FAKE? or Truth?

LUNA SEA&LUNA SEAメンバーのライブレポを中心に、観劇、スポーツ観戦レポなどなど

極上の時間

2012-05-26 00:25:53 | その他演劇・バレエ等
今日は一昨年ぶりのK-Ballet、4年ぶりの『海賊』でした


こんなにあっという間だったっけ

1幕も2幕も、実際の半分くらいしか時間がまだ過ぎていないんじゃないかっていうくらい、集中…とも違うな、時空を超えた異空間に身を投じていて、本当にあっという間に極上の時間が過ぎました。

K-Balletの『海賊』を観るのは2回目だけど、熊川哲也さんのアリを観るのは初めて!

う~!すご過ぎましたっ

あの跳躍の高さと滞空時間。回転軸の速さとブレない凄さ表現力の素晴らしさ

感動の溜め息の嵐です

荒井裕子さんのしなやかでキレのある踊りも、柔らかだけど力強い白石さんの踊りも、めちゃめちゃ素敵でした

そしていつもその美しさに圧倒される舞台芸術。
『海賊』は美しさと迫力を感じる、熊川バレエの中でも圧倒的な個性を放っています〓


古典バレエに敬意を祓いながら、更なる進化を続けるk-Balletは、各ダンサーのレベルも半端なく素晴らしくて(素人が偉そうにごめんなさい〓)、その素晴らしさはバリエーションやパ・ド・トロワ、を踊るダンサーだけでなく、群舞を踊るダンサーに現れていると思います。

こんな素晴らしいバレエ団が、日本にあるなんて!
いつも想うけど、感激するし、本当に「嬉しい~


でも、もの足りない
今日の舞台にもの足りないのではなく、「もっとK-Balletが観たい!」「もっと熊川哲也を観たい!!」というもの足りなさ
なかなか簡単には見に行けないけれど、やっぱり今までのペースじゃダメだな。観られる時にな観ておかないと!
お財布が許す限り、なるべく多く観に行こう

次は『ドン・キホーテ』とか『カルメン』がいいな~


今日は本当に至福の時だったな~
休憩の時にオーチャードホールのCafeメニューも良かったし(熊川哲也さんお薦めの、シャンパンと生ハム(その場でシェフが切り分けてくれますを頂きました))、帰りは、イ・パニーニさんで食事も出来たし満足

『ムサシ London. N.Y. Ver.』

2010-06-10 23:35:38 | その他演劇・バレエ等
『ムサシ London・N.Y. Ver.』 2010.6.9. @さいたま芸術劇場

1年2ヶ月ぶりのさいたま芸術劇場 & 『ムサシ』。
会場内には故 井上ひさしさん逝去の記事の掲示と井上ひさしさんへのメッセージを受け付けるBox、 London公演の批評が掲示されていました。

London公演の各誌の批評はどれもかなり高い評価だけれど、批評内容(捉え方)が微妙に違うのがまた面白い。
蜷川幸雄さん独特の舞台美術の世界、東洋文化の理解と解釈、出演者の技量の高さなどなど、演劇の本場Londonでこれだけの評価を受けることに、ただの観劇者の私もつい口元が緩む。 やっぱり日本人としては嬉しいですよね~。 どんなに末端の一観劇者でも。






さてさて、今日の席は・・・。 「
チケットを購入したのは4ヶ月前の2月。 すっかり忘れていましたが今日は・・・“最前列”でした・・・。

最前列は芝居ではあまり良い席とは言えないけれど(やっぱりベストはセンター7列目前後。 蜷川さんのクラスの舞台になると、10列目くらいで両端の動きがちょうど目に入る感じでもあるので、辛いところはありますが、昨年複数回観ているのもあり、なんとか今日はOK(今回は1回観劇ですが)って感じでしょうか。

とはいえ、最前列の楽しみもあります。
役者の表情が手に取るように見えることは言うまでもありませんが、今回は更にリアルに感じるところが盛りだくさん

小次郎が武蔵に書いた果たし状。 「おぉ~! 本当にちゃんと書いてあるんだ~~!」 全ての文字が半紙が透けて見えるし、“佐々木小次郎”の署名ががっつり見えた時はちょっと感激。(笑) 何も書いてないとは勿論思ってはいなかったけど、あれだけ文字がはっきりと見えるとなんか嬉しくなっちゃったりして。(笑)

