茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

桜茶会 桜蕊降る中の一服

2023-04-22 14:40:22 | 茶の湯エッセイ

 3月中旬頃、社中の方からご自宅でのお茶会のお誘いがありました。

 実は3年前、先生の白寿のお祝いの際にお目にかかり、お誘い頂いていたのが
コロナで中止となり、3年ぶりに改めてお声がけ下さったのでした。

 今年は桜の開花が早く、既に桜蕊が降る桜の木の下でのお茶会となりましたが、
青空の元、気持ちの良い一服を頂戴しました。

 

 
 社中で一番年下だった私は、母のような皆様にかわいがって頂き、育てて頂きました。
一服頂いた後は、水屋でお手伝いに入らせて頂き、点てだしのお茶を点てたり、干菓子の準備をしたり、お運びをしたり。お茶会自体がなかったこの3年を思うと、嬉しくて楽しくて動き回っていました。
最後には御園棚でお点前までさせて頂き、いい勉強となりました。


 御園棚に並んだ棗や茶杓は、映る桜に益々輝くようでした。
紅い棗は華やかに。
六節ある茶杓は、還暦のお祝いにご家族から贈られた「笛の聲」




 短冊は
散り染めしうす紅いろの花の舞 我が手の盌にひとひらの白雪 宗智

 私と同じ茶名の宗智?どなた?と思っていたら、
席主ご自身の作、お筆だそう。

 花はクマガイソウ。
写真で見たことはありましたが、本物は初めて。なんとも面白い形、優しい色。




 桜柄の楽茶碗、高台が桜の花の形に削られた三島茶碗など、若い頃に求め大切に使ってきたお心づくしの茶碗が並びました。




 気心知れたお仲間で、お呼びしたい方に声を掛け、いらした順にお座り頂き、
久しぶりの再会にゆっくりお話をしながらの一服、二服。


 お客様がお帰りになった後は、思いがけず昼食にも交ぜて頂き、今は亡き先生のお話をしながらの懐かしい時間。話は尽きません。

 茶道のいいところはいつになってもこうして皆で集まって楽しめる事ね、と。

 
 お茶会というと第一席、第二席と時間が決まっていて並んだり、待ったり、次へ次へと急いで回るのが当たり前のように感じていましたが、理想のお茶会を見たおもいでした。
 勿論、準備片づけは大変なのですが、それもまた皆さんができる範囲で協力して連携してスムーズに進んでいくのがなんとも見事だなと。


 茶道が繋いでくれた縁を感じた一日。
 人と人を繋ぎ、昔と今を繋いでくれた茶道。
 やはり多くの人に伝えて、楽しんで頂きたいと改めて思う一日となりました。


 年をとったら私もこんな席を設けて、気の置けないメンバーをお呼びしてゆったり一日過ごしたいなあ。



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