閑(ひま)じぃのブログ by 閑斎

趣味の紙紐細工創りとその時々の歌、旅の紹介です。遠方には行かなくなりましたが、近くで楽しい仲間との歌を楽しみます。

東海道江尻田子の浦略図(とうかいどうえじりたごのうらりゃくず)

2020-04-30 07:10:54 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第30作目は、東海道江尻田子の浦略図です。
 静岡県静岡市清水区由比・駿河湾沖

田子の浦と言えば、奈良時代の万葉の歌人・山部赤人の名歌
 「田子の浦 ゆうちい出てみれば ま白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける」
 でも知られる歌枕の地です。

二艘の船が波に揺られ、漕ぎ手たちは渾身の力をこめて艪(ろ)を握っています。
浜では、人々が田子の浦の名物である「塩焼き」を楽しんでいます。
船の孤線が富士の稜線と響きあう様を描いているようです。

前作に続き船の製作でした。特に手前の船は力が入りました。

原画です。

解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

コメント (8)
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常州牛堀(じょうしゅううしぼり)

2020-04-02 07:08:16 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第29作目の常州牛堀(じょうしゅううしぼり)です。
 茨城県潮来市牛掘

牛堀(茨城県潮来市)は、霞ケ浦南端の水郷です。
当時は、鹿島や銚子などへ向かう航路として多くの船が
行き交っていました。
巨大な舟の舳先が対角線に置かれています。
船の先端には、屋根で覆われた部屋があります。
 乗員が寝起きしているようです。
これから船のうえで日々を送る人々の一日が今始まるのでしょうか。
朝飯の仕度で、コメのとぎ汁を船外に流しています。
その音に驚いて白鷺が飛び立っていきます。
静けさの中に音を感じさせます。

原画です。

解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

飛ぶ白鳥をどうしようかと思いましたが、ちょうど草原が
ありその上に乗せることができました。

コメント (2)
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上総ノ海路(上総の海路)

2020-03-05 07:28:37 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第28作目の上総ノ海路(上総の海路)です。
千葉県安房郡鋸南町

江戸時代、房総から江戸へは、輸送船によって様々な生活物資
 (コメ、酒、醤油など)が運ばれていました。 帆を張った2隻の船が江戸へと
向かっているのでしょうか。帆と帆綱に間から小さく富士が見えます。
大きな船と小さな富士の構図です。
船の窓から人物の顔や背が見えます。 水平線は弧を描いています。
右側の陸地は三浦半島です。 北斎自身も実際に運搬船に乗り、房総方面へ旅をたといいます。

船を作るのに夢中になっていたら、高くなっていつものケースに入らなくなりました。
その意味では失敗ですが、いい船ができたので一応満足しています。
 
背景は全く何もない風景です。


帆船の製作が命と頑張りましたが、結果はどうだったか。
大きい船の後方がちょっと詰まってしまった感じになってしまいました。
奥の2艘目は大分手を抜きました。
 
原画です。


 解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

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登戸浦(のぶとうら)

2020-02-20 09:45:00 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第27作目の登戸浦(のぶとうら)です。 
 千葉市中央区・登戸神社

鳥居の間から富士を望むという北斎の構図です。 大小二つの鳥居は、本来は
もっと離れています。浅瀬で汐干狩りを楽しむ人々、おしゃべりする女、
追っかけこで遊ぶ子どもたち、貝でいっぱいになった桶を得意げに 運ぶ漁師、
彼らの楽し気なひと時、健やかな時間の流れを感じます。
登戸浦は、江戸築地に荷揚場を持ち、年貢米や海産物を房総半島から江戸に
海上輸送 する拠点の一つでした。

少しアップしました。

 原画です。


 解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

のどかな海辺の風景でしたね。

 

 

 

コメント (6)
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相州箱根湖水(そうしゅうはこねのこすい)

2020-02-06 07:49:59 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第26作目の相州箱根湖水(そうしゅうはこねのこすい)です。
神奈川県足柄下郡箱根町


箱根湖水とは、芦ノ湖のことです。 鋭い三角の杉木立に囲まれて、波ひとつない静寂な湖面。
人や生き物の気配が消された 雰囲気は箱根権現の神威を表すためでしょうか。 
杉林の間に見える社は箱根権現でしょう。
箱根神社は、古代以来、山岳信仰の霊場として崇拝されてきました。

鎌倉幕府からは関東の鎮護神として歴代将軍の崇拝を受けていました。
 富士は、雪をかぶって鎮座しています。
 北斎にしては、人のいない静かな風景画です。

解説にもありますが、人っ気の全くない絵でした。
私もひたすら絵描きの気分を味わおうとしましたが、
どうだったか・・・。

別角度です。

 原画です。


 解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

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相州仲原

2020-01-16 07:54:21 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第25作目 は、相州仲原(そうしゅうなかはら)です。
 神奈川県平塚市中原