それと“風”。 『ムサシ』では場面の変化、時の流れを現わすのに“風”がとても重要な役割を果たしています。 竹やぶがサワサワと音をたて、風の音をより風として感じる演出は何度体感しても素晴らしいの一言。・・・が、その“風”をどの席よりもリアルに感じるのが最前列。 実際に少しだけ風が吹いているみたいなんですが、それよりも竹やぶ。
サワサワと揺れだした竹やぶの影が座席を呑みこんでいるので、まるで舞台の中にタイムスリップしてしまったような感覚になってしまうんです♪ これはなんとも言えない心地よさ。 人というのは聴覚で感じる事を視覚で感じたり、視覚で感じることを聴覚で感じることが出来るんですよね。 改めて感じた発見でした。

そして、つぶやきと足音の体感。 主人公がセリフを喋っている時に舞台の脇で繰り広げられる細かい演技の中でのつぶやく役者さんの声。掛け合いをする声。 「こんな事喋ってたんだ~」と小さな発見。 だだだーっ!と走った時には座席が揺れます。(笑)
3時間にも及ぶ芝居。 つぶやきなんかより息遣いが聞こえてもおかしくないくらいなのに、 走った時に揺れるくらいなら、すり足の音が聞こえてもいいくらいなのに(←びっくりするほど聞こえません!)・・・。 凄いですね、役者さんて。(感動)

そんな感動を随所に挟みながら3時間の芝居は吸い込まれるようにあっという間でした。

今回、小次郎役が勝地涼くんということで、芝居にどんな変化があるだろうと思って期待をしていきました。
当たり前のことだけれど、役者が替わるだけで芝居って変わりますね~♪ 小次郎だけでなく沢庵宗影(=六平直政)も配役が交替しているので全体的な雰囲気がまた違います。 期待は裏切られませんでした


慶長十七年(一六一二)陰暦四月十三日正午。 豊前国小倉沖の舟島。真昼の太陽が照りつけるなか、宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘。
「遅いぞ 武蔵!」 小次郎のこのセリフを聞いた瞬間、 一瞬の違和感とも似た戸惑いを覚え(頭の中に小栗くんの声がこびりついてるんですよねー)、「強い小次郎だっ」と感じました。 声の張りかたも迫力があるし、目がギラギラしているんです。 強い小次郎そのもの。 こんなに強そうな勝地くんを観たのは初めてで(TVの役とかだと可愛らしいイメージ)、ちょっと衝撃。

勝地くんは声も出ているし聞きやすい。 想像していたよりも太い声。 立ち回りも力強く、役柄に合っていると思いました。(London誌の批評も高かったです♪)
でも・・・。 これは好みでしかないと思うのですが、2009年の『ムサシ』の小次郎(=小栗旬)と今回、2010年の『ムサシ』の小次郎(=勝地涼)。 どちらが好み(勿論役どころとして)かというと・・・うーん・・ どちらかというと・・・私は小栗旬くんの演じた小次郎でした。

場面場面で「おっ!ここは勝地くん演じる小次郎の方がいいな~」と思うところは多々あるんですが・・・。なんていうんだろう・・・。
このお芝居事態がコミカルな要素を含んでいるので、それを含めた全体的な雰囲気かな。 小栗くんてちょっと飄々としたところを持っていると思うんですが、熱き小次郎を演じたときに、うまくその部分が作用しているというか、うまく力が抜けている風に感じるというか。 熱すぎないところが好みなんですかね、私。
なので、コミカルな動きやセリフの“5人6脚”の場面や、“殺陣の稽古がダンスになってしまう”場面とか、“継承権十八位”に自分がいると思い込み舞い上がってしまい腑抜けになってしまった場面とか、小栗くんはちょうどよく演じていた部分が勝地くんはちょっと堅い感じがしてしまって・・・。 まぁ、これもただ単に好みなんだと思うのですが。

ただ芝居全体もそういう雰囲気で流れるので 、勝地くん演じる小次郎がギラギラしていればいるほど、相対するムサシ 藤原くんの凛とした立ち姿、奥に秘めたる静かな炎を燃やす姿がより活きていました 
なんだってこうも美しく、立っているだけで“その人”を表す立ち姿が出来るんだろう。 策士と言われた武蔵を本当に見事に、最初から最後まで表現していました。

