注文の多い料理店 (雑記帳by山猫)

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巨人の星

2006年08月29日 | 映画の話
映画っていうわけじゃなく、今夜はアニメの話です。 

昭和30年代生まれの私は、このアニメをリアルタイムで見ていたものだった。

当時流行っていたのは、「タイガーマスク」や「サインはV」などのスポーツ根性モノが主流だった。

もう一度あのころの感覚を取り戻したいような気がして、
ビデオ録画して休日になると一気に見るというのがけっこう楽しかったりする。

え~・・・では・・・今日のテーマの「巨人の星」、この「スポ根」アニメのバイブルともいえる作品を
いまどきのPCゲームに興じている子供がどんな風に見て、どんな感想を持つのか知りたくなった。

汗にまみれて努力することが素晴らしい・・・

戦いが終わって互いの健闘を称えあうライバルという名の友情を、
ボタン一発でいとも簡単に敵を屠ってしまうゲームに興じるガキどもは、
飛雄馬と伴が抱き合って涙を流しているのを見て”ダッセェ~!”
などと思いながら見ているのではないだろうか?

 (何故なら今の私がそう思っているからです)

  ◇花形 満のなぞ・・・?◇

30年ぶりくらいで見ると、子供のころ見えなかったアラが形をなして見えて来る。

このアニメには???と思うポイントがけっこうあると思いませんか?
 
そのもっともたるモノは花形満のスポーツカーなのだが、これはよく指摘されているのでご存知の方は多いはずだ。 

ドラマは飛雄馬が小学生の頃からスタートしている。 

花形は自分が主催するチームに飛雄馬を入団させるべくスポーツカーを乗り回して飛雄馬を追いかけまわすが、
この時の花形はいったい何歳だったのだろう? 

のちに彼らは甲子園で勝負しているから飛雄馬との年齢差は少なく見積もっても2~3歳のはずだ。 

そうなると、小学生の飛雄馬の追っかけをしている花形はまだ中学も卒業していないはず、
車の免許はおろか原付だって乗れない年齢のなずなのだ。

花形がスポーツカーを乗り回しているところがすべて花形家の私有地であるのなら公道ではないので
無免許で乗っても法には触れないだろうけど、そこまで考えて作っているように見えない。

  ◇放送禁止差別用語◇

この放送ですごく気になっているところがある。(もちろん再放送なんだけどね)

ドラマ中のセリフにところどころ”ピー”が入っているのだが、気づいた人はいるだろうか?

飛雄馬の高校入試の面接での会話は”ピー”だらけだった。

 ”君のお父さんの仕事は何かね?” (面接の先生)

 ”ぼくの父は日本一の****です”(飛雄馬)  

 一徹は建設現場作業員として働いていた。

 ****の部分は「日雇い○夫」という言葉が入っていたはずだ。

当時の星一徹は自身の能力を表に出すことなく、息子を一流の選手に養成する為にだけ心血を注いでいたように見える。

「巨人のコーチに・・・」という誘いすら息子の英才教育のために断ってしまうのだ。

覚悟の上の貧乏なのだから、他人にとやかく言われる筋合いじゃないと思っていただろう。

さらに、「か○わ」などというような、障害者差別ともいえる言葉が頻繁に出てくるではないか。

だが、それらはすべて”ピー”になっている。

30年前に当たり前のように使っていた言葉が、今では差別用語として使えなくなってしまっている。

社会から差別をなくすという点では有効なのだろうが、不自然に思えてならなかった。

それで、本当の差別がなくなると思えないからだね。

ずいぶん前だったが、細川護煕氏が首相に就任した時、マスコミは彼を「殿様」と報道していたし、
細川夫人に”ご主人を殿様だと思いますか?"などとインタビューしていたバカな記者もいた。

もし、細川氏が歴史に名を残す大名家の血筋でなく、その対極にある差別を余儀なくされた人々の子孫であったとしたら、
それについて触れることはなかったろう。
 
夫人に”ご主人は**だと思いますか?”などと口が裂けても言えはしないだろう。

陽が当たる所には当然、影ができるものだが、これだって見方を変えれば立派な逆差別だと思う。

プラスなイメージは良くて、マイナスなイメージにはフタをして隠そうとする、プラス側の差別も考える必要はないのだろうか?

華やかさに覆い隠されたイヤらしい差別がこんなところに見え隠れする。

話しがそれてしまったが、私はこのアニメの中では左門豊作が一番好きです。
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