茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

国連でのお茶会 茶碗は地球、その中にある大切な緑

2023-09-19 12:55:26 | 茶の湯エッセイ
 友人からのラインで、国連での鵬雲斎大宗匠の献茶式のことを知りました。
https://media.un.org/en/asset/k1w/k1whsiapbf

 9月21日の国際平和デーを前に、ニューヨーク国連本部で
13日に鵬雲斎大宗匠が平和を祈念して献茶式を開いたというもの。


 国連でのお茶会の様子、大宗匠のお点前やお道具、振舞われたお菓子など、
とても興味深く、じっくりと拝見しました。

 今年100歳の大宗匠のシャキッとした御姿、手元、本当に素晴らしくて見入りました。
そしてスピーチにも聞き入りました。

 掛軸は、和 わ、なごみ、皆が肩を寄せ合って一つの目的に向かって進んでいこうということ。
それに祈りを込めて献茶をする。

 お茶碗は丸い、それは地球、その中には緑がある。
 地球上で緑は一番大切。皆さん今日は抹茶を楽しみながら、その緑と一緒になって下さい。
 皆さんが自分の国の幸せを祈りながらそのお茶を召し上がったら、
必ず世の中が静かないい暮らしができるようになると思います。



 献茶式に先立ち、グテーレス事務総長は国連本部で、
日本から贈られた「平和の鐘」を鳴らし、
世界が結束し、互いを信頼して共に行動する必要があると述べたそうです。
 そして、大宗匠のことを「あなたは平和の象徴だ」ともおっしゃったと
大宗匠ご本人がお話していました。


 「平和の鐘」とは、なんだろう?と思い、検索しました。
日本の平和の鐘
https://www.unic.or.jp/untour/subjap.htm
 このような鐘があることを初めて知りました。


 大宗匠のお姿を見て、私は”北風と太陽”のお話が浮かびました。

 今、各国は防衛費を増やしてミサイルや武器でがっちり自分を守ろうとしているけれど、
それは北風みたいなものじゃないか?
相手は警戒して、旅人がマントを離さないように益々頑なになってしまうのでは?
 それより、大宗匠のように、あたたかな気持ちで、
お先にどうぞ、ありがとうを大事にして、まあ一服いかがですか?と言われたら、
相手もマントを脱いで向き合ってくれるんじゃないか?
 自分だけではなく、お互いを認め合う、譲り合う、理解しようとする気持ちや
粘り強い対話がお互いの安心に繋がるんじゃないか。

 現実はそんなに簡単なものじゃないかもしれません。
自分にできることはちっぽけなことかもしれませんが、
それでも最後は一人一人の心掛けが大事になってくるのかな、
地球人として、人間としてどう生きたいかということなのかな、と思いました。

 多くの人がお互いを認め合い、平和を祈り、それを言葉にしていたら、
きっと大きな祈りとなっていつか地球全体を覆ってくれるはずです。


 地球上では緑が大事、その言葉も心に刺さりました。
最近の暑さ、各国で起こる火事や干ばつ、洪水など、地球上の緑が失われることによって起こっている現象でしょう。地球の緑を守るために、一人一人がどう行動すべきか、これもまた考えなければならない問題です。


 難しいお話になってしまいましたが、、、、
 最後にお茶会のことに話を戻しまして、
食いしん坊の私はふるまわれたお菓子がとても気になりました。
 日本国連大使らに銘々皿でふるまわれたお菓子は、
ケーキのような層になった主菓子と、琥珀糖とお煎餅のように見えました。
 連客にふるまわれたお菓子は秋の琥珀糖とお煎餅のようで、
素敵な小箱に入れられて開けるとそれがそのままお皿がわりとなり、機能的でおしゃれでした。
 (国連のYouTubeから画像をお借りしました。)

 


 美味しいお菓子とお茶を頂く、それだけで皆が笑顔になり幸せな気持ちになる。
ほっと一息つける。
 世界各国に独自のお茶の文化はあって、一服のお茶を飲むということは万国共通なわけで、
言葉が通じなくてもきっと伝わるものがあるのではないでしょうか。


NHKニュースより
千玄室さん国連本部で献茶式 世界平和祈りお茶をふるまう
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230914/k10014195321000.html

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