前回の武蔵よりも更に磨きがかかっている演技に目が離せなくて困りました。 ちょっとした所作も見逃せなくて・・・。 最前の私の目は魚眼状態になりそうなくらい。。。 疲れました。(苦笑)

今回、藤原竜也という役者の凄さを見せつけられた最高の場面があります。 それは筆屋乙女に「父の仇を打つため・・・」と頼まれ、指南役を買って出た小次郎に「何か策はないのか?」と言われた武蔵が「無策の策ならある」と言い、上段に刀を構えるですが・・・。

それまで少々笑いを含んだ芝居の空気がピタッと一新するんです。 
スっーっと静かに刀を抜く。その瞬間に空気が変わる。 凄い・・
表現の仕方が難しいのだけれど、照明がどうとか音楽がどうとかそんなもので変化するんではなく、全てが呼吸。 藤原くんの演技の呼吸。 “一体どうするの?”と舞台の上も舞台の下でも皆が思い、見つめる緊張感のある瞬間を生み出しているのが藤原くんの演技の呼吸。 間の取り方。 観る者を集中させる素晴らしい演技の技 
今まで何度も藤原くんの芝居を観ているけれど、今回は群を抜いて素晴らしかったと思います。 痺れましたっ


故 井上ひさしさんが書き上げた『ムサシ』。 井上さんが書き上げるものは、いつもその時代の世を指し示していると私は思うのだけれど、この『ムサシ』 にもそれを感じます。

結界が解けてしまい、亡き者たちが言う言葉。
「命ある時にはその大切さが分からず、無駄にしようとします。」
「(こうなってみて)辛いことも、悲しいことも・・・ どんな毎日でも全てが輝いて見えるのです。」
「どうか争い事は止めてください。 命を無駄にしないでください。」


”命の大切さ “が軽々しくなってきたと感じる、日本人へのメッセージ。
そう捉え、強く心に受け止めていたけれど、それは先に上演されたLONDONでも同じだったようです。“命の大切さ”を唱える白石加代子さんの言葉に感動したと評されていました。

日本をはじめ、先進国では自ら命を絶つ者が増え、途上国ではいまだ内戦が終わらない国も・・・。
実際の戦いは起きていないとはいえ、国と国の戦いも小さなキッカケで起こる可能性だって充分にある今の世の中。 ううん。そんな大きな事だけではなく、身近な事でも沢山ある。誰かに対するちょっとした怒りが大きな事に繋がることも・・・。

全てに通じる事は“怒りや復讐 という連鎖の鎖を断ち切る強さを持つ” ということ。  また今回の『ムサシ』で心に刻みました。


この日は前楽。 満場の拍手とスタンディングオベーションの中、3度目のカーテンコール。ニコっと笑った藤原くん。 勝地くんに笑顔で喋りかけ、それにちょっとはにかんだような笑顔で応える勝地くん。 深々とおじきをする藤原くんの左手は勝地くんの腰をぽ~んと叩いていました。 まるで「やったな♪!」って声が聞えてくるような瞬間でした



改めてやはり『ムサシ』という作品は、傑作だと思います。 
そしてやっぱり今回も複数回観るべきたっだ・・・!と若干後悔・・・

パンフレットも迷って迷って買わずにきましたが(芝居内容は前回と同じなので・・・)、これもまた若干後悔中 
良い芝居を観ると、素敵な後悔が色々出てきます

いつかまた、再演してほしいなぁ~。 N.Y. 凱旋公演? 早すぎるか。(笑)

最後に・・・。 
N.Y.公演の成功を心から祈ります。

(※今回は再演なのでストーリーについては触れていません。 もし気になる方がいらっしゃいましたら、ブログ内 『ムサシ』で検索 or 2009年3月記事内から検索をしてください)

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~ムサシ~
慶長十七年(一六一二)陰暦四月十三日正午。
豊前国小倉沖の舟島。真昼の太陽が照りつけるなか、宮本武蔵と佐々木小次郎が、たがいにきびしく睨み合っている。小次郎は愛刀「物干し竿」を抜き放ち、武蔵は背に隠した木刀を深く構える。武蔵が不意に声をあげる。「この勝負、おぬしの負けと決まった」。約束の刻限から半日近くも待たされた小次郎の苛立ちは、すでに頂点を達していた。小次郎が動き、勝負は一撃で決まった。勝ったのは武蔵。検死役の藩医に「お手当を!」と叫び、疾風のごとく舟島を立ち去る武蔵。佐々木小次郎の「巌流」をとって、後に「巌流島の決闘」と呼ばれることになる世紀の大一番は、こうして一瞬のうちに終わり、そして・・・・・物語はここから始まる


