鴨が行く ver.BLOG

鴨と師匠(ベルツノガエル似)と志ん鳥のヲタク全開趣味まみれな日々

生々流転と東北のゴッホ

2007年01月03日 15時06分23秒 | 美術館・博物館
というわけで、昨日は上野、今日は竹橋。
東京国立近代美術館・横山大観「生々流転」特別公開を観に行ってまいりました。
以前「美の巨人たち」でも2夜連続で取り上げられていた、横山大観畢生の大作。竹橋の常設展示で何度か観たことはあるんですが、今回は別格です。何しろこの作品、絵巻形式で全長約40メートル。普通は部分展示ですが、今回は40メートル全部開いて一挙に公開!どうやって40メートル開くんだ!?という点が実は一番興味があったりして(笑)

これはほんの一部。こんな感じで延々40メートル。


行ってみたら、ををなるほどこちらから入れば40メートル一気に開いて順に見られるんだ!と納得の展示室構成でしたヽ( ´ー`)ノいつも企画展に使用されている1F展示室を、出入り口を逆に使って広げてるんですね。これなら右から左に流れる絵巻物をすんなりと見られるわけです。長ーいガラスケースにへばりついて、15分ほど掛けてじっくり鑑賞してきました。
この作品、水の一生を描いたもので、山奥の霧立ちこめる風景から始まって霧がせせらぎへ、清流へ、激流へ、大河へ、河口を経て海へ、そして雷雲の中龍と化して再び空へと戻っていく一大ドラマです。使われている色は墨一色のみ、しかし水墨画の様々な技法を駆使して40メートルを飽きることなく一気に魅せてくれます。当たり前ですけど、部分展示より全部まとめて観た方が感動が深いですね。墨だけなのに本当にドラマティック。岸辺の動物や人物などのモチーフもじっくり堪能できたし、予想以上に面白かったです。
作品のスタート地点とゴール地点にそれぞれ控えている学芸員のお兄さん達(二人とも黒いスーツ姿でタークスみたいだった・・・(笑))が、人波が途切れるたびにどこからともなくフキンを取り出して、ガラスケースをせっせと磨いていたのが印象的でしたヽ( ´ー`)ノこれだけ長いと、きれいに保つの大変だろうなぁ。お疲れさまです。

「生々流転」を二往復して観た後、久しぶりに常設展示へ。ここの常設展示は3フロア構成で、良い作品を多数所蔵しているのでかなり見応えがあります。今回初展示の速水御舟「夜梅」が艶っぽくて素敵でした
が、今回一番のヒットは「わだばゴッホになる」棟方志功の「二菩薩釈迦十大弟子」。目にした瞬間、パンチを食らったような衝撃。絵を前にして全身ぞわっと鳥肌が立つ体験を、久しぶりにしました。棟方志功、こんなに凄かったっけ・・・いや、凄いわ、これ。棟方志功の代表作なので図版で見たことのある人も多いと思いますけど、「松林図屏風」と同じく、本物を観ないと絶対わからない作品です。名状しがたい強烈なパワーがあります。竹橋にあるとは知らなかった。いや~、予期せず良いもん観さしてもらいました。今日も来て良かったーヽ(^o^)ノ
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