プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

団地のいとなみ

2018-06-07 23:59:43 | 小ネタ







 団地妻美奈子とリーマン水野。




「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・すー」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・すー」
「・・・・・・・・・」
「・・・んー・・・・・・はっ」
「・・・あっ、亜美ちゃん、起きちゃったかぁ・・・」
「えっ、み、美奈・・・?な、なにして・・・どうして下着姿なの?」
「えーっと、夜這い?」
「よ、よば・・・!?」
「せっかく結婚したというのに、亜美ちゃんが手を出してくるのを待ってたら埒があかないと思って・・・いっそ寝込みを襲おうかと」
「なっ、なに考えてるの!?こんな深夜に・・・!」
「朝だと夜這いって言わなくない?やあねえ、お勉強大好きだった亜美ちゃんがそんな間違いするなんて。ああ、良くも悪くも中学生のときとは違うのね・・・」
「いや、そういうことを言っているのではなくて・・・そしてしゃべりながら私のパジャマのシャツのボタンを外すのはやめて!」
「外し終わったらやめるから一個外すごとに付け直すのやめてくんない!?やってもやっても終わらないなんて、賽の河原の石積みじゃないんだから!!」
「(ある意味ここすでに地獄じゃ・・・)」
「だって、亜美ちゃんいつもうつぶせで寝てるんだもの。起こさずひっくり返すの難しいと思ったけど、もうバレちゃったし今は前向いてるし、ちょうどいいかって」
「だからそういう問題じゃなくて・・・」
「ああもう、亜美ちゃんに苦労はかけないわよ。明日も朝早いの知ってるし、眠いなら寝てていいから。あたしは寝てる亜美ちゃんで勝手にやるし」
「勝手にやるしと言われても・・・ここでああそうですかって寝たら、私がひどい人になってしまわない?」
「うっ・・・」
「ど、どうしたの美奈。急に顔を覆って。具合でも悪くなった?」
「亜美ちゃんが成長してる・・・!前はひどい人になってもあたしを氷漬けとかにして寝ちゃっただろうに・・・ううっ」
「(どうしよう、ほんとに泣いてる・・・)」
「そしていまさらこんなことで喜ぶ自分が情けなくもあって泣いてるのよっ!結婚したのに!結婚したのに・・・!うっうっ」
「・・・結婚したからって、夜這いはいけないと思うの、美奈」
「そうは言ってもねえ、今のあたしの肩書き『欲求不満の新妻』なんだけど。どこのスケベビデオよ」
「新妻って言うのは・・・ちょっともう図々しくないかしら?結婚して結構経つのだし・・・」
「ふ~、いちいち喧嘩売るわね~。言っとくけど結婚して結構経つのにボディはおニューよ?なぜならば亜美ちゃんのせいでね!!!」
「うう・・・」
「と言うわけで、夜這いかけたのは悪かったから、起きてる亜美ちゃんにきちんと協力を要請するわ」
「・・・・・・今日は、だめ」
「じゃあ、いつなのよ。そのXデーは。明日?あさって?」
「・・・・・・しっ、しばらく、は、・・・むり」
「配偶者の権限において、実力、行使させていただきます」
「は、話し合いましょう!」
「話し合いはとっくにおケツレツよ。だいじょうぶ、痛くしないから」
「そういう言葉におはつけな・・・って美奈!待って、わたし、ほんとに・・・!」
「・・・って、あれ・・・亜美ちゃんを剥いたら金属が出てきたんだけど」
「だ、だからだめだって・・・」
「え、なに、この胸回りのベルト・・・まさか亜美ちゃん、上半身まで貞操帯つけてるの・・・?」
「ち、ちが・・・これは・・・その・・・コルセット」
「え?コルセット?あのドレスの中に着る?」
「そうじゃなくて、医療用の・・・実は・・・・・・ろ、肋骨が折れてて」
「は?肋骨?骨折?えっ、いつ、なんで!?だいじょうぶなの!?」
「・・・・・・少し前だけど、安静にしてれば治るから・・・でも場所が場所だけに息をするだけで痛いのよ。その、あなたが言うような事は・・・さすがに・・・今すでに苦しくて」
「そんなの知らなかったんだけど!?いったいなにがあったの・・・転んだの?」
「・・・大したことじゃないわ」