仲原は、信仰の山・大山への参詣道の入り口でもありました。

手前の板橋脇に道標が建てられています。

その上部には、大山寺の本尊である不動明王 が彫られています。

参詣に向かう巡礼の父子や、厨子を背負い鉦をたたて物乞いし諸国を

行脚する六十六部の 親子も通っています。

赤坊を背負い、弁当を持って野良仕事にでかける農婦、川に入って蜆を

採る農夫など、 この土地の人々の暮らしを描いています。

右端の男の荷物には版元西村屋の紋が 描かれています。

少しアップしました。

背景です。

そして、 原画です。

解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

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東海道程ヶ谷

2020-01-03 07:28:36 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第24作目は、 東海道程ヶ谷(とうかいどうほどがや)です。

通行の人物が入ると後ろの富士山が見えなくなる心配があり、まず、後ろの
風景だけを紹介します。

完成品です。


神奈川県横浜市保土ヶ谷区


横浜市保土ヶ谷は、日本橋から出発して四番目にある宿駅です。 近くの品野坂は、

松の老樹が生い茂っており、ここから富士が望める景勝の地であると 「江戸名所図

会」は伝えています。 駕籠に乗る女性、草履の紐を結びなおす駕籠かき、軽やかな

馬の脚どり、逆方向に歩く の虚無僧、さまざまな旅の様子が描きとめられています。

久しぶりの大人数の登場人物でした。
絵らしい絵でしたが、紙紐作品ではやはり登場人物などが大きくなりました。

別角度からアップしました。

 原画です。


 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

 

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相州梅澤左(そうしゅううめざわのひだり)

2019-12-12 06:55:17 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第23作目 は、相州梅澤左(そうしゅううめざわのひだり)です。

「梅沢左」とは「梅沢在」か「梅沢庄」の誤まりで、現在の神奈川県二宮町

梅沢地区 のことだと考えられています。

梅澤は東海道大磯宿(神奈川県大磯町)と小田原宿(同小田原市)との間に

ある宿で、 茶屋が並び休息所として繁盛しました。

藍色を基調とし、たなびく霞には紅も施されていますので、早朝の景観でし

ょうか。 富士に向かい、天空を舞う二羽の鶴と水辺でついばむ五羽の鶴が点

景として描かれて います。
富士と鶴はおめでたの画題で、鶴が七羽という数も縁起がよいようです。

今回は鶴。空に2羽、地面に5羽の製作でした。おかげさまで鶴の製法はマスターです。
原画よりも相対的に大きくなりましたが、これもよしとしました。

少しアップしました。

 原画です。
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
http://fugaku36.net/

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相州江の島(そうしゅうえのしま)

2019-11-28 07:06:08 | 葛飾北斎 富嶽三十六景
第22作目 、相州江の島です。
 神奈川県藤沢市片瀬海岸

片瀬海岸から江の島を見たところです。
江戸時代は、江の島弁財天は江戸から格好の小さな旅先でした。
今は干潮時で、一筋の砂洲の上には人々や馬、駕籠など参詣に行くようです。
参道の両側に旅館や土産物が軒を連ねています。
三角形の屋根は、定規を使って引いたような直線で描いています。
その屋根の上の三重塔は、江島神社上之宮の塔です。
右端に船を描き、その先の富士に視線を求めています。
波打ち際の波の泡の描写など静かな春を思わせます。
多少誇張や演出で描く北斎には、珍しく自然な景観を描いています。
 
絵の全景を作ったので、全てが小さいものばかりとなりました。
砂州を歩く人は一本の紐でしか表現できませんでしたね。
絶対にアップして見てはなからい作品ですが少しだけ。
 
 
原画です。
 
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
 
コメント (9)
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相州七里浜(そうしゅうしちりがはま)

2019-11-07 09:10:54 | 葛飾北斎 富嶽三十六景
 第21作目、相州七里浜(そうしゅうしちりがはま)です。
神奈川県鎌倉市稲村ケ崎
 
「富嶽三十六景」の広告文で「或は七里ガ浜にて見るかたち」とあるように、
 本シリーズ初期の藍摺の一枚です。
 藍一色で墨絵の趣があります。現在の鎌倉稲村ケ崎から見た富士です。
 北斎には珍しく、人物も描かれていない風景画です。
 鎌倉の七里ガ浜は長く、砂浜と江の島の向こうに富士山を望む景勝地です。
しかし、中央の小動岬(こゆるぎみさき)が大きく、左の江の島が極端に小さく
 描かれています。
 文様化されたわき上がる雲を見ても実際の風景とは異なるようです。

