プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

乙女心と体幹トレーニング

2017-09-04 23:59:57 | 小ネタ





「あ、亜美ちゃん、そうだ、あたしのお腹触ってくれない?」
「・・・ど、どうしたの?美奈。いきなりお腹って。お腹痛いの?」
「あー痛いとかそんなんじゃなくて、単に触ってほしいだけ。まあ、お腹以外も触りたいって言うならそれはそれでウェルカムだけど・・・って、なんで亜美ちゃん後ずさるのよ。べつに触っても爆発したり訴えたりしないから!」
「いきなりそんなこと言われても・・・理由もなく女の子のからだに触るなんて」
「いや、亜美ちゃんだって女の子でしょうよ」
「それはそうだけど、どうして、お腹なんて」
「実は最近部活以外でもおうちでトレーニングしてるのよ。こないだ部活で、オリンピックのバレーボールチームのスタッフやってた人の話聞きに行って、おうちでも簡単で効果的なストレッチやトレーニングの方法を教わって、こっそりやってたの。それまでも部活の中で筋トレとかやってたんだけど、そこで教えてもらった方法で続けたらなんとなく前より腹筋がしっかりしてきた気がして」
「そうだったの。急に言われたからびっくりしたわ」
「あたしだって努力してるのよ」
「でも、そういうプロの人にお話を聞けたって、とても有意義ね。トレーニングやストレッチは、ただやるんじゃなくて、姿勢や方法が大切だと言うし」
「そうなのよ。だから触って?前よりしっかりしてるあたしの腹筋」
「じゃあ、失礼して」
「・・・・・・触ってって言ってるのに、なんでゴーグル嵌めるの」
「きちんとデータを数字で見たほうがいいと思って。以前よりどれくらい筋肉の体積が上がってるかとか、脂肪の量とか」
「ちょっと、健康診断じゃないのに人の筋肉量とか脂肪とか勝手に量るのやめてくれない!?」
「でも、数字できちんと出したほうが漠然と触るよりいいと思うんだけど・・・」
「くっ、乙女心のわからない人ね・・・!必要なのはあくまでボディタッチで、そういうのは求めちゃいないのよ」
「(女子って難しい・・・)」
「とにかく、数字で見るのはやめてちょーだい。そういうのはちゃんと自分でどこかで量りに行くから」
「それはもちろん、あなたの嫌だということはやめるけど」
「(やってほしいこともしてくれないのよね)」
「でも、そうやって鍛えているのはよいことだわ」
「あ、そうだ。せっかくだから亜美ちゃん、ちょっと協力してくれない?ひとりじゃ大変なトレーニングがあって、ちょっと手伝ってほしいのよね」
「ええ、もちろん。ふたりでやるトレーニングもあるものね。どうすればいいの?」
「えっと、体幹を鍛えるポーズなんだけど、こう、横になって、腕立て伏せするみたいにお腹を下にして、爪先を立てて、でも手じゃなくて両肘で体を支えるの」
「ええ」
「そのポーズでしばらくいたら体幹が鍛えられるんだけど」
「・・・待って。その姿勢、お手伝い、必要かしら?」
「必要なのよ。ぜひ手伝って」
「どうしたらいいの?時間を測ればいいの?姿勢のチェック?それとも負荷をかければ?」
「いや、支えてほしいの」
「どうやって?」
「こう・・・トレーニングしてるあたしの下で横になってくれたらそれでいいから」
「・・・・・・ごめんなさい、ちょっと意味がわからない」
「いや大事なのよ!ほら、こういうのって短い時間で緊張感を持ってやらないと!ひとりだったらすぐへばっちゃうけど、下に寝そべってくれたら大切な亜美ちゃんをつぶしちゃいけないわ!って思って頑張れそうだから!」
「理屈はわかるけど、いくら私だって美奈が崩れたところでつぶれたりしないわ」
「さりげなく格好いいこと言って拒絶しないで!あたしは亜美ちゃんに下にいてほしいの!上でもいいけどとにかくいてほしいの!」
「・・・わかったわ。私が潰れるかどうかはともかく、緊張感が大事というのは、そうよね。美奈の言うことももっともだわ」
「でしょ!?ささ、じゃああたしに敷かれてちょうだい、だいじょうぶ、痛いことはしないわ、ふふふ・・・」





「亜美ちゃんって・・・ねえ、なんなの?」
「わりと哲学的な問いね。『我思う。ゆえに我あり』はとても有名だけど、他者の存在に対してそういう問いをするのを、まさか体幹トレーニング中に受けるとは思わなかったわ」
「哲学の話なんかしてない!いろいろ突っ込みたいところはあるけど、とりあえずなんで剣山なんか持ってるのよ!」
「なぜと言われても・・・持っていたからとしか言えないわ」
「変におとなしく従ってくれたと思ったらなに自分にまんべんなく剣山乗せてくれちゃってんの!?肘からなんてほとんど距離ないのにちょめちょめできな・・・いや、距離ないんだから危ないでしょ!?」
「だって、美奈が、こういうことは緊張感を持ってやらないとって言うから・・・私だけを敷くよりずっと効果的でしょう。だいじょうぶよ、私が下にいるから、ほんとうに危険そうになったらどけるとか、できるから」
「理屈っぽく言ってるけどやってることおかしいらね!?剣山使ってトレーニングなんて、カンフー映画見た直後の中学生くらいしかやんないわよ!!?」
「ど、どうして最近カンフー映画を見たのがわかったの!?」
「天才のくせに元ネタが意外と俗っぽいのね!!?というか亜美ちゃんカンフー映画とか見るのね、意外だったわ」
「体の動きと中国語の勉強を兼ねてちょっと・・・」
「それで剣山とか持ち歩いてるわけ・・・変な人・・・」
「でも、美奈、しゃべったりする余裕があるのね。慣れない人はきつい姿勢と聞いているのに、美奈って・・・やっぱりすごいわ」
「あっ、この距離ででも手を出したら危険な状況でデレるわけね・・・体幹だけじゃなくてあたしの理性もこうやってトレーニングされていってるわけか・・・」








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