「だってあたしそんなの知らなかった!そんな亜美ちゃんが痛い思いしてるなんて・・・ぜんぜん」
「・・・手足と違って、肋骨骨折は基本的になにもしないの。生活はできているし、放っておけばそのうちくっつくし・・・」
「だからって、一緒に住んでるのに!一緒に生活してるのに!なんで教えてくれないの・・・?それともあたしじゃ信用できないの・・・?」
「し、信用してないとか、そういうわけじゃないの!ただ、心配かけたくなくて・・・」
「だから、いちゃいちゃできないとか、そういうことなんかより、そういう他人行儀なのが一番傷つくのよ!」
「美奈・・・」
「せっかく一緒に生きてるんだから、そういうことも、全部、教えて。そりゃお医者さんじゃないから怪我を治すことはできないけど、あたしは、亜美ちゃんの力になりたいの。当たり前よ、だから結婚したんだもん」
「美奈・・・そこまで思っていてくれたなんて・・・」
「亜美ちゃん、いったいなにがあったの。転んだの?でも、戦士の時ですら、そんな派手な怪我はしなかったわよね」
「それが・・・えっと・・・その」
「まさか・・・誰かにひどいことされたの」
「・・・・・・私がうっかりしてたの」
「本当の事言わないと、力ずくでも口を割らせるわよ」
「・・・ち、力ずく、とは」
「文字通り、この愛の女神の舌で物理的に口を割らせるわ。ラブアンドビューティーショック直接攻撃よ」
「わ、わかった本当のことを話すから!だから、美奈、それは思いとどまって・・・」
「・・・それはそれで残念だし結構傷つくわね」
「違うの、今、普通にしているだけでも痛むから、口を割らされたら、ほんとに苦しくなっちゃう・・・」
「ああもうわかったわよ・・・で、いったいなにがあったの」
「その・・・言いづらいんだけど」
「言いづらいって、やっぱり、誰かにひどいことされたの・・・?会社の人・・・?」
「えっと・・・あなたと寝てるときに・・・」
「・・・あたしと寝て・・・え?」
「あなたの踵が肋骨に落ちてきて・・・」
「え、あ、え?」
「その・・・普段から布団と一緒に蹴られるとか、寝返りの時にぶたれるとかはあったから、慣れていたつもりだったのだけど・・・あの日は私も疲れて熟睡してたから、踵をかわしきれなくて」
「え、じゃあ、亜美ちゃんの肋骨折ったのって・・・まさかあたしの寝相・・・?」
「・・・まあ・・・そういうことに、なる、かしら」
「じゃあ・・・肋骨折れてもずっとうつぶせで寝てるのって」
「息は少し苦しいけど、うつぶせのほうがまだ危険が少ないと思って。背に腹は代えられないから」
「あみちゃん・・・そんな事になっても今まで黙っていっしょに寝てくれてたの・・・?」
「だ、だって、せっかく家族になったのだし・・・私、家族が家にいる事、少なかったから、今あなたが家にいてくれて、本当にうれしいと思ってるの」
「亜美ちゃん、わかりにくいけど、想像以上に、愛が深い・・・・・・そして予想以上に重い・・・うっ」
「な、泣かないで、美奈。あなたのせいじゃないわ」
「じゃあ、あたしのために黙って痛みに耐えてくれてたの・・・」
「それもあるけど・・・でも、そんな事で肋骨が折れてたなんて言ったら・・・は、恥ずかしい、から」
「亜美ちゃんの恥じらいポイント謎すぎるんだけど」
「私の修行が足りなかったってことで・・・そこが恥ずかしいって思って・・・だから気にしないで、美奈」
「亜美ちゃん・・・」
「私も、今回は、そろそろ慣れてきた、新婚じゃないって気の緩みがあったから起こった事だと思うの。これからは気を引き締めて、確実に受けたりかわしたりできるように、頑張るわ」
「えっそれはつまり骨が治ったところで、寝てるとき亜美ちゃんのガードがやたらめったら固くなるっていうこと・・・?いっしょに寝てくれるのうれしいし愛が深くて重いのに、この行き場のないパッションはいったいどうしたらいいっていうの・・・」






                           **********************************
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« こわいものはとても近くにいる | トップ | ピンチはチャンス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小ネタ」カテゴリの最新記事