NEETな日常

<Not in Education,Employment or Training>

北京で反日デモ

2005-04-09 17:46:20 | 時事寸評
先週から四川省の成都や広東省のシンセンなどでイトーヨーカ堂が襲われたりしていましたが、ついに北京でも反日デモが行われました。
わたしの知り合いがデモ隊の通り道になっていた北京大学にいるので、もしかしたら写真でもとってるかもしれない思って連絡をとってみたところ「寝てた」とのことでした。
まったくつかえないやつです。
いくら土曜日とはいえ、学生の分際で昼過ぎまで寝ているとは。
しかも、わたしがデモ隊のことを話すまで、全然知らなかったと言います。
デモの起こっている現地にいるやつよりも、日本でニュース見てるほうが情報が早いというのはどういうわけでしょう。
まあ、デモだとか暴動だとかいうのは、渦中にいる人よりも、外にいて傍観している人たちのほうが大騒ぎをするものかもしれませんね。

ところで、今回のデモは日本の国連安保理入り反対と、教科書問題に抗議する目的で行われたようです。
参加者は中国人だけではなく、韓国人もたくさん混ざっていたようで、「独島は韓国のものだ」とか書かれたプラカードなどもあったそうです。
韓国も歴史問題にはうるさい国ですが、歴史的に見れば「大韓民国」なんていうのはアメリカの傀儡政権としてつくられ、80年代後半まで戒厳令のしかれていた軍事国家だというゆがんだ歴史を持った国なわけですが、そういうことはちゃんとおしえているのでしょうか。
もし韓国人が、自国のそういう歴史を直視したならば「大韓民国」なんて国名、恥ずかしくて使えないと思うのですが。
それは日本も同じで、日の丸・君が代を無批判に受け入れてる人は、顔に太極旗をペイントして、「てーはみんぐく」と叫んでる人と同レベルですね。
フランスやアメリカなどの先進国の国旗、国家制定の歴外と比べれば、日本のそれはあまりにもお粗末だというよりほかにありません。
「法律で決められていることだから」とか言う人もたくさんいますが、そういう人たちに限って、違法コピーや、違法ダウンロード、交通法規の無視などをしているのですから、油断がなりません。

それはともかく、北京のデモでは日本製品不買運動を呼びかけるスローガンなどもあったようですが、そんなことして困るのは中国の人なんですけどね。
中国に進出した日本企業は現地でたくさんの工場を作っています。そこに雇われているのはもちろん中国人です。
日本企業の中国工場は農村の余剰人口の大切な受け皿のひとつになっています。
もし日本製品の不買運動なんかやって、それが万一うまくいってしまって、日本企業が中国から撤退するようなことにでもなったら、工場で働いている人たちはどうすればいいのでしょうか。
中国企業には彼らを受け入れるだけの余裕などはありません。
そうした「中国人同胞」の現実を考えもせず、ただむやみに日本製品不買を叫ぶだけでは、無責任だと言うより他はないでしょう。
確かに、デモが起こっている成都やシンセン、北京などは大都市で、企業の工場などはありません。北京でデモに参加しているのも学生などの若者が中心で、外国企業の工場で働かざるをえない農村出身者の苦労など、わからないのかもしれません。
そんなことでは、せっかくの「愛国」も、かえって反対の結果をもたらすのではないでしょうか。