鴨が行く ver.BLOG

鴨と師匠(ベルツノガエル似)と志ん鳥のヲタク全開趣味まみれな日々

最近読んだSF 2024/5/4

2024年05月04日 17時26分29秒 | ゲーム・コミック・SF
もう夏と言っても差し支えない、連休後半戦ですねー。
良い天気が続くようなので、鴨は毎年恒例、窓掃除とカーテン洗濯にバリバリ励んでおります。今日で半分完了しました!できれば明日で済ませたい!
さて、先月読了したSFレビューです。

Amazon.co.jp:息吹/テッド・チャン、大森望訳(ハヤカワ文庫SF)

表題作が素晴らしい。
人類とは全く異なる宇宙、異なる世界観を持つ異質な生命体の生き様を、平易な筆致で淡々と、かつリリカルに描き出した短編。SFという文学ジャンルにしか描けない爽やかな感動を覚える、正に「瑞々しい」という表現がピッタリくる傑作です。

ただ、鴨的には他の作品群がちょっと物足りないところも、正直ありまして・・・
これが現代の「世界標準」のSF、なんだと思います。物語としてリーダビリティが高いし、ロジックもしっかりしてるし、登場人物の内面描写も豊かに描き出されていて、本当によくまとまっています。・・・でも、なんだか綺麗すぎて、あっさりと感じてしまうんですよねー。
贅沢な意見だとは思いますが、鴨はもっと熱量のあるSFが読みたいです。良くも悪くも今風、なんでしょうね。

決して面白くないわけではありませんので、そこは誤解のなきよう。ただ、鴨にはしっくりこなかったという、好みの問題だと思います。
そして、表題作「Exhalation」を「息吹」と訳した大森望氏、名和訳だと思います。この作品の本質を、日本語としてしっかり言い当てていますね。
コメント
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