宮本武蔵・・・・・藤原竜也
佐々木小次郎・・・勝地涼
筆屋乙女・・・・・鈴木杏
沢庵宗彭・・・・・六平直政
柳生宗矩・・・・・吉田鋼太郎
木屋まい・・・・・白石加代子

平心・・・・・・・大石継太
浅川甚兵衛・・・・塚本幸男
浅川官兵衛・・・・飯田邦博
忠助・・・・・・・堀文明
只野有膳・・・・・井面猛志

『ムサシ』

2010-06-09 22:41:15 | その他演劇・バレエ等
行ってきました、『ムサシ ロンドン ニューヨーク Ver.』。

今回は一度だけの観劇。
もう一回観た~い!

終わった直後に思ってしまいました。

良い芝居でしたー 勝地涼くんの小次郎も、小栗くんとはまた違った良さがありなかなか
早くレポート書きたいなぁ~。でもまた週末まで無理かな
『ムサシ』は傑作ですね、やっぱり。 そして益々磨きのかかった藤原竜也くんの演技に脱帽です

充実

6月の予定がひとつ決まりました(笑)

2010-02-03 23:42:28 | その他演劇・バレエ等
5/15日から6/10日まで、さいたま芸術劇場で公演される『ムサシ』 ロンドン・NYバージョンの先行申込みに無事当選です

千秋楽が平日なので(土日は基本的に×なので、平日設定は嬉しい人です)、平日1公演と千秋楽の2公演を申し込もうかと思っていたんだけれど、色々と懐事情も厳しいので平日1公演のみにしました。 そのかわり、前楽日を申込み♪
「きっとそんなに良い席はこないだろうなぁ~。」と思いつつも、中間より後ろ目くらいのセンターがくればいいんだけどな~と願っていたんですが・・・。

取れた席は、な、なんと2列目!

・・・ま、まてよっ・・・
確か昨年は・・・1列目は作られてなかったんじゃ・・・
と、ということは

最前列じゃん!

ま、前過ぎる・・・

今回は本当に後ろでよかったんだけど・・・。 1回しか行かないから舞台全体を観たかったんだけど・・・
でも・・。逆に言うと、前楽日だからセンター中間の良い席(観劇においての)が当たらなかったのも当たり前か・・

チケも取れて、最前(かも?)!
文句なんてあるはずもないわけなんですが・・・。でも・・前、前すぎる~~~。緊張しちゃう~~~~。(←早すぎだからっ)

6月の公演前に、昨年の『ムサシ』を観ておこう。 どんな風に違いがあるのかが判ればまた更に面白いと思うので♪(←だから・・・早すぎっ=3)


『MUSASHI』 & 『CHICAGO』

2010-01-20 08:43:38 | その他演劇・バレエ等
年が明けて半月ですが、早くも5月、6月のスケジュールが埋まってきそうです。(勿論、仕事じゃなくて~/爆)

昨年3月~4月に東京、大阪で公演された、井上ひさし×蜷川幸雄 作品の『MUSASHI』の、London、N.Y. バージョンの凱旋公演。

一昨年秋に東京、大阪で公演されたミュージカル『CHICAGO(日本語版)』の再公演。

どちらも主要キャストが1名入れ替わっているので(『MUSASHI』の小次郎役は勝地涼くん!『CHICAGO』-ヴァルマ役はアムラ=フェイ・ライトさん)どんな舞台になるのか楽しみ♪☆
なんですが・・・・

チケ取り対策&日程調整、そしてお財布との相談etc・・・
何せ“先”のことなので、色々想定しながら観劇日を決め、なおかつ確実にチケをゲットする事を考えると色々悩ましいです・・・。


『MUSASHI』London、N.Y.バージョン
凱旋公演 2010年5/15日~6/10日[さいたま芸術劇場]


『CHICAGO(日本語版)』
再演 2010年6/4日~6/6日[兵庫県立芸術文化センター]
2010年6/9日~7/4日[赤坂ACTシアター]

アナザースカイ 一周年

2009-10-03 00:17:37 | その他演劇・バレエ等
日テレの『アナザースカイ』。今日で一周年という事で、ゲストは熊川哲也さんでした


kバレエカンパニー代表でありあこがれのバレエダンサーである熊川哲也さんを前に、宮尾俊太郎さんの緊張ぷりが。(^w^)

