鴨が行く ver.BLOG

鴨と師匠(ベルツノガエル似)と志ん鳥のヲタク全開趣味まみれな日々

最近読んだSF 2020/8/23

2020年08月23日 16時59分22秒 | ゲーム・コミック・SF
今日は曇りがちでちょっと雨も降ったりして、まぁまぁ過ごしやすいですかね・・・。
と言っても比較論の話で、暑いことには変わりないですね・・・ヽ( ´ー`)ノ
世の中的には、夏休みのシーズンもそろそろ終わりでしょうか。鴨のワイフワーク・読書課題、SF読みは真夏でも元気に進行中です。先日読了したのはこちら。

人間たちの話/柞刈湯葉(ハヤカワ文庫JA)

最近のハヤカワ文庫にしては薄い方で、モダンで可愛らしい表紙デザイン。ぱっと見の印象は軽めのタッチです。
そして、読んで見ての印象も、見た目の印象とほぼ変わらず。短編集ということもあるのでしょうが、サクサクと軽いです。

軽妙で洒脱、スマートな語り口。見た目の印象は軽いものの、ストーリーのバックボーンにSFとしての骨太な思索がしっかりと埋め込まれており、それなりに読み応えがあります。
が、鴨的な第一印象は、「軽すぎて物足りないなぁ・・・」というのが正直なところ。おそらく、明確な起承転結がなくメリハリがあまり感じられないのが、大きな要因だと思います。ユニークなSF的アイディアを持ち出して話を引っ張る牽引力はあるんですが、引っ張り続けてこの先どこに行くんだろう、この話・・・と思い始めたあたりでプツっと終わってしまう感じ。表題作「人間たちの話」は、まさにタイトル通り人間たちの関係性を描く比較的重たい作品で、一番読み応えがあったんですが、とある事件が起こってこの先一波乱あるんだろうなぁ、というその時点でさらりと作品が終了しており、もう一山描けばもっと印象深い作品になったろうに・・・と思えてしまいます。が、そこまで書いたら「くどい」と感じるタイプの作風なんでしょうね。

もう一つ、印象的なのは、今風に言うと「コミュ障」と言えそうなキャラがよく登場するな、ということ。でも、そのキャラ自身はそのことを自覚しつつも特段ネガティヴには捉えておらず、むしろ世の中の人間関係を鬱陶しく感じている様子が、独特の閉塞感を生み出しています。
全般に軽いタッチではありますが、不可視の世界観をちょっと感じる作家さんではありますね。長編も読んでみようかなぁ。
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