茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

きつねのかみそり

2005-08-30 21:52:12 | 草木・茶花
 お稽古では準備が終わるとまず席入りをして、床の間(掛物と茶花)と釜を拝見する。
 先日のお稽古の掛物は、「宿水入海為一味」 水、海に入りてとどまり一味を為すと読む。太い川、細い川、汚れた川、きれいな川も全て流れて最後は一つのものとなる。
 夏の茶花は槿(むくげ)が多いのだが、先日はオレンジ色の小さいユリのような花が一緒に入っていた。かわいらしくもきりりとしたその花の名前を先生に伺うと“きつねのかみそり”という。球根で、彼岸花のように茎だけが伸びて先っぽに花が咲くそうだ。友人から頂いて植えたらいつの間にか消えてしまったが、全く違う場所から生えたのを見つけたそうで、名前がとにかく印象的で覚えていたとのこと。

 何故“きつねのかみそり”なのか。
花が終わってから伸びる葉の形が剃刀のようで、キツネというのは花の色がキツネを連想させたからとか、葉の出る頃には花がなくなってキツネに化かされたような感じだから等言われているそう。ヒガンバナ科で有毒植物。彼岸花より1ヶ月ほど早く7-8月頃咲く。
 
 彼岸花はお彼岸の頃咲くのでその名がついたと言われる。別称曼殊沙華(まんじゅしゃげ)、仏教に由縁のある名前や咲く時期、葉もなく花だけ咲く不思議な姿や一面に咲いた真っ赤な花が血にも見えることからあまり縁起のいい花とは言われないが、祖母の家の土手に咲いていた彼岸花は、残暑の中、夏の最後を強烈な赤で彩る幻想的な花と私の目には映った。

 今回初めて出会った“きつねのかみそり”、名前もその姿も私の心に焼きついた。茶室ではたった一つだったけれど、群生していると私の好きなニッコウキスゲにも似ているような。。。。いつか自然に咲く姿を見てみたいものです。
 最後に、皆さんにお見せしたいので、以下写真を拝借しました。ご覧下さい。
http://album.nikon-image.com/nk/NK_AlbumPage.asp?un=65109&key=391735&m=0

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