そんな宮尾さんを軽くいじめる熊川さん。(-^〇^-)


熊川さんの第二の故郷はロンドン。
東洋人として初の英国バレエ団への入団。最年少でのプリンシパル。
どれも知っていた事ではあるけど、何度聞いても(見ても)素晴らしいなぁ~と尊敬します。

熊川哲也さんにロンドンが与えたものは。。。
「ロンドンは日本人として誇りに思えるようにしてくれた。それは海外に出たから日本がより見えたという単純な事ではなく、英国人がもつ、英国人としての誇りを目の当たりにした時に、自分も日本人としての誇りを植え付けられた。それは先人への敬意であり、特に古典に携わる者としては重要な事。」

世界の舞台に立ち、世界で活躍する人が発する言葉は、責任感を強く感じる力強い言葉でした

K-BALLET Co. 『ジゼル』 2009.05.15 @オーチャードホール

2009-05-17 12:25:10 | その他演劇・バレエ等
K-BALLET COMPANYの公演を観にいくのは約1年ぶり。毎年クリスマスに公演される『くるみ割り人形』など、観にいくチャンスはあれど、決して安くはないチケット。やはり回数が観にいけないのであれば、熊川哲也さんが出ている時に観にいきたい、と思ってしまい約1年ぶりの鑑賞になりました。

今回の演目は『ジゼル』。オーチャードホールという素晴らしいホールでの公演でもあるので、席をとるのにもこだわってみました。
といっても2F最前列は無理な話なので、2Fバルコニー席の最前。二人がけの席なのでまるで招待席のような気分。手すりがちょっと気になるけれど、舞台には被らなかったので、開幕をしたら全く気にならず、完全に自分の世界での鑑賞となりました

実際のバレエを観たことがなくてもバレエ漫画にハマった事のある人ならば、『ジゼル』という作品名は知っている(と思います)、ロマンティックバレエの代表作の一つ。現在踊られているバレエの中でもっとも古い形式のバレエです。

熊川さんのバレエが観られるというだけでも静かな興奮状態なのだけれど、それプラス、熊川さんの芸術監督としての力が発揮されている舞台美術や衣装などの楽しみ、そしてなんといっても『ジゼル』では、群舞の美しさと重要さが多分に含まれているバレエ。K-BALLET DOMPANYの質の高さをより感じられると思うと更に興奮が増しました

先日もちらっと書きましたが、この日はジゼルを演じるはずだったヴィヴィアナ・デュランテさんが5/9日の公演で左腓腹筋部分断裂という診断を受け、この日のジゼルは東野泰子さん。ヒラリオンはスチュアート・キャシディさん。アルブレヒトは勿論熊川哲也さん!というキャスティング

英国ロイヤル・バレエ時代からパートナーを組む“デュランテ×熊川”、黄金コンビの『ジゼル』を観たかったのも確かだけれど(なかなか観れる機会もない(しかも全幕)ので・・・)、そんな気持ちが吹っ飛んでしまうくらい、東野さんのジゼルは素晴らしかったです

『ジゼル』第一幕。
葡萄の収穫を祝う村では、恋人同士のジゼルとロイス(アルブレヒトが公爵という身分を隠し名乗っている名前)が楽しげに語らっています。ジゼルの母の信頼も厚い森番のヒラリオンはジゼルに想いを寄せていますが、二人の中を裂くことは出来ず悔しい思いをしています。
収穫祭の女王に選ばれたジゼル。村人たちの前で可憐に踊ります。

最初に幕が開いた時、あまりの舞台の美しさにため息が出ました。奥行きがある舞台を生かした森とその木漏れ日。ジゼルの家は家の中を想像したくなるほどです。

そして東野さんのジゼル。 小柄できゃしゃな身体つきからして愛らしい村娘ジゼルそのもの。主役を演じる方は技術的なことは勿論だけれども、持って生まれた身体がその役柄を演じる条件になってくると思いますし、こんなにぴったりな人はいるだろうか~と、心奪われてしまいました。(笑)

第一幕でのジゼルの踊りは、愛らしさが溢れる踊り。 軽やかな足の動きが特徴。東野さんの踊りは体重を感じさせないくらいにクルクルと軽い。(ここで第二幕へへの期待も大きく膨らみました♪)なのに素晴らしい安定感。全くブレません。元気で可愛らしい中にも、心臓が弱いジゼルのはかなさが、東野さんの身体を通して出てきているところに自然と引き込まれていきます。

