NEETな日常

<Not in Education,Employment or Training>

ニート対策の「若者自立塾」実施の20団体、その実体に迫る  その5

2005-07-05 20:04:41 | NEET
日本全国で52万とも85万とも言われるニート。お上の概念での「勉強」や「労働」に従事しないこういった若者をなんとか「救済」すべく始まった「若者自立塾」。その実施団体はどういった背景を持つ団体なのかを見てみようという企画の5回目です。
今回は特定非営利活動法人 おおさか若者就労支援機構、特定非営利活動法人 フェルマータ、学校法人 神須学園社会福祉法人 みどりの町の4団体を取り上げてみたいと思います。

1.特定非営利活動法人 おおさか若者就労支援機構
この「おおさか若者就労支援機構」は、ホームページを持っていないようです。厚生労働省の紹介ページにも、連絡先は電話番号しかありません。
しかし、大阪日日新聞のさわやかNPOという記事の紹介によりますと、「泉佐野市を拠点に二〇〇一年ごろから活動をスタートし、〇二年に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を取得。現在は約二十人のスタッフを中心に、府内各所で就労支援フェアや相談会を手掛けている」ということだそうです。昨年も大阪府提案公募型事業の一環としてニートとニートを抱える家族を対象としたワークショップを開催したりもしていたようです。
とりえず、ニート支援の経験と実績はある団体のようです。


2.特定非営利活動法人 フェルマータ
こちらもホームページが紹介されていません。でもブログはあるみたいです。イベント通知の連絡帳みたいなもののようですが、それによりますと「大阪府高槻市で活動しているNPO法人の障害者支援団体」ということのようです。
障害者支援と若者自立塾がどうむすびつくのか。まあ、ボランティアを通じて社会とのつながりを認識させ、自立を促す。ヘルパーの資格なんかを取ったりしたらそれで就労支援にもなるし、障害者支援の人材育成にもつながって一石二鳥、ということなんでしょうね。
まあ、どうせ何もしてないんだったらボランティアでもさせておけってことなのだろうとは思いますが、「必要とされる場所」を与えてやるのも「自立支援」の一つなのかもしれません。


3.学校法人 神須学園
このホームページは「若者自立塾」実施のために作成されたページのようです。神須学園の実体は職業訓練学校なんだそうです。
日経スペシャル「ガイアの夜明け」という番組があるのですが、その番組で今年の5月にニートを取り上げた回(5月3日放送 第159回ボクたちが働かない理由)に、この神須学園と理事長の前川篤氏が出演していたそうです。番組を見ていないのでコメントの使用がありませんが、職業訓練学校というのはニートの自立支援としては一番わかりやすい気がします。
ちょっと気になったのは平成15年度私立専修学校高等課程経常費補助金決算額という一覧表があるのですが、それを見ると神須学園は一億千二百十二万千円の助成金を受けています。これは大阪府からでている私学補助金の一部のようですが、一億というのはやはり少なくない数字です。これだけの金額を助成してもらえるのは、それなりの実績があるということなのでしょうか。それにしても、一年でこれだけの補助金を受けている神須学園ですが、ここで職業訓練を受けて卒業した人たちは、一生かかっても神須学園が一年にもらう金額を稼ぐのは、難しいかもしれませんね。
そう考えると、なんだか複雑な気分になります。
そういう観点からコストパフォーマンスなんかを計算してみると、案外おもしろい結果がでてくるかもしれませんね。


4.社会福祉法人 みどりの町
「知的障害者総合支援 社会福祉法人 みどりの町」というのが正式名称のようです。
知的障害者総合支援?ニートと何の関係が?

社会福祉法人みどりの町は、「多様な福祉サービスが、その利用者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、利用者が個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援する」ことを目的として、次の社会福祉事業を行います。(以下略 「目的」より引用)

いや、きっとたぶんボランティアを通じて社会との関係を構築し、自立させていこうと言うことなのでしょう。きっとそうだ。
でも、もしかして・・・。
あ、それともニートの中の知的障害を持つ人たちを受け入れる、ということなんですかね。
あー、なんかよくわかんないし、コメントしづらいですわ、ごめんなさい。


えーと、今回紹介した4団体はホームページがなかったり、作ったばっかりだったりで、ネットからは活動の実体が余りよく見えてきませんでした。
厚生労働省でも、各実施団体の具体的な活動内容などの紹介を行うべきなのではないかと思うのですが。連絡先を示すだけで、あとは自分たちで勝手にやってね、というのは、無責任な態度のような気がします。