少し角度を上げアップしました。

原画です。

解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
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神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)

2019-10-24 07:26:32 | 葛飾北斎 富嶽三十六景
第20作目の、神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)です。
千葉県木更津市
 
巨大な波が舟を飲み込まんばかりに襲い掛かってきます。
この大波を白と藍で表現しています。
船頭たちは、舟べりにただしがみついているようです
荒れ狂う波の先には富士が鎮座しています。
動と静、近と遠の鮮明な対比がこの図の主要なテーマです。
画家・ゴッホは弟テオに宛てた手紙でこの画を激賞し、またフランスの作曲家・
 ドビュッシーが仕事場に掲げ交響曲「海」を作曲したことはよく知られています。
江戸湾(東京湾)は、漁船や各地からの廻船の通行が盛んで、房総半島から
江戸に 海産物を運ぶ際に利用されたといいます。図はその際の出来事を象徴
的に描いた ものでしょうか。
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。

少しアップしました。

原画です。

解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
コメント (9)
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武州千住(ぶしゅうせんじゅ)

2019-10-03 08:05:49 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

第19作目、武州千住(ぶしゅうせんじゅ)です。
 東京都足立区千住桜木

宿場町・千住は、農村地帯でした。手前の水門は田んぼや畑へ水を引き入れ、
調節するためのものです。
水門の間から富士が見えます。
千住のねぎを積んだ馬の頭は地面に近く、馬のひずめを保護する藁靴と農夫の
引く手綱を結んで逆三角形を作り、富士と対応させています。
農夫と左の釣り人は、笠に手をやり富士を仰いで います。
千住宿は、日光道中(奥州道中)と水戸・佐倉道の最初の宿駅で品川・板橋・内藤
新宿 とともに江戸四宿に数えら、商家や料亭が並んで、人馬の往来も途絶えなかった
といいます。

別角度からですが、富士は見えなくなりました(残念)。

原画です。
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。

次作は、あの名画「神奈川沖浪裏」です。
 
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武州玉川(ぶしゅうたまがわ)

2019-09-19 07:06:05 | 葛飾北斎 富嶽三十六景

 第18作目になりました。
武州玉川(ぶしゅうたまがわ)
 東京都府中市
 
府中の玉川(多摩川)中流域の渡船場から富士を望んだ描写です。
手前の岸、川、対岸と後ろに見える富士と三つに分けられています。
川を斜めに配し流れの速さを感じさせています。
川の波紋は美しく、対岸から藍をぼかし摺にすることで清らかな水を描いています。
 この流水表現が北斎の魅力なのでしょう。
川を渡る船頭の視線が富士へと導いています。
中央の馬は頭を深く垂れて三角形を作っています。

少しアップしました。

原画です。
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
 
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従千住花街眺望ノ不二(せんじゅかがいよりちょうぼうのふじ)

2019-08-29 06:52:55 | 葛飾北斎 富嶽三十六景
第17作目です。
従千住花街眺望ノ不二(せんじゅかがいよりちょうぼうのふじ)
 東京都足立区千住宮元町三丁目
 
千住の花街(岡場所:飯盛り女の名目で許された遊女を置いた宿)からから富士を
 望んでいます。
近景に右方向へ進む、赤い袋に入れた鉄砲組の後に毛槍の大名行列描かれています。
真ん中に稲刈りも終わった田圃、画面奥の塀に隣接する花街と富士を描いた遠景。
畦道がこの三つを結んでいます。
畦道の真ん中でひと時の休息をとる二人の農婦が面白そうに行列を眺めています。
富士もすっかり雪で覆われ、初冬の景色となっています。
 
角度を変えた構図です。
 
原画です。
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
 
次作は、「武州玉川」です。
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隅田川関屋の里(すみだがわせきやのさと)

2019-08-15 07:30:32 | 葛飾北斎 富嶽三十六景
第16作目
隅田川関屋の里(すみだがわせきやのさと)
 東京都足立区千住曙町周辺
 
関屋の里は、「江戸名所図会」によれば、木母寺より北の牛田村の隅田川に面した
一帯を指しています。
疾駆する三騎連れだった武士は、領国への急を知らせる早馬か。
早朝の朝駆けの使者の気ぜわしさが感じられます。
馬や武士たちの服の色は異なり、華やかな色どりさえ感じさせます。
躍動感のある近景に対して、静かで雄大な赤富士を遠景に持ってきた北斎の構図です。
 
解説は、「葛飾北斎 富嶽三十六景 解説付き」から引用しました。
 
少しアップしました。先頭の人馬がしっかりと見えます。
 
原画です。
 
次作は、「従千住花街眺望ノ不二」です。
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