狩りの知らせを告げる角笛に慌てるロイスを見てあやしく思ったヒラリオンは、ロイスの家に忍び込み、そこで狩りに来た一行(貴族)と同じ紋章が入った剣を発見。ロイスが村人ではなく、貴族である証拠をつかみます。

狩りをしている一行はクールランド公爵とその娘バチルド。バチルドに気に入られたジゼルはネックレスも貰います。一行が去ったあと戻ってきたロイスにネックレスを見せるジゼル。そこへヒラリオンがやってきて剣とネックレスの紋章が同じだということを告げ、更に角笛で公爵一行を呼び寄せ・・・。

バチルドとロイス(=アルブレヒト)が婚約者同士だと知ったジゼルは、錯乱し、弱かった心臓も耐えることが出来ずに・・・死・・・。


『ジゼル』を知っているとはいえ、次の展開にドキドキするのはやはり真に迫る踊りとそれにぴったりとくっつき離れない音楽との融合なのでしょうか。ドラマチックな効果は素晴らしいです。

ジゼルがロイス(=アルブレヒト)との楽しい思い出を思い出しながらも錯乱し、村人達の間を気がくるわんばかりに駆け抜けるところがとても良かったです。ただこれは後から思ったことですが、東野さんのかもし出す雰囲気かもしれないですが、錯乱する様子が大人しかったかな~と・・・。ド素人が生意気ですが、そんな事を思いました。

そして熊川版『ジゼル』の大きな特徴。有名なジゼルのヴァリエーションをバチルドの前で踊るというところです。物語れの流れを切らない、自然な流れの中でのヴァリエーションは、より素晴らしさを増したように思います

熊川さんの演出、振付は、マイムの部分がとても解りやすく、細かく内容を知らずとも話の流れがわかるし、とてもバレエというものが身近に感じるし、物語が自然に流れていく感がとても心地がいい。
かといって芝居とは違い言葉があるわけではないので、マイムを通して自分なりの理解を求め、ほどよく頭を使うところが良い、というか面白いところ。バレエの魅力。熊川哲也さんの演出はこのさじ加減が絶妙だと思います。


ここで休憩。
コーヒーを飲みにラウンジへ行くと、なにやらポストカードを手にしている人がっ!! カウンターを確認!ロールケーキを頼むとポストカードかメモ帳がもらえるらしい~
ということで、ロールケーキを注文♪ ポストカードをいただきました~(写真参照※ポストカードは“眠りの森の美女”)

大満足気分で第二幕です。(笑)

『ジゼル』といえば第二幕。
結婚を出来ずに亡くなった乙女の魂(=ウィリ)がやどる森の中のジゼルのお墓が舞台。

ジゼルの墓に最初にやってくるのはヒラリオン。ウィリの女王ミルタの命令でヒラリオンは死に追いやられてしまいます。

ここでまたまた熊川版の特徴。ジゼルの墓前で眠るヒラリオンのところに、もうウィリたちが現れます。音も無く現れ、隊列をなしたウィリたちに、青白い世界が冷たく恐ろしいものに変わっていきます。

ミルタの命令によりウィリ達はヒラリオンを踊り躍らせ、死にいたらしめますが、この時のヒラリオン役、キャシディさんが素晴らしかった!本当にウィリたちに操られているかのような錯覚を起すほど、音楽と調和したジャンプ。手足の動き。「どうやっているんだろう?」(笑)と、真面目に思ってしまうくらい、見事でした!

そしてそして、いよいよアルブレヒトがジゼルの墓前に現れます。両腕に沢山のユリを抱えジゼルの墓前に祈るアルブレヒト。そこに現れるジゼルの亡霊。

この時、“うわっ”と心の中で声をあげてしまいました。 ジゼルの登場が本当にフワっと、人を感じさせないような登場だったから。。。
ウィリとなったジゼルを表す前方に高く掲げられた腕。 捕まえようと思っても捕まえられないフワリとした動き。嘆きと哀しみに溢れるアルブレヒトの表情と絡み合い、どんどんジゼルの世界に引き込まれていきます。

