすごかったんだよ」
「・・・・・・え?」
「あたしは美奈を止められなかったんだけど、亜美ちゃんは亜美ちゃんで引きずられるみたいに保健室に行くのこわくて嫌だったんだろうね。美奈をふりほどいてボールペンぶん投げたの」
「・・・亜美ちゃんのボールペン投げって、監視カメラ壊せるって聞いたことあるんだけど」
「そう、あたしも聞いたことあったけど、実際に見たの初めてだからもうびっくりしちゃって。あんなに華奢なのに。で、美奈の運動神経だから結局それは美奈には当たらなかったんだけど、すぐ近くにいたやつの近くを掠めて・・・で、そいつが実は亜美ちゃんにラブレターを送ったやつで」
「ああ、近くで見てたの」
「で、そいつもそんな亜美ちゃん見てびっくりしたんだろうね。自分からラブレター送ったくせにその場でラブレターひったくって考え直させてくれって逃げ帰っちゃって、亜美ちゃんのジンマシンもそのあたりで落ち着いてきて」
「じゃあ、ほんとにピンチをチャンスに変えたのって」
「そう、亜美ちゃんのほうなんだよ。すごいよね、息するのも苦しそうだったのに、結局はうまいこと苦手なラブレターを処理できたんだから」
「じゃあ、どうしてまこと、そんなに落ち込んでるのよ。亜美ちゃんは無事だったんでしょう」
「あたしが最初っから亜美ちゃんがあそこで手紙を読むのを勧めていなければ、美奈も、ラブレター送ったやつも、チャンスを逃さずに済んだのかなあって思ったら」
「もとは、脅迫状かどうかだけ確認したかったんでしょう?そこまで責任感じる必要ある?」
「でも、あんなものを見たあとに今ここで見つけちゃってな・・・・・・レイ宛の、誰かからのラブレターらしきもの」
「・・・・・・え!!?」
「本殿のとこにあってね。誰か置いていったんだろうね。ハートマークで封してね、火野レイ様って書いてあってね・・・・・・いつもだったらあたしか弱い乙女だから落ち込んで泣いて終わりなんだけど、あんなもの見ちゃったらさ・・・あたしも行動を起こしてピンチをチャンスに変えるべきなのかなって・・・考えてて悩んでて」
「(ここで一番ピンチなのってどう考えても私なのでは・・・霊感使ってもチャンスが見いだせなくていったいどうしたら・・・)」







                      *********************************
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 団地のいとなみ | トップ | ユニバレポ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小ネタ」カテゴリの最新記事