2009年10月24日(土)
#96 ルーファス・トーマス「Did You Ever Love a Woman」(Atlantic Blues/Atlantic)
#96 ルーファス・トーマス「Did You Ever Love a Woman」(Atlantic Blues/Atlantic)
ルーファス・トーマス、アトランティック在籍時代のレコーディングから。B・B・キングの作品。
ルーファス・トーマスといえば、「ウォーキン・ザ・ドッグ」。これはもう万人の認識だろう。永遠のティーンネージャー、偉大なオヤジロッカー&ダンサー&コメディアン、そんなイメージの人だが、実は違う横顔もある。
1917年ミシシッピ州ケイス生まれ。戦前はメディスン・ショーの一座で活躍、レコードデビューは戦後で、サンレコード時代、以前にも取り上げた「ハウンド・ドッグ」のアンサー・ソング「ベア・キャット」で注目される。
全盛期はもちろん、「ウォーキン・ザ・ドッグ」をヒットさせたスタックス在籍時代。ダンサブルかつちょっとコミカルな曲調のナンバーで、一世を風靡した。
その後も、ステージ、映画等で広く活躍して、2001年メンフィスにて84才で亡くなる。生涯現役、実に堂々としたショーマン人生だった。
そんな彼も、意外とシブい味わいのブルースマンでもあったという証明がこの一曲。BBだけでなく、ゲイトマウス・ムーアも十八番としていたスロー・ブルースだ。
ルーファス・トーマスの歌声は、その二人とはまた違った味わいがある。まずはソフト&マイルドに、囁きかけるように歌い出したかと思うと、感情の高ぶりとともにいきなり激しいシャウトに変化する。なんともエモーショナル。
コミカルばかりが彼の売りではない。ブルーズィできめ細かい感情表現もまた、トーマスの得意とするところなのだ。
このナンバー、ライブでも10分にわたって歌いまくり、延々とディープな世界を展開していたとか。
エネルギッシュ、でもダンス・ナンバーとはまた違っためいっぱいブルースな歌声に、ノックアウトされてちょ。