そして男性舞踊手最高の見せ場。アルブレヒトがウィリたちに操られ、踊らされ、人間とは思えないような大ジャンプを見せます。
熊川さんの足が上がった途端、もう会場は拍手拍手拍手大歓声です

まさに超人!
あれだけの高さを飛びながら、アルブレヒトとしての感情を表し、美しきジャンプをする。。。
「一体どんなことになっているんだろう。」「本当にウィリたちに操られているんじゃないか・・。」
そう思いたくなるほど、本当に本当に素晴らしい

そしてそしてこれ以上に素晴らしいのが、アルブレヒトとジゼルとのバ・ド・ドゥ。ウィリに踊らされるアルブレヒトは魂だけのジゼルと踊ります。

アルブレヒトのリフトでまさに宙にうかぶようなジゼル。

もうこれはですね、観た人にしか解らないです!本当に凄い 本に本当に凄いんです、あのリフトがっ
舞台の端から端へ、ふわりふわりと浮かぶジゼル。 流れるような動きは熊川さんのリフトの素晴らしさです!
男性舞踊手の手を感じさせないんです!

足の指に均等に力が入らなければきっと出来ないであろう、床にピタッとついて微動だにしない足が下半身の安定感に繋がっているのでしょうか。
リフトだけでなく、回転のサポートも他の舞踊手からすると格段の差です! 本当に素晴らしい!大感動です

第二幕で自然と拍手が生まれるところがあります。
それは『ジゼル』ではとても大きな役割と美しさを誇る群舞。 ウィリたちが隊列を成し、舞台の左右から静かに交差していく場面は、あまりの美しさに拍手がおきました。本当に素晴らしい~! K-BALLETの質の高さをはっきりと感じる場面です。

クラッシックバレエおいては『ジゼル』に限らず、群舞の美しさを楽しむところはありますが、『ジゼル』の群舞(第二幕)は特別だと思います。 なぜならばウィリだから。 ウィリは人間ではなく聖霊。 一糸乱れずということだけでなく、風のように波のように、そこに存在しているけれど存在してはいないような・・・。一人でも大きく乱れるような事があれば、ウィリの世界が、二幕の世界が完全に壊れてしまうと思うからです。

しかし、本当に素晴らしい世界でした!
バレエは総合芸術というけれど、本当にその通りだと、観にいくたびに思います。身体ひとつにしても「人間の身体ってこんなに美しくなるものなの?」と思い、
決して華美ではない舞台美術の美しさは、そこで踊るダンサーと相まって初めて最高の光を放つ。
オーケストラはダンサーたちの呼吸と同じように流れ、時には擬態を表す音にもなる。
これは贅沢の極みです。

バレエを観にいったことがない人がいたら、一度は是非
古典バレエはちょっと・・という人でも、『ドン・キホーテ』や『海賊』は内容的にも踊り的にも楽しいと思うし、クラッシック音楽が好きな人は『第九』・・・。
って、どれもK-BALLETメインの紹介しちゃってますが。

それだけK-BALLETのバレエは、「これがバレエというものだったのか~!」と思わせてくれるものだと思います。

あぁ~・・・『第九』も観にいきたいなぁ・・・・。
でも・・チケ代が・・・・。 お財布とにらめっこしながら、そのうち絶対に観にいきたいと思います。

2009.05.15(金) 18:30 Bunkamuraオーチャードホール
CAST
ジゼル:東野泰子
アルブレヒト:熊川哲也
ヒラリオン:スチュアート・キャシディ

ウィリーの女王ミルタ:浅川紫織




高畑淳子さんから熊川哲也さんへのお花



たかの友利さんから宮尾俊太郎さんへのお花

熊川哲也版『ジゼル』

2009-05-15 23:52:48 | その他演劇・バレエ等
今日は待ちに待った熊川哲也さん率いるKバレエカンパニーの『ジゼル』を観に、オーチャードホールへ行ってきました

あまりに素晴らしかったので、沢山感想を書きたいけれど、まだ感動に浸りたい気持ちもあり、詳細レポは明日以降にします。が…

ちょこっとだけ感想を


今日出演予定だったヴィヴィアナ・デュランテが先日ふくらはぎを痛め、降板したため、今日のジゼルは東野泰子さん。

開演ギリギリに席に着いたので、デュランテが降板していたとは知らず、ジゼルが出て来た時には「あれ?」って思ったけれど、すぐにそんな事はどうでもよくなりました。
それほどまでに東野さんのジゼルは素晴らしかった登場した瞬間からジゼルそのものでした

可憐な村娘、精霊となった姿(踊り)。私がバレエ『ジゼル』にイメージするジゼルそのものでした。

熊川哲也さん?
言うまでもなく素晴らしかったです〓

こんな素晴らしいバレエが観られるなんて…
熊川哲也という天才ダンサー、芸術監督の素晴らしさにあらためて感謝です

そしてバレエは美しいだけでなく、面白いです!

