だいぶ歳も押し迫ってまいりましたが、出勤日が多くなったこともあり、通勤電車内でのSF読みは順調です。
久しぶりに読んだディックをレビュー。
変種第二号/P・K・ディック、大森望編(ハヤカワ文庫SF)
いやいや、表題作「変種第二号」が傑作過ぎ。久々にやられましたわ。これだからディック読みはやめられないのよ。
「戦争」をテーマとした作品をまとめた、日本オリジナル短編集。戦争テーマと言ってもかなり広義に捉えられていて、収録作はそれなりにバリエーションがあって読み応えがあります。(ただし、本邦初訳らしい「戦利船」だけは取扱注意!ディックにしては珍しい、超絶バカSFです(笑))
数多くの短編を書き残したディック作品の中でも屈指の傑作と言っても良い「変種第二号」は、ディックが永遠のテーマとしていた「人間と人間じゃないものの境界は何か?」という問題意識をストレートに表現しつつ、サスペンスフルな一級のエンターテインメント作品としても仕上がっています。他にも、主人公が最後に迫られた選択の残酷が戦争の無意味さに直結する「たそがれの朝食」、人間の愚かさを端的に描き出してあまりある「ゴールデン・マン」など、グッとくる佳作が目白押し。ディック初心者にもオススメだと思います。
久しぶりに読んだディックをレビュー。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/b5/a582bd247745eca5ef848b706fca627f.jpg)
いやいや、表題作「変種第二号」が傑作過ぎ。久々にやられましたわ。これだからディック読みはやめられないのよ。
「戦争」をテーマとした作品をまとめた、日本オリジナル短編集。戦争テーマと言ってもかなり広義に捉えられていて、収録作はそれなりにバリエーションがあって読み応えがあります。(ただし、本邦初訳らしい「戦利船」だけは取扱注意!ディックにしては珍しい、超絶バカSFです(笑))
数多くの短編を書き残したディック作品の中でも屈指の傑作と言っても良い「変種第二号」は、ディックが永遠のテーマとしていた「人間と人間じゃないものの境界は何か?」という問題意識をストレートに表現しつつ、サスペンスフルな一級のエンターテインメント作品としても仕上がっています。他にも、主人公が最後に迫られた選択の残酷が戦争の無意味さに直結する「たそがれの朝食」、人間の愚かさを端的に描き出してあまりある「ゴールデン・マン」など、グッとくる佳作が目白押し。ディック初心者にもオススメだと思います。
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