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NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音曲日誌「一日一曲」#329 ザ・ローリング・ストーンズ「Little Red Rooster」(ABKCO)

2024-02-29 07:59:00 | Weblog
2024年2月29日(木)

#329 ザ・ローリング・ストーンズ「Little Red Rooster」(ABKCO) 






ローリング・ストーンズ、64年リリースのシングル・ヒット曲。ウィリー・ディクスンの作品。アンドリュー・ロング・オールダムによるプロデュース。

ストーンズの英国本国での5thシングルとなった本曲は、前曲「It’s All Over」に続いて2連続チャート1位を獲得、バンドの人気を確立した。

ブライアン・ジョーンズのスライド・ギターをフィーチャー、淡々としたバッキング。攻撃的なサウンドとはいえないが、後半のミック・ジャガーのハープが実にいい雰囲気を出している曲だ。

もともとは、米国のブルースマン、ハウリン・ウルフの61年リリースのシングル「The Red Rooster」。これを少し遅れてカバーして大ヒットさせたわけだが、今になってみれば、どう考えても若手の人気ビート・バンドが演るタイプの曲ではないよな、これ(笑)。以前のシングル4曲と比較してみれば、それは歴然としている。

中年の黒人ブルース・マンが歌う、スローめで地味なブルース・ナンバーを、あえてカバーシングルとして選曲した彼らのセンスは、スゴいとしか言いようがない。要するに、彼らの「趣味」100%で選んでいる感じ。

まあ、チャート1位という結果は、曲自体が持つ力と言うよりは、当時のストーンズの破竹の勢い、人気の盛り上がりによるものだと考えるべきなんだろう。

そして、この曲がヒットすることで、ハウリン・ウルフというシンガー、さらには米国の黒人ブルース全体に対して再注目、再評価がなされるようになった、英米いずれの国でも、ブルース・リバイバルが沸き起こっていった。

この曲が縁となったのだろうか、翌65年には米国のTVショーで、ストーンズはハウリン・ウルフと共演を果たしている。観客側になって、ウルフの歌を聴く様子が、動画として残っている。

海の向こう、米国の黒人音楽に憧れる、英国の少年たち。彼らの「趣味」が世界的に広まることで、今日のロックは生まれた。

原曲の良さを生かしつつ、ハープを加えることでストーンズならではの味わいを加えている。

レコードデビューして60年、史上最長にして最強のバンド、ザ・ローリング・ストーンズ。その若わかしい黎明期を代表するブルース・ナンバー。改めてチェックしてみて。





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