「面白いって何が?どこが?」と言う方が殆どだと思いますが、そんなところも伝わるような感想レポを後日書きたいと思います


はぁ~〓素敵な夜でした〓

友達に感謝♪

2009-04-21 00:19:46 | その他演劇・バレエ等
先日ちょこっと書いたとおり、『ムサシ』のMy千秋楽には行けませんでしたが、私の変わりに行ってくれた友達から感想のメールを貰いました♪

観劇好きの友達ではあるのだけれど、ミュージカル派なので、『ムサシ』出演の役者さんを観るのは殆どの人が初めてだったみたいで(吉田鋼太郎さんも初めてだったのにはちょっと驚きだったけど)、席がかなり前方(2列目センター)だったのもあり、インパクト大だったようです。(笑)

生 小栗くんに関しては「顔・・小さっ!」と思ったそうで。(笑)
「キリリとした感じが小次郎の役柄に合っていたし、刀さばきも格好が良かった!」とのお言葉も頂きました。

以前一緒に蜷川さんの舞台を観にいったことがあるので、蜷川演出舞台の美しさ(素晴らしさ)は体験済みの友達でしたが、私が感動した“巌流島から山寺へと景色が変わる場面”、竹やぶの動きの美しさを素敵だと思ってくれたのが嬉しかった あの動きは蜷川さんにしか出せないと思います、うん♪

ただ、やはりこの場面は少し後方から観たほうが一段と良い訳で・・・。
友達も「この場面ばかりはもう少し後ろから観たかったよ~」と言ってました。(そう感じてくれるような友達が観にいってくれたことがまた嬉しい

敢えて内容は伝えずに「楽しめると思うよ」と、チケットを渡したのだけれど、やはり爆笑したそうです、“5人6脚”& “型歩行からのダンス”シーン
堅い芝居なのかと思っていたところに、意表をついた面白さが一気に出てくる場面。友達も予想通り(笑)楽しんでくれたみたいなので良かった

今回、自身が行けなかったのはとても残念だけれど(時間が経ってくると余計に・・・(苦笑))、逆にこういう機会がなければ自分の好きな分野以外の芝居(役者さん)を友達もなかなか観にいくこともないと思うし、私としてもこれがキッカケになって、またこういうストレート芝居を観にいってくれたら嬉しいなぁと思うので、本当に空席にせずに友達に観にいってもらえてよかったと心から思っています。

でも・・・。もう『ムサシ』の東京公演は終了したんですよねぇ・・
3回観にいくはずだった舞台・・・。前半2回という、進化した舞台を最後に観れなかった。ちょっぴり消化不良で終わってしまったのはやっぱり残念・・・。(苦笑)




柳家花緑さん独演会

2009-04-04 21:29:13 | その他演劇・バレエ等
今日は実家の母と、落語を聞きに出かけてきました

柳家花緑さん。今日は昼間放送されていた『ぶらり途中下車の旅』に出ていたので、もしかしたらピンと来る人も多いかもしれませんが、私はフジテレビの『特ダネ』の中でのコーナー、『温故知新』で進行役をしているのを一応知ってはいたものの、あまり記憶にはなく…

今日の独演会は母がチケットを当てたもの。最初は落語と聞いてあまり気乗りしなかったのですが(上記に書いたとおり、柳家花緑さんの事も殆ど知らない状態だったので)…。


“行って良かったー”o(^▽^)o めちゃ面白かったです

演目は勿論のこと、演目に入る前の日常で行った出来事の話は、面白可笑しく、オチの切れ味も抜群演目をやらなくてもOKなんじゃないかと本気で思いました!

演目の中に“おぼっちゃまの部屋”というのがあるんですが、なんとそれは花緑さんのピアノ演奏
勿論、笑いあり(^~^)


でも花緑さんは本当にピアノがお上手。一番披露したかったという一青窈さんの“ハナミズキ”の弾き語りもお見事でした

機会があったらまた行きたいです