茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

陶器と磁器

2005-08-31 21:25:45 | 茶道マメ知識
 焼物にはいわゆる磁器と陶器がある。焼物のことを総称して陶器と呼んだりするが、陶芸の世界では陶器を「土もの」、磁器を「石もの」と呼ぶ。

 陶器「土もの」は様々な鉄分や有機物が含まれた粘土に釉薬をかけて作られ、やわらかな温かみがあって、その土地の粘土の色や質によって様々な趣のものが作られる。叩くと鈍い音がする。吸水性が高いので、水が染み込みやすく、洗いにくく、においがつきやすい。その為、使い始めは十分に水に浸してからがよい。新しい茶碗等もそうしないと抹茶が入り込み、色や匂いがついてしまう。それがまた味わいに変化してもいくのだが、使い始めは水に浸してからにする。薩摩焼、唐津焼、萩焼、志野焼、備前焼、常滑焼、益子焼など日本各地で焼かれている。
 磁器「石もの」は陶石といわれる純粋な岩を細かく砕いた白い粉を材料として、まず素焼きをして下絵を描き、釉薬を施して本焼する。更に上絵を描いて焼く場合もある。吸水性がなく、全体に白っぽく、叩くと金属的な高い音がする。有田焼、九谷焼が有名。有田焼というと白地に華やかな赤や青を使って牡丹や梅等が描かれたもの、九谷焼というと全体に金や緑、青、黄で鳥や中国風の絵が描かれたものがよく見られるが、これは材料の岩の色の特徴から有田では焼き上がりが白、九谷では黒っぽい白になることから、九谷ではその色を隠す為に全体に絵付けをしたそうです。産地によってそういった差が見られるのは面白い。

 磁器と陶器では手触りも違う(簡単に言うと磁器はツルツル、陶器はザラザラ)ので、デパート等で手にとると分かると思います。それぞれ良さがあるけれど、私はやはり「土もの」の方が好き。でも、デパートで有田や九谷の見事な絵付を見ると美しさにため息、長く使うならこっちの方が丈夫かな、などと思ってしまうのですが。
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